文献情報
文献番号
202324012A
報告書区分
総括
研究課題名
プログラムの医療機器該当性に関するガイドライン改定に向けた研究
課題番号
22KC1006
研究年度
令和5(2023)年度
研究代表者(所属機関)
鈴木 孝司(公益財団法人医療機器センター 認証事業部)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス政策研究
研究開始年度
令和4(2022)年度
研究終了予定年度
令和5(2023)年度
研究費
2,308,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究の初年度(令和4年度)では、令和3年度厚生労働科学特別研究事業「国際整合性を踏まえたプログラムの医療機器該当性に係る論点抽出のための研究(21CA2022)」の議論の結果を受けて、①諸外国(EU、米、中、韓、日、等)のプログラムの規制の調査と比較検討、②継続検討及び追加検討すべき事項に関する個別議論、③国内外のプログラム事例の収集と詳細調査・標榜内容に応じた該当・非該当の整理についてプログラム事例の調査と該当性判断の整理、を行った。令和4年度に実施したアンケート結果より、該当性の判断に迷う事業者は法規制の考え方に慣れていないことに原因があるのではないかと考え、該当性の考え方や用語の定義に注力するよりもむしろ、医療機器の法規制の考え方などをわかりやすく示すことがむしろ該当性の判断を容易にすると考えた。
研究方法
令和5年は①②③を継続すると同時に、④ガイドライン改定に向けた取り組みの一環として、法規制の考え方に慣れない事業者に対するわかりやすい情報提供を目的として、A) 該当性ガイドラインのわかりやすい解説、B) 該当性判断事例の解説、C) 相談様式をまとめるための事前情報の整理の支援、の3つの観点から情報の整理と提供を行った。
結果と考察
①ではIMDRFが公開したプログラムのリスクの考え方を整理した文書について調査を行った。②③については特段の新たな論点は本研究の期間内には生じなかった。④として、A) 該当性ガイドラインのわかりやすい解説として、ガイドラインを直接的に解説するのではなく、幅広に医療機器の規制の考え方を基礎から解説するウェブサイトを構築した。B) 該当性判断事例の解説として、製品概要を含めた想定事例を作成し、該当・非該当の判断、判断のポイントの解説をまとめ、上記ウェブサイトに掲載した。そして、C) 相談様式をまとめるための事前情報の整理の支援として、SaMD一元的相談窓口に提出するための相談様式を適切に作成するための質問フォームを作成し、相談品目の臨床的位置づけや使用している技術内容などを整理整頓できるようにした。
結論
当初計画した研究内容は概ね達成された。令和3年度事業から3年間に渡りプログラムの該当性について諸外国を含めた調査を行ってきたが、令和5年度は該当性に関する新たな論点や議論すべき新たな品目の出現などもなかったことから、プログラムの医療機器該当性については、諸外国においても本邦においても、ある程度落ち着きを得たと考えられる。今後は具体的な個別品目における規制のあり方や、この数年間に急速に応用が進んできた人工知能を用いた医療機器など、より応用的な方向への展開が必要であると考えられた。
本年度の研究結果から、国際整合性の取れたプログラムの医療機器該当性の考え方が整理され、かつわかりやすい形で周知されることにより、事業の予見可能性を向上させ医療機器産業への参入者を増加させると同時に、プログラム医療機器の規制のあり方を示すことで患者安全を促進する。それらは最終的に、本分野での産業競争力の強化、ひいては国民の享受する医療の質の向上に繋げることが期待される。
本年度の研究結果から、国際整合性の取れたプログラムの医療機器該当性の考え方が整理され、かつわかりやすい形で周知されることにより、事業の予見可能性を向上させ医療機器産業への参入者を増加させると同時に、プログラム医療機器の規制のあり方を示すことで患者安全を促進する。それらは最終的に、本分野での産業競争力の強化、ひいては国民の享受する医療の質の向上に繋げることが期待される。
公開日・更新日
公開日
2024-08-09
更新日
-