ウイリス動脈輪閉塞症における生体試料の収集に関する研究

文献情報

文献番号
200936146A
報告書区分
総括
研究課題名
ウイリス動脈輪閉塞症における生体試料の収集に関する研究
課題番号
H21-難治・一般-091
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
宮本 享(京都大学 医学研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 冨永 悌二(東北大学 医学研究科)
  • 宝金 清博(北海道大学 医学研究科)
  • 永田 泉(長崎大学 医歯薬学総合研究科)
  • 黒田 敏(北海道大学 医学研究科)
  • 中川原 譲二(中村記念病院)
  • 高木 康志(京都大学 医学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
5,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
ウイリス動脈輪閉塞症(もやもや病)は我が国にてはじめて報告された疾患であり、東洋系に多く見られる。当疾患は脳血管撮影上の血管の変化を診断基準としており、動脈硬化などの非特異的な疾患が、診断に影響を与えやすく、また昨今の非侵襲性検査の進歩により無症候性で発見される症例も増加している。また、最近の分子生物学的手法の進歩により、血液を利用した遺伝解析や微小サンプルからDNAやタンパク質を抽出する方法も発展し、生体試料の蓄積から、病因に迫ることができる可能性はますます高まっている。この研究では血液のみならず、硬膜、くも膜、血管、脳組織などのサンプルを、各班員の所属する組織の倫理委員会の承認の元に、インフォームドコンセントを十分に行った後に管理することを目的にする。この研究班においてサンプルの取得、および管理を行い、ウイリス動脈輪閉塞症研究班の班員および外部協力者の協力を得て、病因の解明に迫りたい。
研究方法
当研究班は、実際にもやもや病患者の手術を行う組織を中心に編成する。これらの組織より研究に必要な生体試料を保管し研究に用いる。手術時に、安全な範囲で採取できる生体試料を集める。現時点で安全に採取できるものとして、浅側頭動脈、脳脊髄液、硬膜、皮下組織が挙げられる、また可能な症例において、中大脳動脈、脳などの組織も採取する。採取した組織は、すぐに液体窒素にて冷凍し、厳重に管理されたdeep freezerにて管理を行う。
結果と考察
当該施設で手術を行った生体試料30例以上収集できた。生体試料を用いた研究では、中大脳動脈血管壁における中膜の被膜化、内膜の肥厚が内頸動脈終末部と同様に起こっており、そのメカニズムとして中膜におけるカスパーゼを介した細胞死の関与、内膜肥厚におけるHIF-1alfaの関与が明らかにされた。
結論
生体試料の蓄積とそれを用いたもやもや病の病因を究明することをこの研究班の使命とする。

公開日・更新日

公開日
2010-05-31
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200936146C

成果

専門的・学術的観点からの成果
日本に多い疾患の生体試料の収集研究で世界に類を見ない
臨床的観点からの成果
今までのデータの無かった中大脳動脈の血管壁データが蓄積された
ガイドライン等の開発
なし(本体の研究班で作成)
その他行政的観点からの成果
なし
その他のインパクト
なし

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
0件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2015-06-08
更新日
-