文献情報
文献番号
200936161A
報告書区分
総括
研究課題名
CHARGE症候群の臨床診断基準の改訂と新基準にもとづく有病率調査およびDNAバンク・iPS細胞の確立
課題番号
H21-難治・一般-106
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
小崎 健次郎(慶應義塾大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
- 加我 君孝(独立行政法人国立病院機構 東京医療センター 臨床研究(感覚器)センター)
- 黒澤 健司(神奈川県立こども医療センター 遺伝科)
- 小崎 里華(国立成育医療センター 第一専門診療部 遺伝診療科)
- 岡本 伸彦(地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立母子保健総合医療センター(研究所) 発達小児科(遺伝診療科))
- 水野 誠司(愛知県心身障害者コロニー中央病院 臨床第一部)
- 工藤 純(慶應義塾大学 医学部 分子生物学教室)
- 仁科 幸子(国立成育医療センター 眼科)
- 赤松 和土(慶應義塾大学 医学部 生理学教室)
- 中澤 惠江(独立行政法人国立特別支援教育総合研究所 企画部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
20,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
CHARGE症候群はC=網膜や虹彩の部分欠損、H=心奇形、A=後鼻孔閉鎖、R=成長発達障害、G=性腺機能低下、E=耳奇形・難聴を主徴とし、CHD7遺伝子の変異により発症する。循環器・呼吸器の障害と、コミュニケーションと学習を困難にする感覚器の二重障害(聴覚障害・視覚障害)を伴う。本研究では、実態の把握、臨床診断基準の特異性・感度の向上、全国の患者数の算定、遺伝子診断の感度の向上、有効な治療薬が開発のためのiPS細胞の開発、難病研究支援バンクへの患者試料の供与を目的とした。
研究方法
① 小児遺伝学会会員を対象とした全国調査を行い、詳細な臨床症状をデータベース化した後に、遺伝子変異陽性例のみの症状に基づいて臨床診断基準の改訂を試みた。
② 神奈川地区および大阪地区で、ダウン症候群の罹病率との相対的な比較によりCHARGE症候群の罹病率を推定した。
③ CHARGE症候群児・者 親の会「CHARGEの会」会員(会員数130名)会員を対象としたアンケート調査を行い国や行政に望む財政的支援・教育的支援・社会的支援・医療的支援について、無記名自記式質問紙調査を実施した。
④ アレイCGH法や次世代シーケンサー法を用いた遺伝子診断法を開発した。
⑤ 変異を有する患者由来組織からのiPS細胞の作成、ゲノムDNA等の生物試料のバンク化を行った。
② 神奈川地区および大阪地区で、ダウン症候群の罹病率との相対的な比較によりCHARGE症候群の罹病率を推定した。
③ CHARGE症候群児・者 親の会「CHARGEの会」会員(会員数130名)会員を対象としたアンケート調査を行い国や行政に望む財政的支援・教育的支援・社会的支援・医療的支援について、無記名自記式質問紙調査を実施した。
④ アレイCGH法や次世代シーケンサー法を用いた遺伝子診断法を開発した。
⑤ 変異を有する患者由来組織からのiPS細胞の作成、ゲノムDNA等の生物試料のバンク化を行った。
結果と考察
① 顔面神経麻痺・顔面の非対称および口蓋裂を重要視する改定案を作成した。当該基準によれば全国のCHARGE症候群の患者数は少なくとも70名以上と判断された。
② 神奈川・大阪地域における罹患率調査では、出生2-3万分の1と推定された。患者総数と乖離があることから、相当数の患者が未診断であると考えられた。
③ 通園施設や学校への看護師の配置や非看護師による吸引や注入の容認などのニーズが明らかとなった。
④ アレイCGH法や次世代シーケンサー法を用いた遺伝子診断法を確立した。
⑤ 変異を有する患者由来組織からのiPS細胞を確立し、ゲノムDNAを難病研究支援バンクに供託した。
今後、今年度の研究の成果を、一般小児科医・基礎研究者・患者家族に対して発信・提供してゆく。
② 神奈川・大阪地域における罹患率調査では、出生2-3万分の1と推定された。患者総数と乖離があることから、相当数の患者が未診断であると考えられた。
③ 通園施設や学校への看護師の配置や非看護師による吸引や注入の容認などのニーズが明らかとなった。
④ アレイCGH法や次世代シーケンサー法を用いた遺伝子診断法を確立した。
⑤ 変異を有する患者由来組織からのiPS細胞を確立し、ゲノムDNAを難病研究支援バンクに供託した。
今後、今年度の研究の成果を、一般小児科医・基礎研究者・患者家族に対して発信・提供してゆく。
結論
小児遺伝学会および患者・家族会を対象とした調査により臨床診断基準の改訂、患者数の算定、患者・家族のニーズを明らかにした。新規遺伝子診断技術を確立し、変異陽性患者由来のDNAをバンク化するともに患者由来iPS細胞を樹立した。
公開日・更新日
公開日
2010-05-25
更新日
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