文献情報
文献番号
200936188A
報告書区分
総括
研究課題名
原因不明の慢性好酸球性肺炎の病態解明、新規治療法、およびガイドライン作成に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H21-難治・一般-133
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
谷口 正実(独立行政法人国立病院機構相模原病院 臨床研究センター)
研究分担者(所属機関)
- 長瀬 隆英(東京大学 医学部附属病院 呼吸器内科)
- 玉利 真由美(独立行政法人理化学研究所 横浜研究所 ゲノム医科学研究センター 呼吸器疾患研究チーム)
- 森 晶夫(独立行政法人国立病院機構相模原病院 臨床研究センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
15,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
原因不明の慢性好酸球性肺炎の病態、臨床像、予後を明らかにする。
研究方法
1.CEP中長期予後の検討
2.CEP再燃の予測因子(尿中ロイコトリエン高値)の検討
3.CEP病態における脂質メディエーター関与の検討
4.新規好酸球活性化メディエーターの肺局所濃度の検討
5.気道および全身における好酸球活性化のメカニズムの研究 6.好酸球増多に関連する遺伝子多型の検討 7.KOマウスを用いた肺好酸球浸潤の検討
2.CEP再燃の予測因子(尿中ロイコトリエン高値)の検討
3.CEP病態における脂質メディエーター関与の検討
4.新規好酸球活性化メディエーターの肺局所濃度の検討
5.気道および全身における好酸球活性化のメカニズムの研究 6.好酸球増多に関連する遺伝子多型の検討 7.KOマウスを用いた肺好酸球浸潤の検討
結果と考察
1.CEP中長期予後の検討:今までCEPの長期経過や予後はほとんど不明であったが、再燃率やCSSへの移行、肺機能低下が非常に多いことが初めて明らかとなった。
2.CEP再燃の予測因子(尿中ロイコトリエン高値)の検討:CEP初発時のU-LTE4が著明高値例では、ステロイド維持療法中に再燃を40%に認めたが、軽度高値例では再燃がなかった。この事実は、U-LTE4が再燃予後指標になりうる可能性を示し、またCysLTsがCEPの病態に深く関わっている可能性も示している。
3.CEP病態における脂質メディエーター関与の検討:U-LTE4産生過剰と抗炎症メディエーター、リポキシンの再生低下を証明中(ERJ 2008)
4.新規好酸球活性化メディエーターの肺局所濃度の検討:今回はじめて、ヒト検体のおいてeoxin C4を同定できることを証明した。今回の結果では、CysLTs濃度と15-HETEは相関し、15-HETEとBALF中好酸球%は強く相関したが、eoxin C4は、BALF中非常に低濃度で病態との関連も認めなかった(CEA2009)。
5.気道および全身における好酸球活性化のメカニズムの研究:CEP病態には、T細胞レベルの免疫応答異常が関与する可能性が示唆された。
6.好酸球増多に関連する遺伝子多型の検討:VEGFR1遺伝子多型rs3794399が成人気管支喘息における末梢血好酸球数増多に強い相関を認めた。今後、慢性好酸球性肺炎患者においてこの多型と発症との関連を検討するとともにrs3794399と連鎖不平衡にあるSNPsの検索を行なう必要がある。
7.KOマウスを用いた肺好酸球浸潤の検討:発生工学的手法を用いたアプロ-チは、難治性炎症性疾患の病態解明および未知の遺伝子機能解析において新しい視点を提供する独創的なものであり、本研究の成果は炎症性肺疾患治療の展開に重要な寄与をなすものと考えられる。
2.CEP再燃の予測因子(尿中ロイコトリエン高値)の検討:CEP初発時のU-LTE4が著明高値例では、ステロイド維持療法中に再燃を40%に認めたが、軽度高値例では再燃がなかった。この事実は、U-LTE4が再燃予後指標になりうる可能性を示し、またCysLTsがCEPの病態に深く関わっている可能性も示している。
3.CEP病態における脂質メディエーター関与の検討:U-LTE4産生過剰と抗炎症メディエーター、リポキシンの再生低下を証明中(ERJ 2008)
4.新規好酸球活性化メディエーターの肺局所濃度の検討:今回はじめて、ヒト検体のおいてeoxin C4を同定できることを証明した。今回の結果では、CysLTs濃度と15-HETEは相関し、15-HETEとBALF中好酸球%は強く相関したが、eoxin C4は、BALF中非常に低濃度で病態との関連も認めなかった(CEA2009)。
5.気道および全身における好酸球活性化のメカニズムの研究:CEP病態には、T細胞レベルの免疫応答異常が関与する可能性が示唆された。
6.好酸球増多に関連する遺伝子多型の検討:VEGFR1遺伝子多型rs3794399が成人気管支喘息における末梢血好酸球数増多に強い相関を認めた。今後、慢性好酸球性肺炎患者においてこの多型と発症との関連を検討するとともにrs3794399と連鎖不平衡にあるSNPsの検索を行なう必要がある。
7.KOマウスを用いた肺好酸球浸潤の検討:発生工学的手法を用いたアプロ-チは、難治性炎症性疾患の病態解明および未知の遺伝子機能解析において新しい視点を提供する独創的なものであり、本研究の成果は炎症性肺疾患治療の展開に重要な寄与をなすものと考えられる。
結論
日本人の原因不明の好酸球性肺炎の病態と予後を明らかにしえた。すでに一部国際誌に発表したが、今後も世界へ情報発信する予定。さらに今後も病態解析を進め、診断治療の手引き完成を進める予定。
公開日・更新日
公開日
2010-05-13
更新日
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