加齢黄斑変性症、ポリープ状脈絡膜血管症の生体試料バンク及び情報デーベースの構築

文献情報

• 文献番号: 200936124A
• 報告書区分: 総括
• 研究課題名: 加齢黄斑変性症、ポリープ状脈絡膜血管症の生体試料バンク及び情報デーベースの構築
• 課題番号: H21-難治・一般-069
• 研究年度: 平成21(2009)年度
• 研究代表者(所属機関): 岩田 岳(独立行政法人国立病院機構東京医療センター 臨床研究センター（感覚器センター） 分子細胞生物学研究部)

研究分担者(所属機関)

• 白神　史雄(香川大学　医学部眼科)
• 村上　晶(順天堂大学　医学部眼科学)
• 溝田　淳(順天堂大学　医学部浦安病院眼科)
• 安川　力(名古屋市立大学大学院　医学研究科視覚科学)

• 研究区分: 厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
• 研究開始年度: 平成21(2009)年度
• 研究終了予定年度: 平成21(2009)年度
• 研究費: 10,000,000円
• 研究者交替、所属機関変更: -

研究報告書（概要版）

研究目的

本研究は日本人の加齢黄斑変性とポリープ状脈絡膜血管症の患者を対象にした症例情報に我々が独自に実施した全ゲノム相関解析や血漿プロテオーム解析の結果を統合してデータベース化し、これを「難病研究資源バンク」と統合して、解析データが付加されたDNA検体を広く国内の研究者に利用していただく体制を整えることを目的とする。

研究方法

国立病院機構東京医療センター臨床研究センター（感覚器センター）に構築された加齢黄斑変性症例登録システムから我々が独自に行った全ゲノム相関解析（GWAS）の解析結果(Goto, Akahori et al, JOBDI 2009)、ならびに各患者の血漿プロテオームの解析結果を統合したデータベースの構築を開始した。

結果と考察

本研究事業は単年度で終了したが、１００人分のデータについて統合され、データベースの基礎情報が作成された。また、検体DNAの９６穴プレートでの供給体制ができた。今後「難病研究資源バンク」での受け入れ体制とデータベースが完成すれば、情報と検体を提供できる。

結論

日本人の加齢黄斑変性とポリープ状脈絡膜血管症の患者を対象にした症例情報と検体提供を目的とした「難病研究資源バンク」の構築に向けた準備段階が完了した。生体試料収集事業の今後の再開が期待される。

公開日・更新日

• 公開日: 2010-05-31
• 更新日: -

行政効果報告

• 文献番号: 200936124C

成果

• 専門的・学術的観点からの成果: 加齢黄斑変性およびポリープ状脈絡膜血管症の患者の症例情報に加え、遺伝子情報ならびにタンパク質情報を統合し、これを付加した検体を国内研究者に提供することによって、現時点での情報を土台とした、新たな実験やデータマイニングが期待される。
• 臨床的観点からの成果: 我々の独自の研究によって日本人の加齢黄斑変性やポリープ状脈絡膜血管症の患者には欧米人とは異なる遺伝子多型パターンが観察されている。遺伝因子を含む日本人特有のリスク因子を明らかにし、これを抑制することによって、予防・治療に役立てる必要がある。本事業はその土台となる部分であり、今後の発展が期待される。
• ガイドライン等の開発: なし
• その他行政的観点からの成果: なし
• その他のインパクト: なし

発表件数

• 原著論文（和文）: 1件
• 原著論文（英文等）: 6件
• その他論文(和文): 0件
• その他論文(英文等): 0件
• 学会発表(国内学会): 6件
• 学会発表(国際学会等): 6件
• その他成果(特許の出願): 0件 ; 「出願」「取得」計0件
• その他成果(特許の取得): 0件
• その他成果(施策への反映): 0件
• その他成果(普及・啓発活動): 0件

主な原著論文20編（論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る）

• 原著論文1: Chi Z, Yoshida T, Lambris JD,et al.; Suppression of drusen formation by compstatin, a peptide inhibitor of complement C3 activation, on Cynomolgus monkey with early-onset macular degeneration. Currrent Topics on Complement and Eye Disease, Advances in Experimental ; Medicine and Biology, Springer (2010)
• 原著論文2: Okamoto H, Umeda S, Nozawa T,et al.; Comparative proteomic analyses of macular versus peripheral retina in Cynomogus monkeys (Macaca fascicularis).; Experimental Animal , 59 , 171-182 (2010)
• 原著論文3: Chi Z, Akahori, A, Obazawa M,et al.; Overexpression of optineurin E50K disrupts Rab8 interaction and leads to a progressive retinal degeneration in mice.; Human Molecular Genetics , 1-10 (2010)
• 原著論文4: Fujinami K, Akahori M, Fukui M, et al.; Stargardt disease with preserved central vision: identification of a putative novel mutation in ATP-binding cassette transporter gene. ; Acta Ophthalmologica , 1-2 (2010)
• 原著論文5: Fujikawa K, Iwata T, Inoue K, et al.; Vav2 and Vav3 as candidate disease gene for spontaneous glaucoma in mice and human.; PLOS One 5:e9050 , 5 , 1-11 (2010)
• 原著論文6: Goto A, Akahori A, Okamoto H, et al.; Genetic analysis of typical wet-type age-related macular degeneration and polypoidal choroidal vasculopathy in Japanese population.; Journal of Ocular Biology, Disease, and Informatics , 164-175 (2009)

公開日・更新日

• 公開日: 2015-06-08
• 更新日: -