文献情報
文献番号
202326019A
報告書区分
総括
研究課題名
資機材等における新規・未規制材料に対応した安全性評価スキーム構築に係る研究
課題番号
23LA1005
研究年度
令和5(2023)年度
研究代表者(所属機関)
増田 貴則(国立保健医療科学院 )
研究分担者(所属機関)
- 島崎 大(国立保健医療科学院 生活環境研究部)
- 三好 太郎(国立保健医療科学院 生活環境研究部)
- 小林 憲弘(国立医薬品食品衛生研究所 生活衛生化学部)
- 松本 真理子(国立医薬品食品衛生研究所 安全性生物試験研究センター 安全性予測評価部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康安全・危機管理対策総合研究
研究開始年度
令和5(2023)年度
研究終了予定年度
令和5(2023)年度
研究費
7,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
水道用資機材および給水装置(以下、資機材等)における新規・未規制材料にも迅速に対応できる安全性評価スキームの構築と運用に資する知見の提示を目的とした。
研究方法
(1)国内外における水道用資機材の浸出性能に係る規制等の文献調査
本邦の資機材等の衛生性に係る法規制および試験方法を参照し、対象物質や試験期間に関する課題点を抽出した。米国・カナダ・英国・ドイツ・オランダを対象に、資機材等に使用可能な化学物質の規程、衛生性に係る基準等の適合性に係る認証方法に関する情報を入手し、比較した。
(2)資機材等における長期的な浸出濃度・浸出挙動を解明する手法の検討
樹脂管4種・ダクタイル鋳鉄管1種・鋼管1種を対象に、資機材の溶出試験告示法におけるコンディショニング過程の水を採取、分析し、初期における各化学物質の溶出挙動を把握した。さらに、化学物質37 項目を対象とした初期コンディショニング過程における溶出挙動を把握した。
(3)資機材等で留意すべき化学物質リストの作成と分析方法の検討
告示法が示されていない浸出基準項目等を対象に、より迅速・簡便かつ高精度な分析方法が確立できるかどうかを検討した。各検討対象物質の定量および確認イオンを決定後、LC/MS/MS一斉分析条件を検討した。LCカラム及び移動相条件は、逆相カラムとミックスモードカラムの2通りを検討した。
(4)資機材等で留意すべき化学物質の毒性学的安全性評価手法の検討
国内の資機材等に既に使用されている化学物質のうち、人への健康影響の観点から安全性評価を検討すべき物質を整理した。各物質の水道水経由による長期曝露を考慮した毒性情報を、OECD e-ChemPortal及びNITE-CHRIPを用いて収集した。閾値の有無の判断材料として、GHS分類とその分類根拠について、遺伝毒性情報をリスト化した。日本国内の法規制で管理されているか否かを確認するため、NITE-CHRIPの国内法規制情報を整理した。
本邦の資機材等の衛生性に係る法規制および試験方法を参照し、対象物質や試験期間に関する課題点を抽出した。米国・カナダ・英国・ドイツ・オランダを対象に、資機材等に使用可能な化学物質の規程、衛生性に係る基準等の適合性に係る認証方法に関する情報を入手し、比較した。
(2)資機材等における長期的な浸出濃度・浸出挙動を解明する手法の検討
樹脂管4種・ダクタイル鋳鉄管1種・鋼管1種を対象に、資機材の溶出試験告示法におけるコンディショニング過程の水を採取、分析し、初期における各化学物質の溶出挙動を把握した。さらに、化学物質37 項目を対象とした初期コンディショニング過程における溶出挙動を把握した。
(3)資機材等で留意すべき化学物質リストの作成と分析方法の検討
告示法が示されていない浸出基準項目等を対象に、より迅速・簡便かつ高精度な分析方法が確立できるかどうかを検討した。各検討対象物質の定量および確認イオンを決定後、LC/MS/MS一斉分析条件を検討した。LCカラム及び移動相条件は、逆相カラムとミックスモードカラムの2通りを検討した。
(4)資機材等で留意すべき化学物質の毒性学的安全性評価手法の検討
国内の資機材等に既に使用されている化学物質のうち、人への健康影響の観点から安全性評価を検討すべき物質を整理した。各物質の水道水経由による長期曝露を考慮した毒性情報を、OECD e-ChemPortal及びNITE-CHRIPを用いて収集した。閾値の有無の判断材料として、GHS分類とその分類根拠について、遺伝毒性情報をリスト化した。日本国内の法規制で管理されているか否かを確認するため、NITE-CHRIPの国内法規制情報を整理した。
結果と考察
(1)国内外における水道用資機材の浸出性能に係る規制等の文献調査
本邦における水道用資機材等の法規制、認証方法、国内規格、規制対象となる化学物質ならびに先行研究事例の情報を取りまとめた。海外における水道用資機材等の法規制、認証および規格や、規制に係る動向を取りまとめた。各国にて規制されている資機材に係る化学物質の一覧を入手、整理し、本邦の日本水道協会規格に記載される化学物質と比較した。
(2)資機材等における長期的な浸出濃度・浸出挙動を解明する手法の検討
資機材の溶出試験告示法におけるコンディショニング過程の水を採取、分析し、コンディショニング初期における各化学物質の溶出挙動を把握したところ、初期の有機物溶出量から最終浸出試験にかけての有機物溶出挙動を推定することが困難であることが明らかとなった。コンディショニング期間内の有機物溶出挙動の変化を詳細に捉えることが不可欠と判明した。
(3)資機材等で留意すべき化学物質リストの作成と分析方法の検討
告示法が示されていない浸出基準項目等を対象に、より迅速・簡便かつ高精度な分析方法が確立できるかどうかを検討した。選定した項目のLC/MS/MSによる分析条件を確立した。分析条件によって,測定対象物質の感度に大きな違いがみられ、対象物質によって分析条件を使い分けることが望ましいと考えられた。
(4)資機材等で留意すべき化学物質の毒性学的安全性評価手法の検討
国内の資機材等に使用される化学物質で、人への健康影響の観点から安全性評価を検討すべき物質を整理した。各物質について、水道水経由の長期曝露を考慮し、2種類の毒性情報データベースにより毒性ならびに既往の法規制の情報を収集した。各データベースの参照は、効率よく関連情報を収集する上で有効な手段と考えられた。
本邦における水道用資機材等の法規制、認証方法、国内規格、規制対象となる化学物質ならびに先行研究事例の情報を取りまとめた。海外における水道用資機材等の法規制、認証および規格や、規制に係る動向を取りまとめた。各国にて規制されている資機材に係る化学物質の一覧を入手、整理し、本邦の日本水道協会規格に記載される化学物質と比較した。
(2)資機材等における長期的な浸出濃度・浸出挙動を解明する手法の検討
資機材の溶出試験告示法におけるコンディショニング過程の水を採取、分析し、コンディショニング初期における各化学物質の溶出挙動を把握したところ、初期の有機物溶出量から最終浸出試験にかけての有機物溶出挙動を推定することが困難であることが明らかとなった。コンディショニング期間内の有機物溶出挙動の変化を詳細に捉えることが不可欠と判明した。
(3)資機材等で留意すべき化学物質リストの作成と分析方法の検討
告示法が示されていない浸出基準項目等を対象に、より迅速・簡便かつ高精度な分析方法が確立できるかどうかを検討した。選定した項目のLC/MS/MSによる分析条件を確立した。分析条件によって,測定対象物質の感度に大きな違いがみられ、対象物質によって分析条件を使い分けることが望ましいと考えられた。
(4)資機材等で留意すべき化学物質の毒性学的安全性評価手法の検討
国内の資機材等に使用される化学物質で、人への健康影響の観点から安全性評価を検討すべき物質を整理した。各物質について、水道水経由の長期曝露を考慮し、2種類の毒性情報データベースにより毒性ならびに既往の法規制の情報を収集した。各データベースの参照は、効率よく関連情報を収集する上で有効な手段と考えられた。
結論
各研究課題の成果は、今後、厚生労働省「給水装置の構造及び材質の基準に関する省令」や「資機材等の材質に関する試験」の改正、資機材等の認証制度や実施体制の見直し、運用要領の作成への展開が期待される。
公開日・更新日
公開日
2024-10-02
更新日
-