神経変性疾患の原因となるプリオン様蛋白の家畜における発現分布および生物種間伝達の調査研究

文献情報

文献番号
202323047A
報告書区分
総括
研究課題名
神経変性疾患の原因となるプリオン様蛋白の家畜における発現分布および生物種間伝達の調査研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
22KA3003
研究年度
令和5(2023)年度
研究代表者(所属機関)
Chambers James(チェンバーズ ジェームズ)(国立大学法人東京大学 大学院農学生命科学研究科獣医学専攻)
研究分担者(所属機関)
  • 内田 和幸(東京大学大学院 農学生命科学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安全確保推進研究
研究開始年度
令和4(2022)年度
研究終了予定年度
令和6(2024)年度
研究費
2,040,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

概要版(繰越課題)
研究の目的:神経変性疾患では特定の蛋白が神経組織に蓄積し、進行性に神経細胞が脱落する。これまでにアルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症の患者の神経組織においてβ-amyloid(Aβ)、Tau、α-synuclein(αsyn)、TDP-43等の蓄積蛋白が同定されている。これらの蛋白はプリオンのように神経組織内で伝播することが示されており、患者の組織から抽出した蛋白を腸(マウス)または脳(マウス、サル)に接種することにより、それぞれ疾患特異的な蛋白が固体間で伝達することが近年確認された。また、申請者はヒト型Tauを過剰発現するマウスの脳を解析し、Tauの蓄積とともにαsynが蓄積することを明らかにした。すなわち、ヒト型Tauがseedとなり、マウス型αsynが蓄積する可能性が示唆された。これらのことから、動物に由来する蛋白をseedとしてヒトの蛋白が蓄積する可能性が考えられるため、食肉を介して神経変性疾患の原因蛋白を摂取するリスクを評価する必要性がある。そこで本研究は、食の安全性をふまえて以下の課題を明らかにすることを目的とした。
① 神経変性疾患の原因となるプリオン様蛋白が食肉となる家畜の組織に存在するのか
② 異なる種類のプリオン様蛋白が神経組織において伝播するのか
③ 動物種間でプリオン様蛋白が伝達するのか

研究結果の概要:本年度(3年計画2年目)は、昨年度の研究において中枢神経組織に蛋白の異常蓄積が認められた動物の末梢神経を解析した。その結果、末梢神経には蛋白の異常蓄積は認められなかった。したがって、中枢神経系を除く組織については家畜肉を摂食することによるプリオン様蛋白の伝達リスクは小さいと考えられた。次に、ヒト型Tau蛋白を過剰発現するモデルマウスにおけるマウス蛋白の蓄積を調べたところ、ヒト型Tauの蓄積に相関してマウス型α-synucleinおよびTDP43が脳に異常蓄積することが分かった。すなわち、異種蛋白の凝集物が他の蛋白の凝集を促進することが実験的に明らかになった。異種蛋白の凝集物が他の蛋白の凝集を促進するメカニズムについては不明であるため、次年度はこのメカニズムを解析し、異種蛋白によるcross-seedingのリスクを評価する。

研究の実施経過:昨年度に実施していなかった家畜の末梢神経組織の解析を本年度に実施した。また、本年度に計画していた実験を遂行し、脳内においてヒト型蛋白の凝集物がマウス型蛋白の凝集を促進することが分かった。以上のことから、概ね計画の通りに研究が実施できている。

公開日・更新日

公開日
2024-08-29
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2024-08-29
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202323047Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
2,400,000円
(2)補助金確定額
2,400,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 1,888,046円
人件費・謝金 0円
旅費 0円
その他 239,844円
間接経費 360,000円
合計 2,487,890円

備考

備考
自己負担87,890円

公開日・更新日

公開日
2025-09-04
更新日
-