文献情報
文献番号
202327020A
報告書区分
総括
研究課題名
感染症流行下等の社会的な環境変化による子どもの心身への影響の評価方法及び対処法の確立に向けた研究
課題番号
23DA1101
研究年度
令和5(2023)年度
研究代表者(所属機関)
石塚 一枝(国立研究開発法人国立成育医療研究センター 社会医学研究部)
研究分担者(所属機関)
- 森崎 菜穂(国立研究開発法人国立成育医療研究センター 社会医学研究部)
- 大久保 祐輔(国立研究開発法人国立成育医療研究センター 社会医学研究部)
- 三瓶 舞紀子(日本体育大学 体育学部健康学科)
- 小林 しのぶ(国立成育医療研究センター 社会医学研究部)
- 田中 恭子(国立研究開発法人 国立成育医療研究センター こころの診療部リエゾン診療科)
- 小川 しおり(日本福祉大学 教育・心理学部心理学科)
研究区分
こども家庭科学研究費補助金 分野なし 成育疾患克服等次世代育成基盤研究
研究開始年度
令和5(2023)年度
研究終了予定年度
令和6(2024)年度
研究費
4,730,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
子どもの心身に影響を与える因子の抽出、その因子による影響を評価するための指標や対応手法を開発し、保護者、医療関係者、母子保健従事者向けの提言を作成することで、パンデミック下で子どもが心身ともに健康で過ごせる生活環境・社会づくりを目指す。
研究方法
文献レビュー、乳幼児・学童期調査を実施し、これらの結果を参考に、こどもへの把握・評価方法に関するチェックリストを作成した。好事例集を収集するために、自治体等へインタビュー等を行い、好事例を収集した。
結果と考察
1. レビュー研究
こどもの日常生活行動の変化や(スクリーンタイムの増加、身体活動の減少、睡眠・食事行動の乱れ、屋外時間の減少、座位時間の増加)、近視、体重・BMIは増加、体力・基礎運動能力の低下の報告がみられた。
2.全国調査の実施
乳幼児調査、学童期調査を実施し、2-4歳の乳幼児(母親回答)の研究参加者は、2397人、小5から中3の学童期(本人及び保護者回答)1995人から回答を得られた。
3.こどもへの影響の把握・評価法の提案
こどもへの影響把握・評価のためのチェックリスト表を作成した。注意項目には、虐待リスク軽減や育児負担感のある養育者の支援に役立てるために、「乳幼児期の児のケアと関わり方」、外遊びの減少による肥満、スクリーンタイムの増加による視力低下、生活リズムの乱れに対し注意喚起を行うため、「栄養/健康状況など」、また、「安全」の項目を取り上げた。また、「スクリーニング、評価方法等」については、症状や心配事に特化した内容のものも挙げて参照できるようにした。
4. 好事例集の収集
(感染症流行下での乳幼児のいる家庭への行政支援の過程)
2023年度は、A市 (年間出生数約400人), B市(年間出生数約890人), C市(年間出生数約800人), D市(年間出生数約220人)と中規模の3自治体及び小規模の1自治体に対して調査を実施した。
(成育医療研究センターの情報発信等の実践を通じた分析・検討)
子どものストレスとは何か、どのような形で生じるのか、そのことに気付いたら周りはどのように対応するとよいのか、に関して計画的に情報発信を行うことを企画、子どもと家族向け、学校現場での困難や教師の方に向けてリーフレットを作成した。療養環境の考察では、21 名の子ども療養支援士(CCS)のうち、18 名から振り返りの回答を得た。子どもと社会のつながりを目的とした研究では、2020 年 12 月 29 日から 2022 年 6月末(土日限定)までの 501 件のメール相談内容を分析した。
こどもの日常生活行動の変化や(スクリーンタイムの増加、身体活動の減少、睡眠・食事行動の乱れ、屋外時間の減少、座位時間の増加)、近視、体重・BMIは増加、体力・基礎運動能力の低下の報告がみられた。
2.全国調査の実施
乳幼児調査、学童期調査を実施し、2-4歳の乳幼児(母親回答)の研究参加者は、2397人、小5から中3の学童期(本人及び保護者回答)1995人から回答を得られた。
3.こどもへの影響の把握・評価法の提案
こどもへの影響把握・評価のためのチェックリスト表を作成した。注意項目には、虐待リスク軽減や育児負担感のある養育者の支援に役立てるために、「乳幼児期の児のケアと関わり方」、外遊びの減少による肥満、スクリーンタイムの増加による視力低下、生活リズムの乱れに対し注意喚起を行うため、「栄養/健康状況など」、また、「安全」の項目を取り上げた。また、「スクリーニング、評価方法等」については、症状や心配事に特化した内容のものも挙げて参照できるようにした。
4. 好事例集の収集
(感染症流行下での乳幼児のいる家庭への行政支援の過程)
2023年度は、A市 (年間出生数約400人), B市(年間出生数約890人), C市(年間出生数約800人), D市(年間出生数約220人)と中規模の3自治体及び小規模の1自治体に対して調査を実施した。
(成育医療研究センターの情報発信等の実践を通じた分析・検討)
子どものストレスとは何か、どのような形で生じるのか、そのことに気付いたら周りはどのように対応するとよいのか、に関して計画的に情報発信を行うことを企画、子どもと家族向け、学校現場での困難や教師の方に向けてリーフレットを作成した。療養環境の考察では、21 名の子ども療養支援士(CCS)のうち、18 名から振り返りの回答を得た。子どもと社会のつながりを目的とした研究では、2020 年 12 月 29 日から 2022 年 6月末(土日限定)までの 501 件のメール相談内容を分析した。
結論
1.レビュー研究
COVID-19パンデミックはこどもの心身・発達に関する多くの側面の影響が報告された。新型コロナウィルスパンデミックによる中期長期影響を把握するため、次年度も引き続き文献レビューを実施する。
2.全国調査の実施
学童期調査の結果から、子どもたちの健全な心身の成長を確保していくためには、子どもたちの孤独を軽減する施策や、適切なインターネット使用を促進する施策を検討することが求められている。
3.こどもへの影響の把握・評価法の提案
社会的な環境変化を伴う緊急時には、子どもと繋がりやすい母子保健・学校・かかりつけ医などで速やかに児の状態を把握し、適切に介入することができるよう評価指標の開発を行った。
4.好事例集の収集
(成育医療研究センターの情報発信等の実践を通じた分析・検討)
本研究において作成されたリーフレットは全国の国民に拝読され、一部は国際的にも公表された。感染予防を医学的に正しく行う中でも、子どもが子どもらしくあるための環境整備など、保育士、子ども療養支援士など配置の必須化、院内学級運用の整備、親面会制限への対応など、CCS としての役割をこのコロナ禍で再検討すべきと考えられる。全国全国民を対象としたストレス、トラウマなどを予測した心理教育はポピュレーシ ョンアプローチとして有効であり、子ども自身、子どもの成育環境を対象とした幅広い支持的な情報発信が求められる。
(感染症流行下での乳幼児のいる家庭への行政支援の過程)
感染症流行下での乳幼児のいる家庭への行政支援の過程について、今年度は、小・中規模の自治体でのインタビューを実施した。
次年度は、さらにインタビュー範囲を拡大し分析、概念化をすすめていく。
COVID-19パンデミックはこどもの心身・発達に関する多くの側面の影響が報告された。新型コロナウィルスパンデミックによる中期長期影響を把握するため、次年度も引き続き文献レビューを実施する。
2.全国調査の実施
学童期調査の結果から、子どもたちの健全な心身の成長を確保していくためには、子どもたちの孤独を軽減する施策や、適切なインターネット使用を促進する施策を検討することが求められている。
3.こどもへの影響の把握・評価法の提案
社会的な環境変化を伴う緊急時には、子どもと繋がりやすい母子保健・学校・かかりつけ医などで速やかに児の状態を把握し、適切に介入することができるよう評価指標の開発を行った。
4.好事例集の収集
(成育医療研究センターの情報発信等の実践を通じた分析・検討)
本研究において作成されたリーフレットは全国の国民に拝読され、一部は国際的にも公表された。感染予防を医学的に正しく行う中でも、子どもが子どもらしくあるための環境整備など、保育士、子ども療養支援士など配置の必須化、院内学級運用の整備、親面会制限への対応など、CCS としての役割をこのコロナ禍で再検討すべきと考えられる。全国全国民を対象としたストレス、トラウマなどを予測した心理教育はポピュレーシ ョンアプローチとして有効であり、子ども自身、子どもの成育環境を対象とした幅広い支持的な情報発信が求められる。
(感染症流行下での乳幼児のいる家庭への行政支援の過程)
感染症流行下での乳幼児のいる家庭への行政支援の過程について、今年度は、小・中規模の自治体でのインタビューを実施した。
次年度は、さらにインタビュー範囲を拡大し分析、概念化をすすめていく。
公開日・更新日
公開日
2024-09-05
更新日
-