文献情報
文献番号
200936135A
報告書区分
総括
研究課題名
抗好中球細胞質抗体関連血管炎患者のgenomic DNA収集に関する研究
課題番号
H21-難治・一般-080
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
針谷 正祥(東京医科歯科大学 大学院医歯学研究科薬害監視学)
研究分担者(所属機関)
- 槇野 博史(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 腎・免疫・内分泌代謝内科学)
- 尾崎 承一(聖マリアンナ医科大学 リウマチ・膠原病・アレルギー内科学)
- 山田 秀裕(聖マリアンナ医科大学 リウマチ・膠原病・アレルギー内科学)
- 土屋 尚之(筑波大学大学院人間総合科学研究科 生命システム医学専攻)
- 宮坂 信之(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 膠原病リウマチ内科学)
- 冨田 誠(東京医科歯科大学医学部附属病院 臨床試験管理センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
5,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書（概要版）
研究目的
抗好中球細胞質抗体（ANCA）関連血管炎には顕微鏡的多発血管炎、Wegener肉芽腫症、アレルギー性肉芽腫性血管炎の3疾患が含まれる。我が国と欧米とは臨床病型の分布に大きな差異があり、厚生労働省難治性血管炎調査研究班による２つの前向き臨床研究でその特徴が解析されている。これらの臨床研究と関連させてgenomic DNA検体を収集・解析するための「抗好中球細胞質抗体関連血管炎関連遺伝子に関する研究」を立案・実施することを本研究の目的とした。
研究方法
「臨床研究と連動した抗好中球細胞質抗体関連血管炎患者のgenomic DNA収集体制確立に関する研究」および「抗好中球細胞質抗体関連血管炎患者のgenomic DNA収集に際しての倫理的整備に関する研究」の２つの分担研究を実施した。
結果と考察
「抗好中球細胞質抗体関連血管炎関連遺伝子に関する研究」の遺伝子解析研究計画書、同意説明文書、同意書、同意撤回書などを作成し、研究協力機関に配布した。研究協力施設における倫理審査委員会等審査承認状況は、平成22年3月現在、10施設で倫理審査委員会承認済み、残りの参加予定施設で同委員会等申請中である。検体収集状況は、平成21年5月現在、39検体が収集された。RemIT-JAV参加患者の検体が28、JMAAV参加患者の検体が11であった。全ての検体からは適切にゲノムDNAが抽出され、研究計画書に沿って保管されている。
難病研究資源バンクへのgenomic DNAの寄託によって、今後の我が国におけるANCA関連血管炎の遺伝子研究が加速し、ANCA関連血管炎の治療成績・予後改善をもたらすことが期待できる。しかし、現在実施されている連結不可能匿名化での検体提供システムには、臨床情報の提供と臨床研究に携わる研究者のインセンティブ保護のバランスの面から問題も残されており、今後検討されるべき点と考えられる。
難病研究資源バンクへのgenomic DNAの寄託によって、今後の我が国におけるANCA関連血管炎の遺伝子研究が加速し、ANCA関連血管炎の治療成績・予後改善をもたらすことが期待できる。しかし、現在実施されている連結不可能匿名化での検体提供システムには、臨床情報の提供と臨床研究に携わる研究者のインセンティブ保護のバランスの面から問題も残されており、今後検討されるべき点と考えられる。
結論
「抗好中球細胞質抗体関連血管炎関連遺伝子に関する研究」を立案・実施した。比較的短期間の研究実施期間であったにも関わらず、研究年度中に39検体を収集し得た。引き続き検体を収集し、本研究の目的の一つである難病資源バンクへ寄託すると共に、収集したgenimic DNAを用いた遺伝子解析を実施する予定である。
公開日・更新日
公開日
2010-05-21
更新日
-