偽性低アルドステロン症に関連する生体試料等の収集に関する研究

文献情報

文献番号
200936119A
報告書区分
総括
研究課題名
偽性低アルドステロン症に関連する生体試料等の収集に関する研究
課題番号
H21-難治・一般-064
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
向井 徳男(旭川医科大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 藤枝 憲二(旭川医科大学 医学部)
  • 田島 敏広(北海道大学大学院 医学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
5,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
偽性低アルドステロン症(PHA ; pseudohypoaldosteronism)は稀少性が高い疾患である。そのため、病因の解明や病態の理解、治療法や予後の推定など臨床的価値の高い情報を提供することを可能とする生体試料は極めて貴重である。本疾患患者の生体試料を収集し、希少性の高い難治性疾患の診療レベル向上に資するような、患者情報を含めた有益なデータベースを構築することを目的とする。
研究方法
「副腎ホルモン産生異常に関する調査研究班」が実施中の副腎ホルモン産生異常症に関する全国疫学調査で得られた情報を基に、PHA症例の診療施設を抽出し、抽出した当該医療機関の主治医を介して患者及びその家族の生体試料提供ならびに遺伝子解析についての説明を、文書を用いて行い、その同意を文書で取得する。同意取得後、患者およびその家族から5~10mlの血液を採取する。採取した血液を研究代表者の所属施設に送付し、一部をそのまま冷凍保存すると同時に、通常行われている方法を用いて白血球からゲノムDNAの抽出を行う。希望のある場合には原因遺伝子であるミネラルコルチコイド受容体遺伝子の解析を行い、診断を確定する。
結果と考察
年度内に回答が得られたのは6例に留まった。常染色体優性遺伝形式が3例(男0、女2、不明1)、常染色体劣性遺伝形式は0例、遺伝形式不明が3例(男1、女2)で遺伝子診断を行っていた症例は3例、行っていないのが2例、不明1例であった。回答者に対して遺伝子診断および生体試料提供に関して依頼を行ったが、全例とも同意が得られなかった。また、これとは別にPHAと診断された新規症例(疫学調査の対象外となる)2例においてミネラルコルチコイド受容体遺伝子の解析を行ったところ、遺伝子異常(ナンセンス変異;p.R947X, p.R641X)をそれぞれに同定した。公的遺伝子バンク設立が大幅に遅れたこともあり、生体試料収集の実現には至っていないことから、今後の課題である。実質8カ月の研究期間は短すぎると感じた。
結論
把握できた症例は6例と極めて少ない数であった。しかしながら、生体試料収集に同意が得られず、収集が困難であった。これとは別に、2例のミネラルコルチコイド受容体遺伝子診断を行い、それぞれ別個のナンセンス変異を同定することができた。

公開日・更新日

公開日
2010-05-19
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2011-03-24
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200936119C

成果

専門的・学術的観点からの成果
「副腎ホルモン産生異常に関する調査研究班」が実施中の副腎ホルモン産生異常症に関する全国疫学調査で得られた情報を基に、PHA症例の把握を試みた。回答率の低さも影響して、わずか6例に留まったのは予想外であった。いずれの症例からも生体試料収集に同意が得られず、収集が困難であった。公的遺伝子バンクの体制整備が遅れたこともあり、その連携が進まず、実質8カ月の研究期間は短すぎると感じた。
臨床的観点からの成果
全国調査の対象症例とはならないが、PHA患者2症例においてミネラルコルチコイド受容体遺伝子診断を行ったところ、それぞれ別個のナンセンス変異を同定し、診断を確定することができた。
ガイドライン等の開発
ガイドライン開発は計画にはなかった。
その他行政的観点からの成果
特になし。
その他のインパクト
特になし。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
6件
その他論文(和文)
4件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
1件
学会発表(国際学会等)
1件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2015-06-08
更新日
-