文献情報
文献番号
200936106A
報告書区分
総括
研究課題名
遠位型ミオパチーの実態調査
研究課題名(英字)
-
課題番号
H21-難治・一般-051
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
西野 一三(国立精神・神経センター 神経研究所疾病研究第一部)
研究分担者(所属機関)
- 青木 正志(東北大学病院神経内科)
- 冨滿 弘之(東京医科歯科大学大学院脳神経病態学)
- 田中 惠子(金沢医科大学)
- 熊本 俊秀(大分大学医学部総合内科学第三講座)
- 中野 智(関西医科大学神経内科)
- 清水 潤(東京大学医学部附属病院神経内科)
- 園生 雅弘(帝京大学医学部神経内科)
- 杉江 和馬(奈良県立医科大学神経内科)
- 大矢 寧(国立精神・神経センター病院神経内科)
- 中村 治雅(国立精神・神経センター病院神経内科・治験管理室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
20,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
遠位型ミオパチーの実態に迫るべく、診断基準作成、患者数調査などの実態調査を行うとともに、病状の評価指標作成を行い、目前に迫る縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチー(DMRV)の臨床試験に備える。
研究方法
国立精神・神経センターにて、1978?2005年に筋病理診断を受けた例を調べ、各病型の本邦患者数を推計した。
診療範囲で可能な限りのデータを全て定期的に取得すべく、2名のDMRV患者においてフィージビリティスタディを行った。
ALSのADL評価スケールを改変し、遠位型ミオパチー用ADL評価スケール (DMSF)のプロトタイプを作成した。さらに、遠位型ミオパチー患者会の協力を得て、DMRV診断確定例を対象にアンケート調査を行った。
DMRV長期経過観察例6例について徒手筋力テストの経過を検討した。
GNE遺伝子解析を確定診断目的で行うとともに、免疫染色法などにより、病態解明研究を行った。
これまでに遺伝学的に診断が確定している三好型患者46家系49人について後方視的に臨床経過を検討した。
診療範囲で可能な限りのデータを全て定期的に取得すべく、2名のDMRV患者においてフィージビリティスタディを行った。
ALSのADL評価スケールを改変し、遠位型ミオパチー用ADL評価スケール (DMSF)のプロトタイプを作成した。さらに、遠位型ミオパチー患者会の協力を得て、DMRV診断確定例を対象にアンケート調査を行った。
DMRV長期経過観察例6例について徒手筋力テストの経過を検討した。
GNE遺伝子解析を確定診断目的で行うとともに、免疫染色法などにより、病態解明研究を行った。
これまでに遺伝学的に診断が確定している三好型患者46家系49人について後方視的に臨床経過を検討した。
結果と考察
DMRV、三好型ミオパチー、眼咽頭遠位型ミオパチー(OPDM)の3疾患およびその他に分類し、診断基準を作成した。
本邦での遠位型ミオパチー各病型の患者数はDMRV167?345人、三好型124?247人、OPDM44?88人と推計された。
平日4日間の入院スケジュールであれば、無理なくデータ取得が可能であった。
DMSFに基づくアンケートの有効回答数は57名で、進行に伴うADL障害度を数値化することが出来た。
長期経過DMRV例では、下肢の大腿屈筋群・大腿内転筋・前脛骨筋は、上肢筋群よりも早期から障害され、筋力低下の進行も速かった。DMRVにおいても、筋CTによる筋量評価が可能であることが分かった。
135例でGNE変異を確定した。その他、縁取り空胞性疾患の病態の一部が明らかとなった。類縁疾患の封入体筋炎では深指屈筋が被験筋として有用であることが分かった。
三好型では、発症は21.8±7.5歳で、つま先立ち困難が最多であった。
本邦での遠位型ミオパチー各病型の患者数はDMRV167?345人、三好型124?247人、OPDM44?88人と推計された。
平日4日間の入院スケジュールであれば、無理なくデータ取得が可能であった。
DMSFに基づくアンケートの有効回答数は57名で、進行に伴うADL障害度を数値化することが出来た。
長期経過DMRV例では、下肢の大腿屈筋群・大腿内転筋・前脛骨筋は、上肢筋群よりも早期から障害され、筋力低下の進行も速かった。DMRVにおいても、筋CTによる筋量評価が可能であることが分かった。
135例でGNE変異を確定した。その他、縁取り空胞性疾患の病態の一部が明らかとなった。類縁疾患の封入体筋炎では深指屈筋が被験筋として有用であることが分かった。
三好型では、発症は21.8±7.5歳で、つま先立ち困難が最多であった。
結論
遠位型ミオパチーの診断基準を作成し、各病型の患者数を推計した。遠位型ミオパチー用のADL評価指標を作成した。遠位型ミオパチーの病状評価方法がほぼ確立できた。
公開日・更新日
公開日
2010-05-31
更新日
-