文献情報
文献番号
200936115A
報告書区分
総括
研究課題名
ペルオキシソーム病:副腎白ジストロフィーの生体試料収集及び、臨床病型修飾因子についての研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H21-難治・一般-060
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
後藤 順(東京大学 医学部附属病院)
研究分担者(所属機関)
- 辻 省次(東京大学 医学部附属病院)
- 市川 弥生子(東京大学 医学部附属病院)
- 高橋 祐二(東京大学 医学部附属病院)
- 下澤 伸行(岐阜大学 生命総合研究支援センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
5,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
副腎白質ジストロフィー(ALD)は、稀な先天代謝異常症であるペルオキシソーム病のひとつで、その中で頻度が高い。本症は、X連鎖劣性遺伝形式をとり、Xq28に位置するABCD1遺伝子の突然変異による疾患である。近年、小児大脳型ALDについて、発症初期に造血幹細胞移植により、進行が抑えられることが示され、治療法として普及しつつあるが、より侵襲性の低い有効な治療法の開発が期待されている。ABCD1遺伝子変異の種類と臨床病型とには関連性はなく、本症の発症年齢、臨床病型、重症度を規定する因子は解明されていない。
ALDの生体試料(ゲノムDNA、細胞株)を臨床情報ともに収集し、研究リソースの構築をするとともに、臨床病型の修飾因子についてゲノム関連解析を行う。
ALDの生体試料(ゲノムDNA、細胞株)を臨床情報ともに収集し、研究リソースの構築をするとともに、臨床病型の修飾因子についてゲノム関連解析を行う。
研究方法
1) 過去の検体収集状況とバンクに寄託する条件等を検討する。
2) 収集すべき臨床情報について検討、収集項目を選定する。
3) 臨床病型に関連するゲノム要因を検討する目的で、ALD患者群と対照群との関連解析を行う。
2) 収集すべき臨床情報について検討、収集項目を選定する。
3) 臨床病型に関連するゲノム要因を検討する目的で、ALD患者群と対照群との関連解析を行う。
結果と考察
1) 東京大学において32例分、岐阜大学において71例分、新潟大学において18例分、計121例分のゲノムDNAの収集がなされている。
2) 収集する臨床情報項目は、研究遂行に有用な情報、匿名性の確保、情報登録上の便宜等を考慮し、臨床調査個人票及び成育疾患克服研究における追跡調査登録項目と共通な項目を選択することとし、臨床症候(性別、発症年齢、病型、初発症状)、検査所見(極長鎖脂肪酸、副腎機能、MRI、生理検査所見、遺伝子検査結果)、治療(造血幹細胞移植)を収集することとした。
3) ABCDファミリー遺伝子のABCD2, 3, 4について、新規SNPsを11同定した。ALD71例(大脳型44例、AMN26例)、対照82例についての関連解析では、ABCD4の連鎖不平衡にあるrs2301345, rs4148077, rs4848078, rs3742801の4箇のSNPsにおいて、副腎脊髄ニューロパチー(AMN)との関連性が示唆された(p=0.047)。例数が少なく、さらなる検討が必要である。
2) 収集する臨床情報項目は、研究遂行に有用な情報、匿名性の確保、情報登録上の便宜等を考慮し、臨床調査個人票及び成育疾患克服研究における追跡調査登録項目と共通な項目を選択することとし、臨床症候(性別、発症年齢、病型、初発症状)、検査所見(極長鎖脂肪酸、副腎機能、MRI、生理検査所見、遺伝子検査結果)、治療(造血幹細胞移植)を収集することとした。
3) ABCDファミリー遺伝子のABCD2, 3, 4について、新規SNPsを11同定した。ALD71例(大脳型44例、AMN26例)、対照82例についての関連解析では、ABCD4の連鎖不平衡にあるrs2301345, rs4148077, rs4848078, rs3742801の4箇のSNPsにおいて、副腎脊髄ニューロパチー(AMN)との関連性が示唆された(p=0.047)。例数が少なく、さらなる検討が必要である。
結論
副腎白質ジストロフィー(ALD)の生体試料及び臨床情報による研究リソース収集及びバンクへの寄託体制の基盤構築が可能となった
公開日・更新日
公開日
2010-05-26
更新日
-