乳幼児の栄養方法等の実態把握等に関する研究

文献情報

文献番号
202327028A
報告書区分
総括
研究課題名
乳幼児の栄養方法等の実態把握等に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
22DA2001
研究年度
令和5(2023)年度
研究代表者(所属機関)
瀧本 秀美(国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 国立健康・栄養研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 佐々木 敏(東京大学 大学院医学系研究科)
  • 多田 由紀(東京農業大学応用生物科学部栄養科学科)
  • 衞藤 久美(女子栄養大学 栄養学部)
  • 片桐 諒子(医薬基盤・健康・栄養研究所 国立健康・栄養研究所 栄養疫学・食育研究部)
研究区分
こども家庭科学研究費補助金 分野なし 成育疾患克服等次世代育成基盤研究
研究開始年度
令和4(2022)年度
研究終了予定年度
令和6(2024)年度
研究費
9,240,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
令和4年度当班内で実施した諸外国における乳幼児を対象とした栄養調査の調査方法・調査内容等に関する情報収集、整理をもとに、令和5年度は既存データの解析、乳幼児栄養調査の調査方法・調査内容等の企画・検討に直接的に資する基礎資料の作成を目的としたオンライン調査に関する研究を計画した。加えて栄養素等摂取量の把握の検討に向けた、乳幼児の習慣的な栄養素等摂取量を簡易に評価するための質問票の開発も目的とし、開発した質問票の妥当性研究を開始した。
研究方法
1. 幼児の食事内容の分析~:国民健康・栄養調査の二次利用解析~
各食品摂取者数の年齢別順位を示すことにより,各食材の使用開始時期がいつ頃なのかを示す基礎資料を作成すること,幼児の年齢毎に料理区分毎のエネルギーや栄養素の寄与率を算出し,幼児を対象とした食事摂取状況調査のための基礎資料とすること,幼児が朝食および間食で食べている料理の実態を明らかにすることを目的として、平成30年および令和元年に実施された国民健康・栄養調査に参加した世帯のうち,身長又は体重,年齢に欠損であった幼児(n=118)および6歳児のうち小学校低学年に属する者(n=26)を除く1歳から6歳の幼児480名の栄養摂取状況調査データおよび身体状況調査から得られた児の身長・体重のデータを二次利用解析した。
2. 調査方式による回答率への影響の検討
3府県5市町村に在住し、2023年10月から12月に各自治体で実施される乳幼児健康診査に参加する生後6か月から3歳半までの乳幼児の養育者3,800名を対象に、紙の質問票で回答する群【869名(2歳未満:418名、2歳以上:451名)】、B:オンラインで回答する群【1,250名(2歳未満:518名、2歳以上:732名)】、C:オンライン調査と紙に質問票による調査のどちらかを自由に選択できる群【1,681名(2歳未満:895名、2歳以上:786名)】として配布し分析を実施した。
3. 乳幼児を対象とした簡易型自記式食事歴法質問票に対する妥当性研究の実施状況について
昨年度開発した64項目の食品に関する質問と食行動に関する質問票を組み合わせた食事歴法質問票(BDHQ2y)について、その妥当性を検討すべくリクルートを開始した。2023年7月に実施した「乳幼児の食と栄養オンラインセミナー」やそのほかのリクルート方法により、1-2歳の養育者を研究参加者として乳幼児の食事内容の記録を依頼した。BDHQ2y2回の実施の間に、食事記録は非連続の平日2日と休日2日を設定して秤量を実施した。
4. 保護者が抱える乳幼児期の食・栄養に関する悩みについて
2023年7月に開催したオンラインセミナーに申込みをされた乳幼児の保護者を対象とした。申込み時に使用したフォームに設けた「お子様の食事や栄養に関して知りたいこと」と「セミナーに関するご質問・ご相談」の設問(自由記述)の回答内容を年齢区分ごとに分類しキーワード数を集計、分析した。
結果と考察
国民健康・栄養調査の食事摂取状況の把握については,摂取者数の上位食品は年齢に関わらずほぼ固定されていた。幼児の栄養素等摂取量への寄与率を検討したところ,全ての年齢でネルギー寄与率・炭水化物寄与率は主食,たんぱく質寄与率・脂質寄与率・食塩相当量寄与率は主菜,カルシウム寄与率は牛乳・乳製品が最も高かった。幼児が朝食で食べている料理及び料理パタンを検討したところ,大半の幼児は1料理以上の主食料理を食べていた。間食で食べている料理及び料理パタンを検討したところ,補食も嗜好品も食べている者がそれぞれ8割以上いること,また補食と嗜好品を組み合わせて食べている者が全体の約7割近くいることが明らかとなった。今後の乳幼児栄養調査の手法に関連しうるオンライン調査に関する検討では、紙のみ、オンラインのみの用紙の配布よりも両方の案内を加えた方が、回答率がよいことが確認された。また、就労している親の場合紙の方がオンラインよりも回答率がよい可能性も示唆された。また、乳幼児期における保護者の食の悩みとしては量や偏食に関することであった。
結論
今年度の結果は、乳幼児栄養調査の調査方法・調査内容等の企画・検討および、栄養素等摂取量の把握手法の開発に資する基礎資料となりうる。今後更に具体的な調査項目案や調査設計を検討する必要がある。

公開日・更新日

公開日
2024-08-02
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2024-08-02
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202327028Z