小児希少難病(先天性アミノ酸代謝異常症等)の新規治療導入状況と実態の把握及び長期フォローアップ体制の確立

文献情報

文献番号
200936109A
報告書区分
総括
研究課題名
小児希少難病(先天性アミノ酸代謝異常症等)の新規治療導入状況と実態の把握及び長期フォローアップ体制の確立
研究課題名(英字)
-
課題番号
H21-難治・一般-054
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
遠藤 文夫(熊本大学 大学院生命科学研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 松井 陽(国立成育医療センター )
  • 奥山 虎之(国立成育医療センター)
  • 高柳 正樹(千葉県こども病院)
  • 大浦 敏博(東北大学小児科)
  • 安東 敏彦(味の素株式会社)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
20,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
海外では先天代謝異常症の中でフェニルケトン尿症、尿素サイクル異常症(オルニチントランスカルバミラーゼ欠損症等)の新規診断方法の導入が急速に展開されている。わが国ではこれらの疾患の治療方法の導入状況はよく把握されていない。そこで、この研究では(1)尿素サイクル異常症における患者の発生状況と治療状況の調査、(2)フェニルケトン尿症などのアミノ酸代謝異常症における新規治療の導入状況、(3)新規アミノ酸測定技術の臨床応用の検討を行った。
研究方法
アミノ酸代謝異常症とくに尿素サイクル異常症、フェニルケトン尿症などの疾患で、発生状況と最新の治療方法の導入状況、さらに未承認薬の使用の有無などについて明らかにする目的での調査研究をおこなった。同時に、これらの疾患に関連した診断治療基準についても調査検討を行った。

結果と考察
アンケート調査に基づく全国のおもな病院に対する尿素サイクル異常症とこれに関連したアミノ酸代謝異常症の最新発生状況を調査した。その結果、とくにシトルリンおよびフェニル酢酸ナトリウムの導入がわが国で進んでいないことが判明したまた、これらの疾患における肝臓移植の実施状況が判明した。さらに移植前後の継続治療の状況についても明らかになった。診断治療基準についても調査検討を行った。
フェニルケトン尿症については米国におけるビオプテリンの使用状況について調査師、わが国における使用基準を比較した。その結果、米国ではすべての年齢において、第一選択治療方法としてビオプテリン製剤が投与されていることが判明した。わが国の基準を直ちに変更する必要性を示唆するものではないが、諸外国での治療効果について慎重に見極める必要があることを示している。
アミノ酸測定方法の技術開発では簡易血中フェニルアラニン測定技術が確立できた。またLCMSを用いたアミノ酸分析では、少量の血液を用いた臨床検体でのアミノ酸測定技術が確立できた。
結論
(1)尿素サイクル異常症における患者の発生状況と治療状況の調査した。(2)フェニルケトン尿症などのアミノ酸代謝異常症の発生状況と新規治療の導入状況について現状が把握できた。(3)新規アミノ酸測定技術の臨床応用へ進展が見られた。

公開日・更新日

公開日
2010-06-03
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200936109C