文献情報
研究課題名
美容医療における医療安全を確保し、医療安全に係る諸制度との連携を実装して安全な美容医療のシステムを構築するための研究
研究代表者(所属機関)
朝戸 裕貴(獨協医科大学 医学部形成外科学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究報告書(概要版)
研究報告書(PDF)
研究報告書(紙媒体)
文献情報
研究課題名
美容医療における医療安全を確保し、医療安全に係る諸制度との連携を実装して安全な美容医療のシステムを構築するための研究
研究代表者(所属機関)
朝戸 裕貴(獨協医科大学 医学部形成外科学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究報告書(概要版)
研究報告書(PDF)
研究報告書(紙媒体)
行政効果報告
成果
専門的・学術的観点からの成果
美容医療に関係する5つの学会等の4,201施設を対象に、令和5年7月から12月までの期間に国内で行われた美容医療に関する有害事象の前向き調査を行った。また同時期に先行研究の結果令和4年に刊行に至った美容医療診療指針を、医師がどのように活用しているかのアンケート調査を行った。また医療安全に関するビデオ講習を作成・公開した。このことはわが国における美容医療の医療安全向上に寄与するものである。
臨床的観点からの成果
有害事象調査では異物肉芽腫やしこり形成がもっとも多く、次いで形態の左右差や、開瞼・閉瞼障害が多く報告された。出血多量や敗血症など重篤な合併症や、国内未承認の医薬品・材料に起因する合併症の報告もあった。診療指針活用調査では診療指針の内容は高く評価されているが、診療指針自体の認知度をさらに高める必要性が明らかとなった。医療安全のビデオ講習についての評価は今後明らかになっていくものと考えられる。
ガイドライン等の開発
先行研究の結果である「美容医療診療指針(令和3年度改訂版)」を令和4年10月に完成、刊行した。今回の研究では発刊後9か月を経て、診療指針がどのように活用されているか調査を行っている。参考になったCQは日光黒子(老人性色素斑)、肝斑、後天性真皮メラノサイトーシス、次いでシワ、タルミに対するHIFU(High Intensity Focused Ultrasound)やヒアルロン酸の適応、脱毛であった。指針を読んだすべての回答者から「他の医師や医療機関に勧められる」と評価が得られた。
その他行政的観点からの成果
美容医療に関連する5団体等の協力のもとに、先行研究から続いている美容医療の有害事象調査や、診療指針の改訂などを引き続き行っていくことによって、安心安全な美容医療体制の構築に寄与できるものと考えられる。また、本研究の講習ビデオによって、医療者らに対して、医療事故情報収集等事業への報告や、患者に対する医療安全支援センターなどの相談先の紹介等を周知する一助になると考えられる。
特許
主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)
収支報告書
支出
研究費 (内訳) |
直接研究費 |
物品費 |
656,846円 |
人件費・謝金 |
427,185円 |
旅費 |
49,300円 |
その他 |
586,460円 |
間接経費 |
593,000円 |
合計 |
2,312,791円 |
備考
備考
① 物品費、人件費・謝金が交付決定額より増額した理由
物品費:当初有害事象調査と診療指針活用調査において必要と考えられていた物品費以外に、ビデオ講習作成および編集を担当する分担研究者間で共有するためにメモリーメディア等の物品費を増額する必要があった。
人件費・謝金:有害事象活用調査を開始するためにwebページの改変について、委託会社との連絡等のために人件費を当初よりも増額する必要があった。
② 旅費、委託費が交付決定額より減額した理由
旅費:Covid-19の影響もあり、対面での班会議は行わずWEB会議にて行ったため、当初想定していた金額よりも減額した。
委託費:有害事象調査および診療指針活用調査の調査期間が短縮されたこと、ならびに有害事象調査を従来のwebページの部分的修正によって行うことができたため、委託費が当初予定よりも減額した。