国内医療機器産業の業界支援に関する研究

文献情報

文献番号
202321051A
報告書区分
総括
研究課題名
国内医療機器産業の業界支援に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
21IA2016
研究年度
令和5(2023)年度
研究代表者(所属機関)
中野 壮陛(公益財団法人医療機器センター 医療機器産業研究所)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
令和3(2021)年度
研究終了予定年度
令和5(2023)年度
研究費
2,480,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では日本から画期的な医療機器が数多く実用化されるための環境のあり方をテーマとし、基本計画において対応すべき施策について提言を行う。
研究方法
研究3年度(令和5年度)には引き続き調査研究を行うとともに、前年度に検討したKPIの試行的な測定を継続して実施し、国内の医療機器開発力の更なる強化が必要な領域の同定や臨床ニーズに基づく医療機器開発を効率的に行うための方策の提言を行った。はじめに、薬事工業生産動態統計、医療機器産業実態調査、薬事承認情報、日本医療研究開発機構(AMED)研究開発支援情報、特許出願動向調査(特許庁)、海外マーケットレポートなどを用いて医療機器産業に関する最新動向を把握した。それらを踏まえ、昨年度に検討した第二期基本計画を推進するにあたって必要となるKPIの見直しの必要性等を検討した。検討にあたっては、日本医療機器産業連合会(医機連)の産業界関係者、厚生労働省、経済産業省、文部科学省、AMEDなど行政関係者にもオブザーバとして参加頂きながら、基本計画の進捗評価のあり方に関する議論を行った。
結果と考察
第二期基本計画の各ゴールに対して、それぞれ11のKPI案を昨年度検討し、直接的に測定可能なKPIについては、測定方法に関する検討まで行い、直接的に測定可能なKPI以外については、当該事業のフォローアップ報告を当該事業の実施主体が行うこととした。
直接的に測定可能なKPIについては、昨年度に引き続き本年度も試行的に測定まで実施した。実施においては、昨年度の項目に次の2点を加えることとした。
一つ目は、人材育成研修の実績等に、今後の人材育成研修に関する企画立案に資する評価項目をねらいとして本年度から新たに受講者の満足度を調査の上、測定項目として追加した。二つ目は、採択以後どの程度研究開発が進んでいるのかについて、即ち個別課題のステージアップ状況についてを捉えることをねらいとし、AMED事業の採択件数、助成額に、本年度から新たにAMED医療機器の研究開発マネジメント、ステージゲートを利用し、採択時のステージと現在のステージを調査の上、測定項目として追加した。
これらの測定結果については、令和6年3月12日に開催された厚生労働省「国民が受ける医療の質の向上のための医療機器の研究開発及び普及の促進に関する検討会」にて報告した。
基本計画においては「国際展開の推進」も重要な取り組みとされている。その観点においては、医療機器の開発拠点の整備に関し、「医療機器に関し、国際共同治験の基盤構築(海外の臨床研究・治験ネットワークの構築)」の状況に着目したいが、企業との共同研究実施や国内の他拠点との連携などは十分に行われているものの、2回の試行的測定結果からは、国際共同治験に関する基盤構築などは全く取り組まれていないことが明らかとなった。
この点については、現時点のAMED拠点事業の実施項目には国際共同治験に関する基盤構築が明確には含まれていないため、各拠点でも実施していない可能性と試行的な測定の事業範囲に、厚生労働省「アジア地域における臨床研究・治験ネットワークの構築事業」などが含まれていないことであり、今後測定方法や範囲をさらに検討していくことで解消していく可能性が考えられ、今後に基本計画と各事業の連携がよりなされることが望まれると考えられた。
AMED医療機器の研究開発マネジメント、ステージゲートを利用し、どの程度研究開発が進んでいるのかについての可視化に関する取り組みは、各ステージ間のステージアップを同一の値で一意に取り扱って良いかは疑問であり、当該項目をKPIの一つとして設置すべきかについては、更なる検討が必要であると考えられた。
今後に第三期基本計画を検討していく際に、同時にKPIを検討するのであれば、本調査研究において提示しているKPIのように、基本計画の実施状況を評価する「国民が受ける医療の質の向上のための医療機器の研究開発及び普及の促進に関する検討会」が押さえておきたいポイントをKPIとして設定することが妥当ではないかと考えられた。
結論
本研究においては、第二期基本計画において対応すべき施策について、諸外国の研究開発等の動向を把握するとともに、KPI候補を試行的に継続測定し、それらを通して日本から画期的な医療機器が数多く実用化されるための環境のあり方を検討した。

公開日・更新日

公開日
2024-05-31
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2024-05-31
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
202321051B
報告書区分
総合
研究課題名
国内医療機器産業の業界支援に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
21IA2016
研究年度
令和5(2023)年度
研究代表者(所属機関)
中野 壮陛(公益財団法人医療機器センター 医療機器産業研究所)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
令和3(2021)年度
研究終了予定年度
令和5(2023)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では日本から画期的な医療機器が数多く実用化されるための環境のあり方をテーマとし、基本計画において対応すべき施策について提言を行う。
研究方法
本初年度(令和3年度)は、第二期基本計画における医療機器開発の方向性を指し示す重点5分野の検討を行い、検討結果は第二期基本計画に反映された。研究2年度(令和4年度)は初年度に検討した重点5分野を踏まえ、重点5分野を中心に広く世界各国における当該分野の研究開発等を行うとともに、第二期基本計画を推進するにあたって必要となるKPI(Key Performance Indicator;重要業績評価指標)の考え方について検討を行った。研究3年度(令和5年度)には引き続き調査研究を行うとともに、前年度に検討したKPIの試行的な測定を継続して実施し、国内の医療機器開発力の更なる強化が必要な領域の同定や臨床ニーズに基づく医療機器開発を効率的に行うための方策の提言を行った。本研究では第二期医療機器基本計画における重点5分野の検討を行い、重点5分野を中心に広く諸外国の研究開発等の動向を把握するとともに、KPI候補の検討及び2年度にわたり試行的測定を行い、それらを通して日本から画期的な医療機器が数多く実用化されるための環境のあり方を検討した。具体的には、第二期医療機器基本計画における重点5分野の検討、基本計画を推進するにあたって必要となるKPIのあり方の検討、および直接的に測定可能なKPIの試行的測定を行った。
結果と考察
第二期医療機器基本計画における重点5分野の検討においては、厚生労働省の医療機器基本計画改定案策定タスクフォースの議論と連携することが重要であるため、検討方法の原案検討を先に行ったうえで、第4回タスクフォース(令和3年9月21日)にて検討方針の事前確認を行い、その後検討を行った。次期重点5分野の策定方式としては、第一期のシーズプッシュ型から次期となる第二期は課題解決型を軸に整理することとした。すなわち、第一期は市場や競争力から医療機器を選定する方針であったが、第二期は今後の社会的課題を解決するための医療機器やシステムの考え方を選定する方針へ変更することとした。その結果、今後10年程度に対応すべき社会課題の大項目としては、①健康寿命の延伸、②医療・福祉サービス改革、③医療安全保障の確立として、それぞれに小項目として3つずつの事項を設定した。その上で、次期重点5分野として、「課題解決に資する重点分野」を5つ設定するとともに、「重点分野を支える重要プラットフォーム」を3つ設定することとし、それらを併せて「今後5年間において集中的に取り組む必要がある分野」とすることとした。
基本計画を推進するにあたって必要となるKPIのあり方の検討においては、基本計画を推進するにあたって必要となるKPIを検討するため、はじめに、薬事工業生産動態統計、医療機器産業実態調査(売上高、利益率、研究開発費等)、薬事承認情報、日本医療研究開発機構(AMED)研究開発支援情報、国際関係として、PubMed、特許出願動向調査(特許庁)、海外マーケットレポートなどを用いて医療機器産業に関する最新動向を把握した。第二期基本計画の各ゴールに対して、それぞれ11のKPI案を検討し、直接的に測定可能なKPIについては、測定方法に関する検討まで行い、直接的に測定可能なKPI以外については、当該事業のフォローアップ報告を当該事業の実施主体が行うこととした。
直接的に測定可能なKPIの試行的測定については、KPI案及び測定方法を踏まえ、令和4年度、令和5年度にて試行的に測定まで実施した。直接的に測定可能なKPIとしては、「人材育成研修の実績及び当該研修受講者の満足度」、「医機連加盟団体へのベンチャー企業及び異業種企業の参加状況」、「拠点における企業との共同研究数、大学間の共同研究数」、「事業における採択件数・助成額等」、「医機連加盟団体への参加企業のうち、国際展開している企業数」を設定し、AMED、医機連の協力を得て、試行的に測定した。令和5年度の試行的測定にあたっては、人材育成研修の実績等に、新たに受講者の満足度を調査の上、測定項目として追加し、また、AMED医療機器の研究開発マネジメント、ステージゲートを利用し、採択時のステージと現在のステージを調査の上、測定項目として追加して実施した。
結論
本研究においては、第二期基本計画において対応すべき施策について、諸外国の研究開発等の動向を把握するとともに、KPI候補を試行的に継続測定し、それらを通して日本から画期的な医療機器が数多く実用化されるための環境のあり方を検討した。

公開日・更新日

公開日
2024-05-31
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
202321051C

成果

専門的・学術的観点からの成果
AMED研究開発案件の推進状況調査において、新たにAMED医療機器の研究開発マネジメント、ステージゲートを利用し、採択時のステージと現在のステージを測定項目として追加したことで、開発ステージの移行状況、上市の割合の達成度などの可視化に成功した。これにより研究開発支援事業に関する中間評価や事後評価により客観性を持たせることが可能となるため、今後のより一層の効果的な研究開発支援策の立案が可能となった。
臨床的観点からの成果
特になし
ガイドライン等の開発
特になし
その他行政的観点からの成果
医療機器基本計画において今後策定すべきKPI候補の検討及び試行的測定を行った。これらの検討結果は、令和6年3月12日に開催された厚生労働省「国民が受ける医療の質の向上のための医療機器の研究開発及び普及の促進に関する検討会」にて報告した。また、令和6年5月16日に開催された第6回医療機器・ヘルスケア開発協議会の資料として活用され、医療機器基本計画に基づく産業振興政策の議論に貢献した。
その他のインパクト
特になし

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
0件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2024-06-19
更新日
-

収支報告書

文献番号
202321051Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
3,223,000円
(2)補助金確定額
3,223,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 2,158,715円
人件費・謝金 50,400円
旅費 0円
その他 270,885円
間接経費 743,000円
合計 3,223,000円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2025-05-23
更新日
-