文献情報
文献番号
200936064A
報告書区分
総括
研究課題名
生体試料等の収集に関する研究(難治性疾患克服のための組織バンクの研究)
研究課題名(英字)
-
課題番号
H21-難治・一般-009
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
矢澤 生(国立長寿医療センター 研究資源有効利用室)
研究分担者(所属機関)
- 橋詰 良夫(愛知医科大学加齢科学研究所 神経病理学教授)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
5,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究では難治性疾患克服をめざして病理解剖組織を含む生体試料等の収集に関する研究を実施した。難治性疾患として非遺伝性神経変性疾患の多系統萎縮症(MSA)と遺伝性の歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)を具体例として、病理組織収集における問題点や課題を明確にし、今後の難治性疾患克服研究における病理組織収集のあり方を検討した。さらに、収集した組織を活用して神経変性に対する根本的な治療法開発に関する研究を行った。
研究方法
国立長寿医療センター及び愛知医科大学加齢医科学研究所において実施された病理組織収集を検討した。難治性疾患としてMSAとDRPLAの2疾患について、2施設の病理組織保存数や症例について比較検討した。さらに、病理組織研究から明らかになった研究成果を用いて疾患モデル動物などに応用し、難治性疾患の治療法開発に関する研究を実施した。
結果と考察
病理解剖由来の脳組織等の病理組織を検討する際に、我が国固有の法律である死体解剖保存法を遵守に基づく、病理組織の収集及び活用研究の実施における課題が明らかになった。今日、病理解剖件数は減少にあり、病理解剖から得られる病理組織は貴重な研究資源である。我が国には研究資源の確保のための組織バンクを有する施設が少なく整備が遅れ、病理組織は死体の一部であり、研究資源とする活用研究には課題がある。第1に組織バンクが整備されても組織バンク間で資源収集方法や収集成果にばらつきが多いため、集約的な研究を実施するには組織バンク間の連携のネットワークが必要であるが、各組織バンクが孤立し組織的取り組みが少ない。国立長寿医療センター組織バンクでは病理組織資源を国の財産と位置づけ収集した。第2の課題は活用研究の意義である。組織バンクの資源が有効に活用され国民へ還元されている事実を明確に情報公開しなければ、病理解剖や組織提供は進まない。本研究の成果は神経変性の治療法開発として明確に国民へ伝えた。
結論
病理組織は難治性疾患の発病機序解析の重要な手がかりとなるだけでなく、治療法開発において重要な研究資源である。特に、難治性の神経変性疾患において中枢神経系病理組織は神経変性に対する根本的治療法開発の研究資源となる。本研究では脳組織などの研究資源を有効に活用する研究を実施することによりMSAにおける神経変性に対する根本的な治療法開発を試験管レベルからモデル動物個体へと展開した。
公開日・更新日
公開日
2010-04-12
更新日
-