文献情報
文献番号
200936123A
報告書区分
総括
研究課題名
特発性造血障害患者生体試料の安定的収集法の確立による鉄代謝異常関連造血障害の解析
研究課題名(英字)
-
課題番号
H21-難治・一般-068
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
高後 裕(旭川医科大学 内科学講座 消化器・血液腫瘍制御内科学分野)
研究分担者(所属機関)
- 生田 克哉(旭川医科大学 内科学講座 消化器・血液腫瘍制御内科学分野)
- 佐々木 勝則(旭川医科大学 消化管再生修復医学講座)
- 鈴木 隆浩(自治医科大学 内科学講座血液学部門)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
5,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
骨髄不全症候群では鉄動態の崩れがあると考えられているが詳細は不明である。その要因は、鉄関連バイオマーカーには不安定なものが多く、試料の収集、搬送、貯蔵はもとより、その測定法も厳密な標準化が困難であったことが背景にある。そこで、(1)鉄代謝関連異常を安定的に測定するための試料収集システム構築、(2)新規確立のNTBIとヘプシジンの各測定を中心に、特発性造血障害治療に関するデータ集積を目的とした。
研究方法
難治性疾患克服研究事業「特発性造血障害に関する調査研究班」(班長:小澤敬也)の、鉄過剰症に関する臨床研究「骨髄不全症候群患者における体内鉄動態に関する臨床研究」および「輸血後鉄過剰症に対する鉄キレート療法の有用性(臓器障害の予防改善効果)に関する臨床研究」のもと、生体試料の収集システムを進めた。試料は研究代表者のもとに一括収集し、施錠付専用冷凍庫および暗証番号式ドアロック設置部屋で保管、管理した。NTBIはnon-metal HPLCを用いた定量システムを、ヘプシジンは 3 isoforms(hepcidin-20, -22, -25)同時定量可能としたLC-MS/MSを用いた。対象患者には主治医から直接説明同意書を手渡して説明し文書で同意を頂いた。試料は個人情報を破棄して記号化した。
結果と考察
健常人血清 NTBI 値は、年齢、血清クレアチニン値、血清フェリチン値、トランスフェリン飽和率のいずれとも明らかな相関を認めなかったことより、体内鉄動態を把握する新しい指標となる可能性が考えられる。一方、健常人血清ヘプシジンの 3 isoformsの各濃度が血清フェリチン値と相関を示し、鉄代謝異常の病態把握、診断、疾患のモニタリング、判断基準に有用であると考えられる。さらに、hepcidin-20値は腎機能との関係を示唆する結果が得られた。本収集システム運用は、希少な難治性疾患に対するものであるため、研究期間内で終了するだけでなく、今後も継続する必要があると考えている。
結論
これまで本邦で測定が行われてこなかった血清 NTBIならびに hepcidin isoformに関する測定系を立ち上げ、得られた健常人の血清NTBI値ならびにヘプシジンの3 isoforms の各濃度を基に、本臨床研究の対象疾患における病態と鉄代謝の関係について世界的に新しい貴重な情報を導き出す準備が整った。
公開日・更新日
公開日
2010-05-31
更新日
-