文献情報
文献番号
200936014A
報告書区分
総括
研究課題名
ベーチェット病に関する調査研究
課題番号
H20-難治・一般-006
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
石ヶ坪 良明(横浜市立大学 大学院医学研究科 病態免疫制御内科学)
研究分担者(所属機関)
- 大野 重昭(北海道大学 大学院医学研究科 視覚器病学分野)
- 猪子 英俊(東海大学 医学部分子生命学系 遺伝部門)
- 岩渕 和也(北海道大学 遺伝子病制御研究所、病態研究部門免疫生物分野)
- 鈴木 登(聖マリアンナ医科大学 免疫・病害動物学)
- 磯貝 恵美子(北海道医療大学 歯学部 口腔衛生学)
- 桑名 正隆(慶應義塾大学 医学部 内科学)
- 水木 信久(横浜市立大学 大学院医学研究科 視覚器病態学)
- 太田 正穂(信州大学 医学部 法医学教室)
- 広畑 俊成(北里大学 医学部 膠原病・感染内科学)
- 黒沢 美智子(順天堂大学 医学部 衛生学教室)
- 内藤 真理子(名古屋大学 大学院医学系研究科予防医学)
- 新見 正則(帝京大学 医学部 外科)
- 蕪城 俊克(東京大学 大学院医学系研究科 外科学専攻眼科学)
- 後藤 浩(東京医科大学 眼科学)
- 中村 晃一郎(埼玉医科大学 皮膚科)
- 岳野 光洋(横浜市立大学 大学院医学研究科 病態免疫制御内科学 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
37,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
ベーチェット病(BD)の病因・病態の解明と治療指針確立のための診療ガイドラインを作成する。
研究方法
眼病変および腸管、神経、血管など特殊型診療ガイドラインの作成については、班員からなるワーキンググループ、班会議にて検討した。特に、腸管型の診療ガイドライン(平成21年度案)は、難治性炎症性腸管障害班の協力のもとに全国約50施設の専門医師からの意見も参照にした。
結果と考察
各病型別の診療ガイドラインのうち腸管型は案を公開し、眼病変は来年度完成予定である。神経型は診断の基準を確立し、血管型は外部評価の準備を進めている。また、腸管型に対するインフリキシマブ治療や血管型の病型解析に関する二次調査を施行した。さらに、臨床調査個人票を改定し、診断基準を一部見直した。遺伝素因に関してはSNPを用いたGWASによりHLA以外にIL-10、IL-23Rなどの疾患感受性遺伝子を同定し、米国、トルコとの国際共同研究によりその普遍性を検証した。また、従来のマイクロサテライト法により同定したTRIM、ROBO1などの候補遺伝子についても疾患との関連の解析を進めた。病態に関してはTh17細胞を中心とした自己免疫疾患の側面とともに、pyrin会合蛋白の解析など自己炎症の側面についても解析を進めている。さらに、実験モデルEAUを用いた解析ではDHMEQ、TNF-α抗体の硝子体内投与など前臨床段階の検討を進めている。昨年開設したホームページに、班会議報告、学会レポートなどを通じて、新しい情報を提供しているが、患者さんからも多くの質問が寄せられている。
結論
1. 各診療ガイドラインの作成が進んでいる。一部は案を公開した。特殊病型の大規模疫学調査、腸管型、血管型の二次調査を行い、データ解析中である。
2.臨床調査個人票、厚生労働省診断基準を改定した。
3.SNPによるGWASで免疫異常にかかわる2遺伝子を疾患感受性遺伝子として同定したほか、他の疾患感受性候補遺伝子についても引き続き解析し、国際共同研究で人種間の比較検討を行う
4.自己免疫疾患の側面としてTh17の関与が示唆されるとともに、自己炎症の側面についても検討を要する。
5.実験モデルEAUを用いた解析では、DHMEQ 、TNF-α抗体の硝子体内投与などが有望と思われた。
6.ホームページの運営が軌道にのり、多くの患者さんの質問・相談が寄せられ、これらに回答した。
2.臨床調査個人票、厚生労働省診断基準を改定した。
3.SNPによるGWASで免疫異常にかかわる2遺伝子を疾患感受性遺伝子として同定したほか、他の疾患感受性候補遺伝子についても引き続き解析し、国際共同研究で人種間の比較検討を行う
4.自己免疫疾患の側面としてTh17の関与が示唆されるとともに、自己炎症の側面についても検討を要する。
5.実験モデルEAUを用いた解析では、DHMEQ 、TNF-α抗体の硝子体内投与などが有望と思われた。
6.ホームページの運営が軌道にのり、多くの患者さんの質問・相談が寄せられ、これらに回答した。
公開日・更新日
公開日
2010-05-13
更新日
-