文献情報
文献番号
202321037A
報告書区分
総括
研究課題名
公的に標準化された医療情報を活用した感染症流行状況と一般診療状況を把握するための分析手法の開発および評価方法に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
23IA1015
研究年度
令和5(2023)年度
研究代表者(所属機関)
佐藤 大介(藤田医科大学 大学院医学研究科)
研究分担者(所属機関)
- 谷口 俊文(国立大学法人千葉大学 医学部附属病院・感染制御部)
- 今村 知明(公立大学法人奈良県立医科大学 医学部 公衆衛生学講座)
- 野田 龍也(公立大学法人奈良県立医科大学 医学部 公衆衛生学講座)
- 明神 大也(公立大学法人奈良県立医科大学 医学部 公衆衛生学講座)
- 高嶋 隆太(東京理科大学理工学部経営工学科)
- 伏見 清秀(国立大学法人 東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科 医療政策情報学)
- 新城 大輔(国立研究開発法人 国立成育医療研究センター 情報管理部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
令和5(2023)年度
研究終了予定年度
令和6(2024)年度
研究費
4,936,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究は、標準化された請求情報および診療情報等による新興感染症と一般診療の状況を定点的に把握する方法と、既存の分析によって得られる結果についての精度比較を行い、急性期病院における新型コロナウイルス感染症の入院患者動向および治療状況を時系列分析で可視化する目的に向け、標準型電子カルテシステムの全体構成に関する調査を行い、新たに導入される「日々レセプト」を活用する可能性について検討を行うことで、「日々レセプト」を用いた新興感染症の動向と一般診療への影響を把握するためのスキーム作成し提案することを目的とする。
研究方法
本研究では、分担研究者の明神らにより、新興感染症の動向と一般診療への影響を把握するためのスキームの検討を行うことで既存資料等から情報収集方式に関するロジックを整理するとともに、医療機関へのヒアリングを通じてレセプト請求の実情を明らかにした。また、分担研究者の新城らにより、我が国における公的に標準化された医療情報のひとつであるDPCデータベースを用いて、新興感染症であるCOVID-19を対象に、2019年度~2022年度におけるデータ分析を実施し、当該手法論の開発可能性を検討することで、公的に標準化された医療情報を用いた感染症流行状況・診療状況の把握が可能であることを示す。
結果と考察
本研究の結果、行政機関や審査支払機関、医療機関の負担を鑑みた情報収集スキームを提案したことで、収集方法によって医療現場や公的機関の費用負担や普及推進の効果が異なることが予見され、要件の精緻化に向けた具体的な検討課題を整理することが達成された。また、DPCデータを利用し、COVID-19を対象としたデータ処理・集計・可視化は一定の精度で実施可能であったが、即時性の観点からは入院期間およびデータ提出までの期間に関する課題が明らかとなった。
結論
こうした情報収集スキームおよび即自的データ分析の両面から、どの程度の収集頻度およびデータ量を用いることで、医療現場の負担を最小限に抑え、かつ最も効率的に新興感染症と一般診療の状況を定点的に把握する方法が実現可能かについての一定の方向性を得ることが達成された。
公開日・更新日
公開日
2024-06-18
更新日
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