新生児・乳児胆道閉鎖症の総合的な管理(診断・治療)に関する研究

文献情報

文献番号
200936100A
報告書区分
総括
研究課題名
新生児・乳児胆道閉鎖症の総合的な管理(診断・治療)に関する研究
課題番号
H21-難治・一般-045
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
松井 陽(国立成育医療センター 病院)
研究分担者(所属機関)
  • 羽金 和彦(国立病院機構栃木病院 小児外科)
  • 坂本 なほ子(国立成育医療研究センター 研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
10,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
技術分光スペクトル導入により色情報を定量化し、スケール間隔が科学的に区分され、光源条件等の外的要因の影響を受けない便色調カラーカードの開発と、そのカードの信頼性と妥当性を検証しスクリーニングツールとしての導入の効果を評価すること。
研究方法
①196のサンプル便(胆道閉鎖症症例1を含む)を撮影し、下記の手順で便色データをLab値によって定量化し、色情報が等間隔になるよう区分を設定し、カラーカードを作成した。②松井式便色カラーカードの色を参考にして代表的な便を7種類選別し、便のカラースペクトルを測定し等間隔になるように調整した。③平均的な便形状を選択し、選択した7種類のスペクトル形状に近似するように分光レタッチし、インクジェットプリンタでカラーカードを作成した。④試作品を5人の胆道閉鎖症専門医、胆道閉鎖症の子供を持つ母親に提示し、形状や色について意見を訪問聞き取り調査し、微調整もしくはサンプルの変更を行った。⑤ICCプロファイルによる最新カラーマネージメントを駆使し、インクジェットプリンタによるカラーカードの実践的なシミュレーションを行った。
結果と考察
①6バンド色補正システムにより色の微調整が広い光学的条件下で可能となった。実際の使用条件に近い、様々な光学的条件下でも一定の再現性をもって、便色を示すことができた。②胆道閉鎖症専門医からの聞き取り調査の結果、カラーカードの色についてA案 B案を作成、また、形状について便を直接みることができる穴をつけるものと、つけないものを作成した。③15年前からカラーカードを導入している栃木県の導入システムを検討した。その結果、はがきに記載される個人情報保護、医師会の協力、保健師の協力体制に改良の余地があることが判明した。
結論
デジタルカラーマネージメント技術の進歩により、便色調を正確に再現した色調表を作成できた。また、色度図上および肉眼感覚的に自由な色調を選択し記録できるようになり、より識別能の高い、臨床的に有用な優れたカラーカードを作成することが可能となった。
しかしながら、これを早期発見につなげていくには、優れた導入システムが必要であり、今後、実際に導入し検討していく予定である。

公開日・更新日

公開日
2010-05-11
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200936100C