文献情報
文献番号
200936089A
報告書区分
総括
研究課題名
難治性腸管吸収機能障害に関する調査研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H21-難治・一般-034
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
渡辺 守(東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
5,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
難治性腸管吸収機能障害Microscopic Colitis(以下MC)に対し、わが国における現状・実態を調査し、発症病因や増悪因子を明らかにするとともに標準治療の確立と発症予防の追究を行う。基礎研究を通じて病因の解明をすすめ、治療法の開発、予防法の確立を図る。本症の診療に携わる医療スタッフ及び国民に正しい医療情報を伝達・普及することにより本症の国民的認知を高め、患者のQOL向上に努める。
研究方法
本研究は難治性腸疾患を専門とする全国の各施設を拠点とし、これを統合するセンターを配置した組織により遂行され、横断的基盤研究班との密接な連携のもとに、難治性腸管吸収機能障害であるMCに対して、発症・増悪に関わる因子解析により多因子疾患としての病因を明確化し、その解明を通じて難治症例に対する新しい治療法の開発を計ることを目指す。具体的には1)包括的疫学解析プロジェクト、2)臨床プロジェクト、3) 病因解明および治療応用のための基礎研究プロジェクト,4) 啓蒙・広報プロジェクトの各プロジェクト研究を遂行し、同時に各プロジェクト間の連携・統合を行うことにより目標達成に向けた研究を遂行する。
結果と考察
当初研究計画に則り、平成21年度はMCに関するわが国初の全国実態調査を実施した。難治性腸管疾患を専門とする地域中核病院に調査を依頼し、総計30施設より回答を得た。その結果、1)MCには難治・重症例が約16%存在し、働き盛りの40歳代に集中する為、著しいQOLの低下が認められた。2) MCは疾患概念が不明瞭であり、診断困難例が少なからず存在した。3) MCには13種に上る薬剤が使用され、明確で統一した治療指針が存在しなかった4) 小腸病変を伴う本邦独自の疾患カテゴリの存在の可能性が示された。病因究明を目指した基礎研究プロジェクトに於いては腸管上皮細胞機能の破綻に本疾患の本質的病因が有ると考えられ、研究代表者ら独自の腸管上皮機能解析手法を用いた病因解明研究に本年度既に着手した。
結論
本年度の研究の結果、MCは重症・難治例が存在することが確認され、なおかつ疾患に精通する専門医が少ないことが初めて明らかとなった。従って診断基準・治療指針の早急な策定の必要が明確に示された。さらに、病因に立脚した治療法の整備に向け、病因究明の為の基礎研究の必要性が浮き彫りとなったものと考えられた。
公開日・更新日
公開日
2010-05-27
更新日
-