食品含有・残留化学物質のがん悪性転化毒性評価法の開発

文献情報

文献番号
202323050A
報告書区分
総括
研究課題名
食品含有・残留化学物質のがん悪性転化毒性評価法の開発
研究課題名(英字)
-
課題番号
22KA3006
研究年度
令和5(2023)年度
研究代表者(所属機関)
芳賀 優弥(大阪大学 大学院薬学研究科)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安全確保推進研究
研究開始年度
令和4(2022)年度
研究終了予定年度
令和6(2024)年度
研究費
1,818,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
一般に多段階発がん説は、①Initiation→②Promotion→③Progression→④Malignant change(悪性転化)という過程を辿る。食品・農薬に含まれる「食品含有・残留化学物質」の安全性評価に際しては、①~③を中心として評価されている一方で、抗がん剤耐性・転移能などがんによる死亡原因の殆どを占める④悪性転化に与える影響は、十分に理解されておらず、評価法確立は遅々として進んでいない。そこで本研究では、食品含有・残留化学物質によるがん悪性転化機序の解明に基づく、「がん悪性転化毒性評価法」の確立を目指す。
研究方法
本年度は、ビスフェノールAがん悪性転化表現系及び関連遺伝子の発現に与える影響評価と、プロモーター活性を活用したレポーター細胞の樹立に取り組んだ。
結果と考察
ビスフェノールA(BPA)を1週間および4週間乳がん細胞に曝露し、評価を進めた。RNA-Seqの結果、複数の遺伝子変動が認められ、特にがん細胞の浸潤や転移に関連する遺伝子の変動が認められた。また、低濃度(10 nM)において、その変動遺伝子数は少なかったものの、がん悪性転化表現系として評価した遊走性が亢進することが示唆された。また、上皮間葉転換(EMT)関連分子のレポーター細胞について、EMT関連分子の中でも間葉系マーカーVimentinを候補遺伝子として、プロモーター活性を利用したレポーター細胞を作製した。
低濃度のBPAの曝露によって、がん細胞におけるがん悪性転化関連遺伝子の変動が認められ、遊走性の増加傾向が認められたことから、今後食品含有化学物質のがん悪性転化形質に与える影響を詳細に評価する必要があると考えられる。また、プロモーター活性を用いたレポーター細胞の樹立にはレンチウイルスを用いることから、ほとんど全てのがん細胞に導入可能であり、今後の応用が期待される。
結論
本研究は、食品含有・残留化学物質によるがん悪性転化機序の解明に基づく、「がん悪性転化毒性評価法」の確立を目指している。網羅的な遺伝子変動解析の結果をさらに詳細に解析し、化学物質によって誘導されるがん悪性転化関連遺伝子の同定を進め、それらを本年度作製したレポーター細胞などの評価系に活用することで、より多角的ながん悪性転化毒性評価法の確立を目指す。

公開日・更新日

公開日
2024-12-05
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2024-12-05
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202323050Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
2,362,000円
(2)補助金確定額
2,362,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 1,224,218円
人件費・謝金 0円
旅費 113,760円
その他 480,022円
間接経費 544,000円
合計 2,362,000円

備考

備考
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公開日・更新日

公開日
2025-09-04
更新日
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