文献情報
文献番号
199700679A
報告書区分
総括
研究課題名
高効率浄水技術開発研究
課題番号
-
研究年度
平成9(1997)年度
研究代表者(所属機関)
山村 勝美(財団法人水道技術研究センター)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生科学研究費補助金 総合的プロジェクト研究分野 健康地球研究計画推進研究事業
研究開始年度
平成9(1997)年度
研究終了予定年度
-
研究費
69,375,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
「高効率浄水技術開発研究」は水道における浄水技術の革新と高効率化の実現を最終目標として、従来の技術と比較して、? より高い汚染物質除去性能を有すること ? 処理施設の小型化・簡素化及び管理の省力化が図れること ? 信頼性がより高いこと等を「高効率浄水技術」とし、固液分離や消毒等の基本的な浄水技術を中心に、新たな技術の開発や既存技術の活用について、柔軟で新しい発想のもとに実用化を前提とした総合的な検討を行うこととする.また、処理システム全体として上記の要件を満たすような浄水技術も、本研究の対象として含め、同時に、浄水処理技術の面だけではなく、浄水場排水についても、浄水場の用地面積や業務量から見てその比重が高いだけでなく、上澄水の返送に伴う浄水処理への影響や、省エネルギー・環境保全と言った観点からも重要であり、その適切で効率的な新しい処理技術の開発をも目標とする.
研究方法
1. 研究体制
「高効率浄水技術開発研究委員会」、「高効率浄水技術開発研究調整委員会」、「研究プロジェクト委員会」、「研究グループ委員会(第1~第7研究グループ委員会)」、「文献委員会」等を設置し、適切な研究事業を推進する.
2. 合同研究の計画
千葉県水道局福増浄水場、大阪府水道部村野浄水場内の実験プラント施設を研究目標に合致した改造を行い、これらの合同実験場において、第1・第2研究グループ委員会により合同で実証研究を推進する.
3. 委託研究の実施
研究グループ委員会活動を円滑に進めるために、必要に応じて基礎的な調査を行う.
4. 文献収集リストの作成
研究グループ委員会の研究課題について、過去の実績・現状等の調査を行い、各委員会の研究目標や委員会の進め方等の資料とする.
「高効率浄水技術開発研究委員会」、「高効率浄水技術開発研究調整委員会」、「研究プロジェクト委員会」、「研究グループ委員会(第1~第7研究グループ委員会)」、「文献委員会」等を設置し、適切な研究事業を推進する.
2. 合同研究の計画
千葉県水道局福増浄水場、大阪府水道部村野浄水場内の実験プラント施設を研究目標に合致した改造を行い、これらの合同実験場において、第1・第2研究グループ委員会により合同で実証研究を推進する.
3. 委託研究の実施
研究グループ委員会活動を円滑に進めるために、必要に応じて基礎的な調査を行う.
4. 文献収集リストの作成
研究グループ委員会の研究課題について、過去の実績・現状等の調査を行い、各委員会の研究目標や委員会の進め方等の資料とする.
結果と考察
1. 委員会の設置
国立公衆衛生院、15の大学、18の水道事業体、44の民間企業等を委員として「高効率浄水技術開発研究委員会」、「高効率浄水技術開発研究調整委員会」、「研究プロジェクト委員会」、「開発研究グループ委員会」、「文献編集委員会」が立ち上がり、開発研究体制が整備された.なお、委員数は延べ270人となった.
2. 基本計画の承認
各委員会において「高効率浄水技術開発研究」基本方針が承認され、基本方針をもとに委員会活動が開始された.
3. 研究計画の立案
第1~第7研究グループ委員会において研究計画が立案された.
第1研究グループにおいては「湖沼・貯水池系原水等を対象とした高効率浄水技術の開発に関する研究」を研究テーマとして、「ろ過池の効率化に関する研究」、「沈殿池の効率化に関する研究」が研究目標とされた.
第2研究グループにおいては「河川系原水等を対象とした高効率浄水技術の開発に関する研究」を研究テーマとして、「ろ過池の効率化に関する研究」、「沈殿池の効率化に関する研究」が研究目標とされた.
第3研究グループにおいては「膜ろ過法の新分野への適用技術の開発に関する研究」を研究テーマとして、「大・中規模浄水場への膜ろ過法の適用に関する検討」、「膜ろ過法の前処理技術の検討」、「膜ろ過法における膜の洗浄(物理洗浄、薬品洗浄)に関する検討」、「超低圧ルーズRO(RO:逆浸透膜)を用いた配水過程における浄水システムの検討」、「膜ろ過法を用いた浄水処理システムのリスクアセスメント」、「災害時における移動式膜浄水施設(膜移動車)の検討」が研究目標とされた.
第4研究グループにおいては「代替消毒法の実用化技術の開発に関する研究」を研究テーマとして、「代替消毒技術の確立」、「処理対象水に応じた消毒技術の確立」、「病原性微生物に対する消毒方法の検討」が研究目標とされた.
第5研究グループにおいては「浄水場排水の高効率処理技術の開発に関する研究」を研究テーマとして、「浄水過程における添加固形物の削減」、「処理(濃縮・脱水)困難性の軽減手法」、「処分困難性の軽減化」、「浄水場排水処理の観点からの浄水処理のあり方に関する検討」が研究目標とされた.
第6研究グループにおいては「浄水施設の機能診断・機能改善手法の開発に関する研究」を研究テーマとして、「浄水場における機能診断手法の開発及びその効果的な機能改善手法の開発に関して先進的なサンプルの検討、作成」、「浄水施設の機能改善手法に関する情報の収集、分析」が研究目標とされた.
第7研究グループにおいては「浄水場における計測・制御技術の向上に関する研究」を研究テーマとして、「浄水方式に応じた最適な計測・制御システムの提案」、「新しい計測・制御システム構築の研究」、「高効率浄水技術に対する最適な計測・制御システムの提案、実用化研究」が研究目標とされた.
4. 合同実験計画
湖沼・貯水池系の合同実験場の1つとして福増浄水場内の既設実験装置を選定し、第1研究グループで検討した実験計画に基づき、高速ろ過を1つの目標として設計・製作・施工を行なった.主な内容としては、実験場の拡張工事、環境整備、カラム設備の設置を行った.
5. 合同実験場の位置づけの調査
合同実験場として使用予定である福増浄水場、村野浄水場が全国の浄水場の中で原水の水質からみて、どの程度の位置づけにあるのかの調査を行なった.福増浄水場は、湖沼系の原水を使用している浄水場の中では、ほとんどの水質項目において高い傾向がみられ、村野浄水場も河川系を原水とした浄水場の中では、ほとんどの水質項目で値が高く、本実験で得られた成果について、日本における浄水場のほとんどに適用可能であることが判った.
6. 文献調査リストの作成
研究グループ委員会において、各研究グループのテーマに応じた「高効率浄水技術」に関するキーワードを選定し、主にJICST検索を用いて過去10年間の文献タイトルリストを作成した.各研究グループの文献リスト数は第1・第2研究グループ:3,776件、第3研究グループ:368件、第7研究グループ:2,246件であった.
国立公衆衛生院、15の大学、18の水道事業体、44の民間企業等を委員として「高効率浄水技術開発研究委員会」、「高効率浄水技術開発研究調整委員会」、「研究プロジェクト委員会」、「開発研究グループ委員会」、「文献編集委員会」が立ち上がり、開発研究体制が整備された.なお、委員数は延べ270人となった.
2. 基本計画の承認
各委員会において「高効率浄水技術開発研究」基本方針が承認され、基本方針をもとに委員会活動が開始された.
3. 研究計画の立案
第1~第7研究グループ委員会において研究計画が立案された.
第1研究グループにおいては「湖沼・貯水池系原水等を対象とした高効率浄水技術の開発に関する研究」を研究テーマとして、「ろ過池の効率化に関する研究」、「沈殿池の効率化に関する研究」が研究目標とされた.
第2研究グループにおいては「河川系原水等を対象とした高効率浄水技術の開発に関する研究」を研究テーマとして、「ろ過池の効率化に関する研究」、「沈殿池の効率化に関する研究」が研究目標とされた.
第3研究グループにおいては「膜ろ過法の新分野への適用技術の開発に関する研究」を研究テーマとして、「大・中規模浄水場への膜ろ過法の適用に関する検討」、「膜ろ過法の前処理技術の検討」、「膜ろ過法における膜の洗浄(物理洗浄、薬品洗浄)に関する検討」、「超低圧ルーズRO(RO:逆浸透膜)を用いた配水過程における浄水システムの検討」、「膜ろ過法を用いた浄水処理システムのリスクアセスメント」、「災害時における移動式膜浄水施設(膜移動車)の検討」が研究目標とされた.
第4研究グループにおいては「代替消毒法の実用化技術の開発に関する研究」を研究テーマとして、「代替消毒技術の確立」、「処理対象水に応じた消毒技術の確立」、「病原性微生物に対する消毒方法の検討」が研究目標とされた.
第5研究グループにおいては「浄水場排水の高効率処理技術の開発に関する研究」を研究テーマとして、「浄水過程における添加固形物の削減」、「処理(濃縮・脱水)困難性の軽減手法」、「処分困難性の軽減化」、「浄水場排水処理の観点からの浄水処理のあり方に関する検討」が研究目標とされた.
第6研究グループにおいては「浄水施設の機能診断・機能改善手法の開発に関する研究」を研究テーマとして、「浄水場における機能診断手法の開発及びその効果的な機能改善手法の開発に関して先進的なサンプルの検討、作成」、「浄水施設の機能改善手法に関する情報の収集、分析」が研究目標とされた.
第7研究グループにおいては「浄水場における計測・制御技術の向上に関する研究」を研究テーマとして、「浄水方式に応じた最適な計測・制御システムの提案」、「新しい計測・制御システム構築の研究」、「高効率浄水技術に対する最適な計測・制御システムの提案、実用化研究」が研究目標とされた.
4. 合同実験計画
湖沼・貯水池系の合同実験場の1つとして福増浄水場内の既設実験装置を選定し、第1研究グループで検討した実験計画に基づき、高速ろ過を1つの目標として設計・製作・施工を行なった.主な内容としては、実験場の拡張工事、環境整備、カラム設備の設置を行った.
5. 合同実験場の位置づけの調査
合同実験場として使用予定である福増浄水場、村野浄水場が全国の浄水場の中で原水の水質からみて、どの程度の位置づけにあるのかの調査を行なった.福増浄水場は、湖沼系の原水を使用している浄水場の中では、ほとんどの水質項目において高い傾向がみられ、村野浄水場も河川系を原水とした浄水場の中では、ほとんどの水質項目で値が高く、本実験で得られた成果について、日本における浄水場のほとんどに適用可能であることが判った.
6. 文献調査リストの作成
研究グループ委員会において、各研究グループのテーマに応じた「高効率浄水技術」に関するキーワードを選定し、主にJICST検索を用いて過去10年間の文献タイトルリストを作成した.各研究グループの文献リスト数は第1・第2研究グループ:3,776件、第3研究グループ:368件、第7研究グループ:2,246件であった.
結論
5ヵ年計画の初年度として、基本方針の承認、各研究グループの研究計画の立案、福増合同実験場の改造工事、水道統計を用いた福増浄水場及び村野浄水場の原水基礎調査、文献調査リストの作成を行った.
公開日・更新日
公開日
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更新日
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