店舗販売業者等の管理者に求められる資質の研究

文献情報

文献番号
202324004A
報告書区分
総括
研究課題名
店舗販売業者等の管理者に求められる資質の研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
21KC1004
研究年度
令和5(2023)年度
研究代表者(所属機関)
赤池 昭紀(和歌山県立医科大学 薬学部)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス政策研究
研究開始年度
令和3(2021)年度
研究終了予定年度
令和5(2023)年度
研究費
2,308,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
登録販売者は、一般用医薬品のうち、第2類及び第3類医薬品の販売等を担う専門家として、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律に位置付けられている。一般用医薬品の適正使用や、政府で推進しているセルフケア・セルフメディケーション(自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること)の推進の観点から、この登録販売者の資質向上が重要な課題となっており、令和4年4月1日から、医薬品の販売に従事する全ての登録販売者に対する継続的な研修を受講させることが義務化された。また、新たに店舗販売業を行おうとする者が、店舗管理者要件を満たす登録販売者を円滑に確保することを可能とするため、令和5年4月1日からは、過去5年間のうち従事期間が通算して1年以上あり、継続的な研修並びに法令遵守及び店舗又は区域の管理に関する追加的な研修を修了した登録販売者が店舗管理者又は区域管理者となれることとなった。そこで本研究では、登録販売者の質を担保するため、継続的研修及び追加的研修の制度施行後の実態を把握し、登録販売者に対する効果的な研修のあり方について検討した。
研究方法
1.研修実施機関に対するアンケート調査:令和5年12月時点で厚生労働大臣に継続的研修又は追加的研修を実施する旨を届け出ている表2の研修実施機関に対して、研修の実施方法等に関するアンケート調査を実施した。
2.研修実施機関に対するヒアリング:令和5年12月時点において、継続的・追加的研修を実施する旨を厚生労働大臣に届け出ている研修実施機関(6機関)及び関係団体(継続的研修の研修実施機関)に聴取を行った。
3.研修カリキュラム等の検討:アンケート調査及びヒアリング結果を踏まえ、効果的な追加的研修のカリキュラム、継続的研修の実施形式等について検討を行った。
結果と考察
継続的研修:厚生労働大臣に届け出ている110の研修実施機関に対し、アンケートを行った結果、77機関から回答があり(回答率70.0%)、研修の実施形式について、対面のみが31.5%で最多、次いで対面とテキスト形式の組み合わせが20.8%、対面と一方向録画の組み合わせが18.2%であった。今後の望ましい実施形式としては、対面が最も多く、次いで双方向リアルタイム、テキスト形式の順であった。対面形式の利点は、出席状況や理解度の確認がしやすく、その場での質疑応答が可能な点。一方、双方向リアルタイム形式は質問のしやすさ、移動不要、遠方からの参加が容易、不正防止、講師の質の担保が挙げられた。新型コロナウイルスの特例で認められた遠隔講座・通信講座の恒久化を望む声もあった。
追加的研修:全ての研修実施機関で双方向リアルタイム形式が採用され、ガバナンスや法規、コンプライアンス、コミュニケーション演習、ケーススタディが含まれていた。課題には、Zoomの未熟者対応、レポート作成の困難さ、外国人受講者のコミュニケーション問題が含まれる。
研修実施機関に対するヒアリング:追加的研修の好事例や課題、継続的研修の実施形式について意見を集めた。オンライン形式は利便性や学習効果の向上が期待されるが、一方向録画形式はリスケジュールが容易で進捗管理がしやすい反面、受講者の行動変容確認が課題である。地方では講師の確保が困難なため、オンライン形式が好まれる傾向がある。
研修カリキュラム等の検討:アンケート調査とヒアリング結果を踏まえ、継続的研修の実施形式や追加的研修のカリキュラムのあり方について検討した。登録販売者の質の向上を目指し、対面形式とオンライン形式のメリットとデメリットを考慮し、多様な実施形式が必要であると考えられた。追加的研修では、実践的な内容とし、受講者が積極的に参加できるような工夫が求められる。質の高い研修を推進するためには、オンライン形式の積極活用や実践的な研修内容の導入、研修の効果測定とPDCAサイクルの適用が重要である。登録販売者が医薬品の専門家として、濫用の防止に向けて職責を果たしていくためには、基本的なルールの遵守に加えて、上記の点を考慮しつつ、実務上の対応等を登録販売者が理解し、実際の販売現場に活かしていくことが重要である。
結論
継続的研修の研修実施機関においては、受講者の研修状況や理解度を適切に確認できることを前提に、地域性や受講者の属性等を踏まえて、適切な研修の実施形式を選択して実施すべきである。追加的研修の研修実施機関においては、受講者が積極的に参加でき、店舗等の管理を適切に行えるよう、現場に即した研修内容とすることが必要である。また、研修受講による効果を把握し、追加的研修の実施方法等についてPDCAサイクルで改善を図っていくことが望ましい。

公開日・更新日

公開日
2025-04-11
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
202324004B
報告書区分
総合
研究課題名
店舗販売業者等の管理者に求められる資質の研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
21KC1004
研究年度
令和5(2023)年度
研究代表者(所属機関)
赤池 昭紀(和歌山県立医科大学 薬学部)
研究分担者(所属機関)
  • 赤池 昭紀(和歌山県立医科大学 薬学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス政策研究
研究開始年度
令和3(2021)年度
研究終了予定年度
令和5(2023)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律(令和元年法律第63号。以下「改正法」という。)により、令和3年8月から全ての許可等事業者における法令遵守体制の強化が求められ、薬局開設者、店舗販売業者及び配置販売業者(以下「一般用医薬品販売業者等」という。)は、必要な能力及び経験を有する者を管理者として選任する必要がある。さらに、令和4年4月から、毎年度全ての登録販売者に一定の研修を受講させることが義務化された。この研修は、これまで行われてきた登録販売者に対する外部研修を踏襲しつつも、新たに研修事項として店舗又は区域の管理に関する事項(以下「店舗等の管理に関する事項」という。)を含めることとされている。本研究においては、昨今の法令改正を盛り込んだ登録販売者試験の「試験問題の作成に関する手引き」の見直しを行うとともに、登録販売者に対して行う研修がより効果的なものとなるよう、研修のあり方に関する検討を行った。
研究方法
研究の準備、資料収集等を行った後、登録販売者試験の「試験問題の作成に関する手引き」の見直しについて、登録販売者試験は、一般用医薬品の販売等に従事しようとする者に必要な資質を持つことを確認するために実施した。5つの関係団体等に実施したヒアリングで明らかになった課題を踏まえつつ、新たに研修事項とされた「店舗等の管理に関する事項」に係る研修の内容や実施方法について、検討を行った。次いで、登録販売者関係団体のヒアリングを行った。さらに、研修の実施形式に関するアンケート調査を行った。対面形式での研修を実施した研修実施機関は51.6%であった。また、一部の研修実施機関では、受講者の理解促進のため、研修への実践的場面のイメージ演出や製品、商品の実物サンプルの活用等、実地で行う対面形式の特長を活用した工夫を行っていた。実施した形式として対面形式を回答した研修実施機関が多かったが、受講者の受講のタイミングを問わないことや、遠隔地でも受講が容易であることから、実施したい形式としてテキスト形式を回答した研修実施機関が7割程度あり、双方向リアルタイム、双方向録画、一方向録画の形式を回答した研修実施機関も半数以上であった。最後に、研修実施機関を対象にアンケート調査を実施した。研修の実施形式については、対面形式が31.5%と最も多く、次いで対面とテキスト形式の組み合わせが20.8%、一方向録画が18.2%であった。対面形式が好まれる理由としては、出席状況や理解度の確認が容易で、その場で質疑応答ができることが挙げられた。一方、双方向リアルタイム形式は質問がしやすく、遠方からの参加が可能で、不正行為が防止しやすいことが利点とされた。これらの結果から、遠隔講座・通信講座の恒久化を希望する意見が多く見られた。次いで、研修機関からのヒアリングを実施した。
結果と考察
「試験問題の作成に関する手引き(平成30年3月)」の内容の見直しを行い、新しい手引きをとりまとめた。12月には登録販売者関係団体のヒアリングを実施し、その結果等を踏まえて登録販売者に対する研修における課題について整理し、現状の課題と提言をとりまとめた。店舗等の管理に関する事項に係る研修の検討については、研修内容や実施方法の具体例をとりとりまとめた。次いで、規制改革実施計画(令和4年6月7日閣議決定)において、店舗販売業の管理者要件の見直しが挙げられたため、関係団体の意見を聴取した上で、この具体的な要件見直しの条件等について、提言をとりまとめた。また、令和4年4月から義務化された登録販売者に対する継続的研修の実施形式等についてアンケート調査を実施し、質を担保し、実効性のある実施形式等の検討を行った。最後に、登録販売者の追加的研修について、アンケート調査及びヒアリングの結果を踏まえ、望ましい研修方法の提案を行った。継続的研修の研修実施機関では、地域性や受講者の属性等を踏まえて、適切な研修の実施形式を選択して実施すべきである。追加的研修の研修実施機関では、受講者が積極的に参加でき、店舗等の管理を適切に行えるよう、現場に即した研修内容とすることが必要である。
結論
本研究は、登録販売者の質の向上を目的とし、継続的研修及び追加的研修の実態を調査・分析した。継続的研修については、対面形式とオンライン形式のメリットとデメリットを考慮し、地域性や受講者の属性に合わせた多様な実施形式が必要であることが示された。追加的研修については、実践的な内容とし、受講者が積極的に参加できるような工夫が求められた。登録販売者の継続的研修及び追加的研修を実施する際に、以上に挙げた内容を適切に取り組むことにより、登録販売者の質の向上と、医薬品の適正使用やセルフケア・セルフメディケーションの推進に貢献することが期待される。

公開日・更新日

公開日
2026-06-05
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
202324004C

成果

専門的・学術的観点からの成果
本研究は、登録販売者の資質向上を目指し、研修内容や試験問題の見直しを行ったものであり、一般用医薬品の適正使用とセルフメディケーションの推進に重要な役割を果たす。さらに、成果の一部は令和5年3月31日に交付された登録販売者の店舗管理者要件の改正に関する厚生労働省の省令(薬生発0331第16号)、および令和6年4月10日付け薬生総発0410第4号厚生労働省医薬局総務課長通知等に活用された。
臨床的観点からの成果
該当なし
ガイドライン等の開発
該当なし
その他行政的観点からの成果
研究により得られた成果の今後の活用・提供:研究により得られた成果の今後の活用・提供:本研究により得られた成果の一部は、令和5年3月31日に交付された登録販売者の店舗管理者要件の改正に関する厚生労働省の省令(薬生発0331第16号)、および令和6年4月10日付け薬生総発0410第4号厚生労働省医薬局総務課長通知等に活用された。
その他のインパクト
医薬品の登録販売者の資質向上および研修の質の向上に貢献した。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
0件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2025-04-11
更新日
-

収支報告書

文献番号
202324004Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
3,000,000円
(2)補助金確定額
3,000,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 1,956,196円
人件費・謝金 0円
旅費 276,300円
その他 75,504円
間接経費 692,000円
合計 3,000,000円

備考

備考
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公開日・更新日

公開日
2025-04-11
更新日
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