文献情報
文献番号
202321066A
報告書区分
総括
研究課題名
歯科技工における多職種連携の有効性に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
23IA2004
研究年度
令和5(2023)年度
研究代表者(所属機関)
窪木 拓男(岡山大学 学術研究院医歯薬学域)
研究分担者(所属機関)
- 赤川 安正(昭和大学 学長室)
- 大島 克郎(日本歯科大学東京短期大学)
- 北村 知昭(九州歯科大学 歯学部)
- 志賀 博(日本歯科大学 生命歯学部 歯科補綴学第1講座)
- 高橋 英和(東京医科歯科大学 歯学部)
- 田地 豪(広島大学大学院 医系科学研究科 口腔生物工学研究室)
- 横山 敦郎(北海道大学 大学院歯学研究科 )
- 水口 一(岡山大学 岡山大学病院 歯科・口腔インプラント科部門)
- 野崎 一徳(大阪大学 歯学部附属病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
令和5(2023)年度
研究終了予定年度
令和6(2024)年度
研究費
1,950,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究では、これまでの研究結果を元に、歯科技工士が診療室のチェアサイド等で実施することが望まれる業務内容について、従来通り、歯科技工指示書のみによって歯科医師と連携した場合と歯科医師と対面で意見交換を行い実施した場合について、患者の満足度を評価するとともに、歯科技工士がチェアサイドで歯科医師及び歯科衛生士と密に連携をとって業務を行っている事例を収集しその内容を分析することとしている。また、これまでの研究において、歯科技工士が診療室のチェアサイド等で実施することが望まれる業務内容を教育するにあたっての課題を抽出しているが、本研究では、その課題を踏まえて、具体的な教育の方法について検討し、提言をとりまとめる予定である。
研究方法
1. 業務・教育内容検討WG
歯科技工業務の範囲拡大等に伴い必要とされる教育内容について、具体的な教育方法を検討するため、新たに教育内容記入シート(表1)を作成、候補となる11の行為ごとに、必要な教育形態・時間・場所や制度などの項目について検討する。
2.業務連携検討WG
本WGの研究の目的は、歯科技工士が診療室のチェアサイド等で実施することが望まれる業務内容に関して、従来通り歯科技工指示書のみで歯科医師と連携して実施した場合と、歯科医師と対面で意見交換を行い実施した場合とで患者の満足度がどう異なるかを評価する(患者満足度調査)とともに、歯科技工士がチェアサイドで歯科医師及び歯科衛生士と密に連携をとって業務を行っている事例を収集してその内容を分析する(連携業務調査)。
歯科技工業務の範囲拡大等に伴い必要とされる教育内容について、具体的な教育方法を検討するため、新たに教育内容記入シート(表1)を作成、候補となる11の行為ごとに、必要な教育形態・時間・場所や制度などの項目について検討する。
2.業務連携検討WG
本WGの研究の目的は、歯科技工士が診療室のチェアサイド等で実施することが望まれる業務内容に関して、従来通り歯科技工指示書のみで歯科医師と連携して実施した場合と、歯科医師と対面で意見交換を行い実施した場合とで患者の満足度がどう異なるかを評価する(患者満足度調査)とともに、歯科技工士がチェアサイドで歯科医師及び歯科衛生士と密に連携をとって業務を行っている事例を収集してその内容を分析する(連携業務調査)。
結果と考察
業務・教育内容検討WG
歯科技工業務の範囲拡大等に伴い必要とされる教育内容について、具体的な教育方法の検討を行った。その結果、「候補となる行為」ごとに、必要と考える教育方法を明らかにできた。
業務連携検討WG
1)患者満足度調査
有床義歯の人工歯選択(色調、大きさ、形態)、有床義歯の修理(全体、装着感、咬合状態)、歯冠修復の色調と歯冠形態の各満足度は、いずれの項目においても対面のほうが指示書よりも高かった。これらの結果は、指示書のみで歯科技工業務を行うよりも対面での意見交換後に歯科技工業務を行う必要があることを示していると考えられる。
対面での意見交換を行った歯科技工士は、院内歯科技工士と院外歯科技工士の場合があったので、『対面(院内)』と『対面(院外)』を区別して分析してみたところ、各満足度は、『対面(院内)』が最も高く、『対面(院外)』、指示書の順となった。また、『対面(院内)』の満足度は、有床義歯の人工歯選択の「大きさ」と「形態」では3.89、有床義歯の修理の「全体」と「咬合状態」では3.85、歯冠修復の「歯冠形態」では3.92と高く、「満足」と回答した割合も85%以上と高かった。さらに、有床義歯の修理の満足度調査では、「やや不満」、「不満」と回答した割合が、対面では0%であったが、指示書では、3.3%~6.6%みられた。
2)連携業務調査
歯科医師と密に連絡をとっている歯科技工士を対象に連携業務事例についてのヒアリングを行った結果、歯科技工士が歯科医師と連携している業務事例は、治療計画の立案、歯冠修復治療の色調選択・形態修正、有床義歯の咬合採得・試適・調整・修理、咬合平面の設定、部分床義歯の設計、インプラントの埋入位置と多岐にわたることが明らかになった。また、連携の理由として、「模型上ではわからない情報を得ながら作業ができる」、「患者の意向を技工物に反映できる」、「歯科医師との直接的な意見交換ができる」、「技工物製作の可不可、設計変更の有無の意見交換ができる」、などのコメントを得ることができた。
歯科技工業務の範囲拡大等に伴い必要とされる教育内容について、具体的な教育方法の検討を行った。その結果、「候補となる行為」ごとに、必要と考える教育方法を明らかにできた。
業務連携検討WG
1)患者満足度調査
有床義歯の人工歯選択(色調、大きさ、形態)、有床義歯の修理(全体、装着感、咬合状態)、歯冠修復の色調と歯冠形態の各満足度は、いずれの項目においても対面のほうが指示書よりも高かった。これらの結果は、指示書のみで歯科技工業務を行うよりも対面での意見交換後に歯科技工業務を行う必要があることを示していると考えられる。
対面での意見交換を行った歯科技工士は、院内歯科技工士と院外歯科技工士の場合があったので、『対面(院内)』と『対面(院外)』を区別して分析してみたところ、各満足度は、『対面(院内)』が最も高く、『対面(院外)』、指示書の順となった。また、『対面(院内)』の満足度は、有床義歯の人工歯選択の「大きさ」と「形態」では3.89、有床義歯の修理の「全体」と「咬合状態」では3.85、歯冠修復の「歯冠形態」では3.92と高く、「満足」と回答した割合も85%以上と高かった。さらに、有床義歯の修理の満足度調査では、「やや不満」、「不満」と回答した割合が、対面では0%であったが、指示書では、3.3%~6.6%みられた。
2)連携業務調査
歯科医師と密に連絡をとっている歯科技工士を対象に連携業務事例についてのヒアリングを行った結果、歯科技工士が歯科医師と連携している業務事例は、治療計画の立案、歯冠修復治療の色調選択・形態修正、有床義歯の咬合採得・試適・調整・修理、咬合平面の設定、部分床義歯の設計、インプラントの埋入位置と多岐にわたることが明らかになった。また、連携の理由として、「模型上ではわからない情報を得ながら作業ができる」、「患者の意向を技工物に反映できる」、「歯科医師との直接的な意見交換ができる」、「技工物製作の可不可、設計変更の有無の意見交換ができる」、などのコメントを得ることができた。
結論
業務・教育内容検討WG
すべての行為を、卒前に現在の養成施設で教育することは困難であるため、動画コンテンツの活用やオンデマンド配信、卒後研修コースの設定など、DXを用いたスマートな工夫が必要であると考えられた。
業務連携検討WG
1)患者満足度調査
これらの結果は、対面での意見交換を行う場合、院内歯科技工士のほうが院外歯科技工士に比べて歯科医師との十分な意見交換を行うことが可能な環境にあることによるものと推測できる。なお、院外歯科技工士との意見交換を行った場合のほうが指示書のみの場合よりも満足度が高い傾向を示したことから、歯科医師と歯科技工士との対面での意見交換は必要であることも示している。これらの結果は、院外歯科技工士が歯科医師と十分な意見交換が行える環境整備が必要であることを示しているとも考えられる。
2)連携業務調査
以上より、良質な歯科医療の遂行には、歯科医師と歯科技工士との連携が必要であることを示しているものと考えられる。また、歯科医師と歯科技工士の密な連携が患者の満足度を高めることを明らかにした患者満足度調査の結果を裏付けるものであるといえる。
すべての行為を、卒前に現在の養成施設で教育することは困難であるため、動画コンテンツの活用やオンデマンド配信、卒後研修コースの設定など、DXを用いたスマートな工夫が必要であると考えられた。
業務連携検討WG
1)患者満足度調査
これらの結果は、対面での意見交換を行う場合、院内歯科技工士のほうが院外歯科技工士に比べて歯科医師との十分な意見交換を行うことが可能な環境にあることによるものと推測できる。なお、院外歯科技工士との意見交換を行った場合のほうが指示書のみの場合よりも満足度が高い傾向を示したことから、歯科医師と歯科技工士との対面での意見交換は必要であることも示している。これらの結果は、院外歯科技工士が歯科医師と十分な意見交換が行える環境整備が必要であることを示しているとも考えられる。
2)連携業務調査
以上より、良質な歯科医療の遂行には、歯科医師と歯科技工士との連携が必要であることを示しているものと考えられる。また、歯科医師と歯科技工士の密な連携が患者の満足度を高めることを明らかにした患者満足度調査の結果を裏付けるものであるといえる。
公開日・更新日
公開日
2024-06-13
更新日
-