文献情報
文献番号
200936159A
報告書区分
総括
研究課題名
Rubinstein-Taybi症候群の臨床診断基準の策定と新基準にもとづく有病率の調査研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H21-難治・一般-104
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
小崎 里華(国立成育医療センター 第一専門診療部)
研究分担者(所属機関)
- 水野 誠司(愛知県心身障害者コロニー中央病院 臨床第一部)
- 岡本 伸彦(地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立母子保健総合医療センター 発達小児科(遺伝診療科))
- 小崎 健次郎(慶應義塾大学医学部 小児科学教室)
- 黒澤 健司(神奈川県立こども医療センター 遺伝科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
10,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
Rubinstein-Taybi症候群は精神運動発達遅滞・特異顔貌・幅広の拇指趾・低身長を主徴とし、CREBBP遺伝子の変異により発症する。先天性心疾患・泌尿生殖器疾患・腎疾患・呼吸器感染・眼科疾患等を多臓器にわたる合併症を伴う。本研究では、実態の把握、臨床診断基準の特異性・感度の向上、全国の患者数の算定、遺伝子診断の感度の向上、難病研究支援バンクへの患者試料の供与を目的とした。
研究方法
① 小児遺伝学会会員を対象とした全国調査を行い、詳細な臨床症状をデータベース化した後に、遺伝子変異陽性例のみの症状に基づいて臨床診断基準の改訂を試みた。
② 神奈川地区および大阪地区で、ダウン症候群の罹病率との相対的な比較によりRubinstein-Taybi症候群の罹病率を推定した。
③ Rubinstein-Taybi症候群児・者 親の会「こすもすの会」(会員数約90名)会員を対象としたアンケート調査を行い国や行政に望む財政的支援・教育的支援・社会的支援・医療的支援について、無記名自記式質問紙調査を実施した。
④ アレイCGH法を用いた遺伝子診断法を開発した。
⑤ ゲノムDNA等の生物試料のバンク化の準備を進めた。
② 神奈川地区および大阪地区で、ダウン症候群の罹病率との相対的な比較によりRubinstein-Taybi症候群の罹病率を推定した。
③ Rubinstein-Taybi症候群児・者 親の会「こすもすの会」(会員数約90名)会員を対象としたアンケート調査を行い国や行政に望む財政的支援・教育的支援・社会的支援・医療的支援について、無記名自記式質問紙調査を実施した。
④ アレイCGH法を用いた遺伝子診断法を開発した。
⑤ ゲノムDNA等の生物試料のバンク化の準備を進めた。
結果と考察
① 幅広の拇指趾・コルメラの延長濃い眉毛/長い睫毛を重要視する診断基準案を作成した。
当該基準によれば全国のRubinstein-Taybi症候群の患者数は少なくとも49名以上と判断された。
② 神奈川・大阪地域における罹患率調査では、出生1.5-2万分の1と推定された。患者総数と乖離があることから、相当数の患者が未診断であると考えられた。
③ 患者・家族会に対するアンケートから多系統にわたる複数の合併症を有することに対する医療費の負担、福祉制度に関する情報収集の困難さ、成人期以降の専門的医療の受療の困難さなどの問題点が明らかとなった。
④ アレイCGH法を用いた遺伝子診断法を確立した。
⑤ ゲノムDNAを難病研究支援バンクに供託する準備を進めた。
今後、今年度の研究の成果を、一般小児科医・基礎研究者・患者家族に対して発信・提供してゆく。
当該基準によれば全国のRubinstein-Taybi症候群の患者数は少なくとも49名以上と判断された。
② 神奈川・大阪地域における罹患率調査では、出生1.5-2万分の1と推定された。患者総数と乖離があることから、相当数の患者が未診断であると考えられた。
③ 患者・家族会に対するアンケートから多系統にわたる複数の合併症を有することに対する医療費の負担、福祉制度に関する情報収集の困難さ、成人期以降の専門的医療の受療の困難さなどの問題点が明らかとなった。
④ アレイCGH法を用いた遺伝子診断法を確立した。
⑤ ゲノムDNAを難病研究支援バンクに供託する準備を進めた。
今後、今年度の研究の成果を、一般小児科医・基礎研究者・患者家族に対して発信・提供してゆく。
結論
小児遺伝学会および患者・家族会を対象とした調査により臨床診断基準を策定、患者数を算定、患者・家族のニーズを明確化した。新規遺伝子診断技術を確立し、変異陽性患者由来のDNAをバンク化の準備を進めた。
公開日・更新日
公開日
2010-05-25
更新日
-