文献情報
文献番号
202326005A
報告書区分
総括
研究課題名
ICT を用いた保健師活動アルゴリズム及び評価手法の開発と統括保健師による人材育成への活用
課題番号
22LA1004
研究年度
令和5(2023)年度
研究代表者(所属機関)
吉岡 京子(東京大学 大学院医学系研究科 健康科学・看護学専攻 地域看護学分野)
研究分担者(所属機関)
- 塩見 美抄(京都大学大学院 医学研究科人間健康科学系専攻)
- 細谷 紀子(千葉県立保健医療大学 健康科学部看護学科)
- 佐藤 美樹(国立保健医療科学院 生涯健康研究部)
- 三浦 貴大(国立研究開発法人産業技術総合研究所 情報・人間工学領域)
- 藤井 仁(目白大学 看護学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康安全・危機管理対策総合研究
研究開始年度
令和4(2022)年度
研究終了予定年度
令和6(2024)年度
研究費
6,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究の目的は、統括保健師が組織横断的な保健師活動と人材育成の推進に資するために、保健師活動展開のアルゴリズム(以下、アルゴリズム。)と保健師活動評価手法を開発し、ICT を用いて地方自治体の保健師と合意形成を図りつつ実装することである。3つの分担研究(分担研究1:令和4年度全国調査の分析結果に基づくアルゴリズム項目の洗練、分担研究2:ICTを活用した試作版ツールの開発とパイロット調査の実施、分担研究3:「ICTを活用しデータに基づく人材育成を推進するための活用ガイド(仮称)」の骨子の検討)を計画した。
研究方法
方法は、混合研究法である。研究協力の得られた3か所の地方自治体に所属する保健師が、日々の保健師活動を入力できるように業務アプリ構築クラウドサービスKintone(Cybozu)を用いてICT試作版ツールを開発した。スタッフ保健師や各部署の管理的立場にある保健師、統括保健師を対象とし、データの収集前、収集中、収集後に意見交換を行い、ツールの改良に活かした。
結果と考察
パイロット調査により、個別支援および地区活動・事業化の必要度判定アルゴリズムの妥当性を検証した結果、9割以上の参加者から自動判定の結果は「妥当」との回答を得た。また、ユーザーフレンドリーなインターフェースとなるように設計し、マニュアル整備や説明会開催等により入力負担の軽減と均一化を図った。さらに、保健師活動やタスクシフトに向けた業務時間の可視化、人材育成への活用に資するように改良した。活用ガイドの骨子案として、出力結果とデータの読み取りおよびそれに基づく人材育成・マネジメントの方策例をセットで示した。スタッフ保健師のデータ入力負担が大きかった点は否めないが、統括保健師は保健師活動全体の実態を即時かつ一目で把握できる画期的なツールと評価した。また、統括保健師が人材育成とマネジメントを推進する際に必要な能力として「データを読み解き、利活用する力」、「活動の方向性を考える力」、「資源の最適化を図る力」が示された。
結論
本研究により、ICT試作版ツールを開発し、パイロット調査により個別支援および地区活動・事業化の必要度判定アルゴリズムの妥当性を検証するとともに、活用ガイドの骨子を開発した。次年度は、複数の自治体で実証研究を行い、ICTツールと活用ガイドのさらなる洗練と完成を目指す必要がある。
公開日・更新日
公開日
2024-10-02
更新日
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