文献情報
文献番号
202320008A
報告書区分
総括
研究課題名
様々な生活の場における肝炎ウイルス感染者の人権への望ましい配慮に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
23HC2004
研究年度
令和5(2023)年度
研究代表者(所属機関)
八橋 弘(独立行政法人国立病院機構長崎医療センター )
研究分担者(所属機関)
- 四柳 宏(東京大学 医科学研究所 先端医療研究センター感染症分野)
- 磯田 広史(佐賀大学医学部附属病院 肝疾患センター)
- 是永 匡紹(国立研究開発法人 国立国際医療研究センター 肝炎・免疫研究センター 肝炎情報センター)
- 米澤 敦子(特定非営利活動法人東京肝臓友の会)
- 中島 康之(特定非営利活動法人東京肝臓友の会)
- 梁井 朱美(特定非営利活動法人東京肝臓友の会)
- 及川 綾子(特定非営利活動法人東京肝臓友の会)
- 浅井 文和(特定非営利活動法人日本医学ジャーナリスト協会)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 肝炎等克服政策研究
研究開始年度
令和5(2023)年度
研究終了予定年度
令和7(2025)年度
研究費
17,600,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
肝炎対策基本指針において、肝炎患者等に対する偏見や差別を解消するためには、肝炎についての正しい知識を普及し、肝炎患者等の人権を尊重するためにはどのようにふるまうべきかを考え、学ぶことが重要であるとされている。これまで政策研究で実施された肝炎患者に対する偏見や差別に関する調査において、その実態が纏められ示されているが、それらをどのように伝え、偏見や差別を解消するための方策につなげていくかについては十分な検討がなされていない。偏見や差別の解消のために、様々な場における人権尊重の推進方策やその有効性を検証する。特に、肝炎患者と関わることが多い医療機関等においての啓発や、肝炎患者等に対する適切な配慮について学ぶことができる資材について検討する。
研究方法
1. ウイルス肝炎の理解度クイズと偏見差別を防止するための事例/解説を内容とする研究班ホームページの充実をはかる。
2. 偏見差別の地域差を考慮した上での公開シンポジウムと肝炎講義を実施する。
3. 医療従事者(非専門医/歯科医を含む)を対象として、ウイルス肝炎の認知度/理解度について調査をおこなう。
4. 学校や施設などでの偏見差別の解消や防止を目指した啓発教材(動画)を作成する。
2. 偏見差別の地域差を考慮した上での公開シンポジウムと肝炎講義を実施する。
3. 医療従事者(非専門医/歯科医を含む)を対象として、ウイルス肝炎の認知度/理解度について調査をおこなう。
4. 学校や施設などでの偏見差別の解消や防止を目指した啓発教材(動画)を作成する。
結果と考察
1. 研究班ホームページは、研究班の紹介、偏見差別を防止するための事例集・解説集の紹介、ウイルス肝炎の感染経路や感染する確率についての理解度を自己学習するプログラム、交流広場、様々な情報提供する場、などを作成し公開している。令和5年度は、事例集・解説集の紹介を11事例から7事例増やして18事例とした。
2021年8月2日~2024年1月14日のユーザー数は34236、表示回数は75471であった。うち、令和5年度(2023年4月1日~2024年1月14日)のユーザー数は18682、表示回数は35759であった。B型肝炎の感染性に関する内容についての検索が多く見られた。
2. 公開シンポジウムを8月に長野県松本市で、12月に秋田市で開催した。毎回30名近くの患者やその家族や市民や医療従事者が参加し、肝炎患者の偏見差別の問題についての問題提起、事例紹介、今後の課題などについて活発な意見交換をおこなった。参加者から寄せられた感想や意見は、ご本人の許可を得た上で匿名化し、研究班ホームページでも公開した。
肝炎患者のおかれた状況について考えるワークショップは、全国の医療機関に属する肝炎コーディネイターに参加いただき、2月に東京で開催した。「肝炎授業について、差別・偏見防止のためにできること」と題した基調講演の後、各グループに分かれて議論をおこなった。その結果、医療現場における差別・偏見の起こる背景(要因)には、肝炎患者さんと医療従事者間のコミュニケーション不足によるものがあること、肝炎患者と医療従事者の2者間だけでなく一般患者を含めた3者間の視点が必要であることなどが新たに判明した。
3. 肝炎理解度クイズに回答した上で属性も記入された件数は1020件であった。属性によって正解率にばらつきがみられた。今後も継続的に評価をおこなう。
4. 学校や施設などでの偏見差別の解消や防止を目指し、高校生等の若年層への啓発の教材として、学校生活の場においてB型肝炎の感染性や感染症への差別偏見の問題を扱いながら、適切な対処の仕方を指導する内容の動画を作成し、YouTube上に公開した。
2021年8月2日~2024年1月14日のユーザー数は34236、表示回数は75471であった。うち、令和5年度(2023年4月1日~2024年1月14日)のユーザー数は18682、表示回数は35759であった。B型肝炎の感染性に関する内容についての検索が多く見られた。
2. 公開シンポジウムを8月に長野県松本市で、12月に秋田市で開催した。毎回30名近くの患者やその家族や市民や医療従事者が参加し、肝炎患者の偏見差別の問題についての問題提起、事例紹介、今後の課題などについて活発な意見交換をおこなった。参加者から寄せられた感想や意見は、ご本人の許可を得た上で匿名化し、研究班ホームページでも公開した。
肝炎患者のおかれた状況について考えるワークショップは、全国の医療機関に属する肝炎コーディネイターに参加いただき、2月に東京で開催した。「肝炎授業について、差別・偏見防止のためにできること」と題した基調講演の後、各グループに分かれて議論をおこなった。その結果、医療現場における差別・偏見の起こる背景(要因)には、肝炎患者さんと医療従事者間のコミュニケーション不足によるものがあること、肝炎患者と医療従事者の2者間だけでなく一般患者を含めた3者間の視点が必要であることなどが新たに判明した。
3. 肝炎理解度クイズに回答した上で属性も記入された件数は1020件であった。属性によって正解率にばらつきがみられた。今後も継続的に評価をおこなう。
4. 学校や施設などでの偏見差別の解消や防止を目指し、高校生等の若年層への啓発の教材として、学校生活の場においてB型肝炎の感染性や感染症への差別偏見の問題を扱いながら、適切な対処の仕方を指導する内容の動画を作成し、YouTube上に公開した。
結論
肝炎ウイルス感染者への偏見や差別の解消のために、様々な場における人権尊重の推進方策やその有効性を検証する。特に、肝炎患者と関わることが多い医療機関等においての啓発や、肝炎患者等に対する適切な配慮について学ぶことができる資材について検討する。
研究班ホームページの充実:令和5年度は偏見差別を防止するための事例集・解説集の紹介を11事例から7事例増やして18事例とした。令和5年度(2023年4月1日~2024年1月14日)のユーザー数は18682、表示回数は35759であった。B型肝炎の感染性に関する内容についての検索が多く見られた。
公開シンポジウムと肝炎講義の開催:公開シンポジウムを8月に長野県松本市で、12月に秋田市で開催した。また肝炎患者のおかれた状況について考えるワークショップを2月に東京で開催した。医療現場における差別・偏見の起こる背景(要因)には、肝炎患者さんと医療従事者間のコミュニケーション不足によるものがあること、肝炎患者と医療従事者の2者間だけでなく一般患者を含めた3者間の視点が必要であることなどが新たに判明した。
認知度/理解度の調査:肝炎理解度クイズに回答した上で属性も記入された件数は1020件であった。属性によって正解率にばらつきがみられた。
啓発教材の作成:高校生等の若年層への啓発の教材として、動画を作成し、YouTube上に公開した。
研究班ホームページの充実:令和5年度は偏見差別を防止するための事例集・解説集の紹介を11事例から7事例増やして18事例とした。令和5年度(2023年4月1日~2024年1月14日)のユーザー数は18682、表示回数は35759であった。B型肝炎の感染性に関する内容についての検索が多く見られた。
公開シンポジウムと肝炎講義の開催:公開シンポジウムを8月に長野県松本市で、12月に秋田市で開催した。また肝炎患者のおかれた状況について考えるワークショップを2月に東京で開催した。医療現場における差別・偏見の起こる背景(要因)には、肝炎患者さんと医療従事者間のコミュニケーション不足によるものがあること、肝炎患者と医療従事者の2者間だけでなく一般患者を含めた3者間の視点が必要であることなどが新たに判明した。
認知度/理解度の調査:肝炎理解度クイズに回答した上で属性も記入された件数は1020件であった。属性によって正解率にばらつきがみられた。
啓発教材の作成:高校生等の若年層への啓発の教材として、動画を作成し、YouTube上に公開した。
公開日・更新日
公開日
2025-01-14
更新日
-