文献情報
文献番号
202324013A
報告書区分
総括
研究課題名
医療機器の適正使用指針作成及び見直しの最適化に関する研究
課題番号
23KC1001
研究年度
令和5(2023)年度
研究代表者(所属機関)
池田 浩治(国立大学法人東北大学 病院臨床研究推進センター)
研究分担者(所属機関)
- 鈴木 由香(東北大学病院 臨床研究推進センター)
- 中村 正人(東邦大学 医学部医学科内科学講座循環器内科学分野)
- 横井 宏佳(国際医療福祉大学)
- 山口 拓洋(国立大学法人東北大学 大学院医学系研究科医学統計学分野)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス政策研究
研究開始年度
令和5(2023)年度
研究終了予定年度
令和7(2025)年度
研究費
3,847,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究では、事例が増えつつある適正使用指針の制定、活用の実態を可視化することで、今後の革新的な医療機器を速やかに、かつ安全に医療現場に導入するための考え方を整理する。また、適正使用指針作成、及び見直し時の議論に参加し、作成・見直しに係る課題抽出を行う。適正使用指針のあるべき姿について議論を行い、適正使用指針の作成に関する基本的な考え方を取りまとめる。
研究方法
学会等が定める適正使用指針等を活用した新医療機器の承認プロセスは、血管内治療領域を中心に運用が始まり、徐々に他の領域に拡大してきた。また、適正使用指針等の活用は医療を取り巻く状況と共に変化するものであることから、本研究では、過去に作成した適正使用指針の運用状況、作成の経緯、目的などを精査し、現在の状況に至る推移を可視化するため、後ろ向きの全体調査を行う。
次に、現在進行中の事例における課題抽出、特にレジストリと連動した見直しの可能性を検討するため、血管内治療領域の事例を題材に実運用における課題抽出を行う。それらの調査により抽出された課題に対し、研究班メンバーに有識者等を加えた検討会を発足し、適正使用指針等を活用した承認プロセスを最適化するために必要な要素について整理する。
次に、現在進行中の事例における課題抽出、特にレジストリと連動した見直しの可能性を検討するため、血管内治療領域の事例を題材に実運用における課題抽出を行う。それらの調査により抽出された課題に対し、研究班メンバーに有識者等を加えた検討会を発足し、適正使用指針等を活用した承認プロセスを最適化するために必要な要素について整理する。
結果と考察
本研究に際し、再現性をもって検証可能な形にするために、公開情報からアプローチを行って、可能な限り多くの適正使用指針をリスト化できるようプロトコル作成を行った。添付文書には適正使用指針の遵守が明記されていると想定し、添付文書検索で概ね拾うことができると予想していたが、HTML形式で掲載されていない場合に検索できないという障害が発生した。添付文書検索以外で可能な限り、抽出することを目指し、「医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会」の配布資料より、検討会を経て承認済みとなった88品目の適正使用指針の作成状況の調査、及び審査報告書からの抽出を行った。抽出したものから重複等を削除した結果、94件の適正使用指針が検討対象として抽出できたが、PMDA内で確認できる内部データ(非公開)の7割強であった。本研究では公開情報に基づいて実施することを班会議で確認の上、今後の検討を94件の適正使用指針で行うこととした。
適正使用指針の作成・見直しに関する実例を用いた検討については、学会主導レジストリの立ち上げに遅れが生じたため、十分な議論ができていないが、レジストリ立ち上げに関する課題整理は進めることが出来た。
有識者を招いて、適正使用指針の課題に対する議論を行い、広い視点から意見を集めることが出来た。次年度以降に行う研究の中で、引き続き課題抽出に努めたい。
適正使用指針の作成・見直しに関する実例を用いた検討については、学会主導レジストリの立ち上げに遅れが生じたため、十分な議論ができていないが、レジストリ立ち上げに関する課題整理は進めることが出来た。
有識者を招いて、適正使用指針の課題に対する議論を行い、広い視点から意見を集めることが出来た。次年度以降に行う研究の中で、引き続き課題抽出に努めたい。
結論
医療機器の適正使用指針作成及び見直しの最適化に関する研究では、今年度は適正使用指針の可視化を行うための適正使用指針の抽出と整理を中心に行った結果、94件の適正使用指針を抽出することが出来た。次年度以降、内容を整理したのち、策定した学会へのヒアリング調査等により、適正使用指針の作成、及び見直しに係る課題の抽出を行う。また、適正使用指針の在り方を考える上で、適正使用指針の見直しを適切に実施することが重要である。そのためには、見直しに用いる学会関連レジストリのデータの信頼性等、どのような課題があるか抽出を行い、実態を踏まえた議論が必要である。本研究では、静脈疾患の医療機器を用いた学会関連レジストリの作成における課題、さらに利活用に向けた課題について、関連学会協議会とレジストリ事務局の協力を得て、情報収集を行う予定である。
適正使用指針の可視化、課題の抽出を進め、適正使用指針に関する基本的な考え方の整理に向けて引き続き情報収集を行い、ガイダンスの策定に繋げたい。
適正使用指針の可視化、課題の抽出を進め、適正使用指針に関する基本的な考え方の整理に向けて引き続き情報収集を行い、ガイダンスの策定に繋げたい。
公開日・更新日
公開日
2024-06-14
更新日
-