文献情報
文献番号
200936144A
報告書区分
総括
研究課題名
重症特発性心筋症患者の生体資料の収集および新規予後規定因子の検索・解析
課題番号
H21-難治・一般-089
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
高島 成二(大阪大学大学院 医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
- 南野 哲男(大阪大学大学院 医学系研究科 )
- 朝野 仁裕(大阪大学大学院 医学系研究科 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
5,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
高齢化社会の進行とともに心不全患者の数は増加傾向にある。難治性疾患として指定されている特発性心筋症は若年においても重篤な心不全をきたす。これらの重症心不全に関してはいまだその病因、病態が不明なことが多く、治療に関しても移植医療に頼らなければならない現状である。難治性心筋症の病因、病態を最新の分子生物学的手法をもって解析し、さらに症例の集約を行うことは重症心不全の新たな診断、予防、治療法の確立に資すると考えられる。
そこで特発性心筋症の病態解明・新たな診断法・治療法の確立を目的として、肥大型心筋症・拡張型心筋症・拘束型心筋症の患者生体資料の収集を行った。これらの生体資料を独自の手法で患者臨床データと併せて解析することを本研究の目的とした。
そこで特発性心筋症の病態解明・新たな診断法・治療法の確立を目的として、肥大型心筋症・拡張型心筋症・拘束型心筋症の患者生体資料の収集を行った。これらの生体資料を独自の手法で患者臨床データと併せて解析することを本研究の目的とした。
研究方法
特発性心筋症のうち重症の心不全をきたし、従来の投薬等により心機能を維持不可能な重症心不全症例を主な対象とする。当施設においては、かかる症例に人工心臓を導入あるいは心臓移植を施行する。その際、心尖部等より心臓組織を採取する。この心筋組織を利用して組織学的あるいは遺伝学的解析をおこなう。これらの研究は倫理委員会の承認をえて患者の同意のもとでおこなう。
結果と考察
重症心不全患者から患者の同意を得た上で心筋組織の採取を行い、その超微細構造の解析をおこなった。その結果同じ心機能の心不全患者においても心筋細胞の核内の超微細構造が異なり、これが心不全の予後に係る可能性が示唆された。これらの所見はこれまでの手法では、事前に知り合えなかった新たな予後指標であり、今後その分子生物学的解析をすすめることで心不全の新たな治療にも結びつくと期待される。
結論
難治性疾患である特発性心筋症の生体資料の収集及び解析をおこなった。心筋核内微細構造の変化が重症心不全の治療抵抗性の指標になることを明らかにした。移植待機の長いわが国以外では得にくい貴重な生体資料であり今後も解析を継続していく予定である。
公開日・更新日
公開日
2010-04-08
更新日
-