低年齢児保育が子どもの発達等に及ぼす効果・影響の解明のための研究

文献情報

文献番号
202327022A
報告書区分
総括
研究課題名
低年齢児保育が子どもの発達等に及ぼす効果・影響の解明のための研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
23DA1301
研究年度
令和5(2023)年度
研究代表者(所属機関)
箕輪 潤子(武蔵野大学)
研究分担者(所属機関)
研究区分
こども家庭科学研究費補助金 分野なし 成育疾患克服等次世代育成基盤研究
研究開始年度
令和5(2023)年度
研究終了予定年度
令和7(2025)年度
研究費
7,600,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 本研究の目的は大きく3点に整理することができる。
 第一に、日本の保育所等における<低年齢児の保育実践の質>を探索すること。第二に、低年齢児の保育実践における質、特に「プロセスの質」を捉えるためのツールを開発すること。第三に、作成した尺度を踏まえ、子どもの発達との関連について試行的な調査を実施すると共に、尺度を外部評価に用いる際の研修や、園内研修等に用いるための方法を開発することである。
令和5年度は、1.低年齢児保育の質、質を評価する尺度、低年齢児保育の質と子どもの発達に関する国内外の研究動向を整理すること 2.低年齢児保育に関わる研究者・園の管理職が考える「低年齢児保育の質」に関わる要素を抽出すること 3.低年齢児保育を実施している園の保育士等と管理職が低年齢児保育で重視していることや保育の実態、保育の質への認識を明らかにし、尺度作成の参考にするための質問票を作成すること の3点を実施することを目的とした。
研究方法
1.低年齢児保育の質・質を評価する尺度・低年齢児保育の質と子どもの発達に関する国内外の学術論文・文献・資料等のレビューを実施した。
2.研究者・保育所等の園長に対し、低年齢児の保育の質についての考えや、低年齢児の保育の質を評価する尺度・ツールについての考えを、半構造化面接法を用いてヒアリングした。また、国内外の園を訪問し、低年齢児保育の環境を視察した。
3.国内外の先行研究、保育所保育指針を踏まえ、低年齢児の保育の質(プロセスの質・構造の質)・保育所等の保育の状況に関する項目を作成し、質問票にしたものを、保育所等に勤務する保育士、管理職(園長)に送付した。
結果と考察
1.国内外の保育の質に関する研究動向の整理
国内外の保育の質ならびに保育の質に関わると考えられる要因に関する研究動向を、①海外における低年齢児保育の質に関する動向 ②国内における低年齢児保育の歴史と保育の質に関する動向 ③日本における低年齢児保育の実践研究の動向 ④低年齢児保育における安全 ⑤保育者の労働環境と保育の質 ⑥保育の質と発達の関連 の観点から、学術論文・報告書・資料等を整理し、レビューを行った。その結果、日本のよい保育の質の要因は、海外の保育の質の要因とは異なることや、低年齢児の保育の質は、幼児のものとは異なることが示唆された。
2. 研究者・保育所等の園長へのヒアリング
乳児保育の質を支えるためには専門的知識やアタッチメントの形成が重要であり,保育者の力量や組織的な取り組みが求められることが示された。一方,乳児保育の多様性が評価を難しくしていることが指摘された。
 保育所等の管理職へのヒアリングでは、主にアタッチメントの形成と、食べる(+排泄)・寝る・遊ぶ(特に身体を動かす)ことの重要性が語られていた
3.低年齢児の保育の実態と意識を捉える質問票の作成
 低年齢児保育を実施する保育所・認定こども園等の施設長および保育士・保育教諭とし、5000施設に郵送で質問票を配布した。調査項目は、施設および個人の基本的属性、クラスの保育についての意識と実態、低年齢児保育の保育方針・保育観、構造の質に関する項目、保育者の健康に関する項目などである。プロセスの質の尺度開発にあたり、プロセスの質と低年齢児へのアウトカムを正確に評価するために、交絡になりうる構造の質に関する項目や保育者の生活や環境に関する項目質問票に含んだ。令和5年度は質問票の作成と送付を実施した。
結論
評価尺度を作成するにあたり、日本の文脈に即して開発することが必要である。一方で、日本の文脈といっても、国内における低年齢児の保育の質の要因や、質を評価する観点が多様であることも示唆されたことから、さらに質問票の回答の結果から、低年齢児の保育の質の要因について詳細な分析を行うことが必要であると考えられる。さらに、保育の質尺度をもちいて評価する際には、子どもの発達の何をアウトカムとするのかや、保育のプロセスの質に影響を与える要因や交絡についても留意することが必要である。

公開日・更新日

公開日
2024-07-31
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202327022Z