HIV感染症の医療体制の整備に関する研究

文献情報

文献番号
202319029A
報告書区分
総括
研究課題名
HIV感染症の医療体制の整備に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
23HB2001
研究年度
令和5(2023)年度
研究代表者(所属機関)
潟永 博之(国立研究開発法人国立国際医療研究センター エイズ治療・研究開発センター)
研究分担者(所属機関)
  • 豊嶋 崇徳(国立大学法人北海道大学 北海道大学病院)
  • 今村 淳治(国立病院機構 仙台医療センター 感染症内科)
  • 茂呂 寛(新潟大学医歯学総合病院・感染管理部)
  • 田沼 順子(国立研究開発法人国立国際医療研究センター エイズ治療・研究開発センター)
  • 今橋 真弓(柳澤 真弓)(独立行政法人国立病院機構名古屋医療センター 臨床研究センター 感染・免疫研究部)
  • 渡邉 珠代(石川県立中央病院 免疫感染症科)
  • 渡邊 大(独立行政法人国立病院機構大阪医療センター 臨床研究センターエイズ先端医療研究部)
  • 藤井 輝久(広島大学 病院輸血部)
  • 南 留美(独立行政法人国立病院機構九州医療センター臨床研究センター)
  • 大金 美和(国立研究開発法人国立国際医療研究センター病院 エイズ治療・研究開発センター)
  • 矢倉 裕輝(独立行政法人国立病院機構 大阪医療センター 薬剤部)
  • 三嶋 一輝(福井大学 病院部医療支援課)
  • 小田 知生(国立病院機構 名古屋医療センター 歯科口腔外科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 エイズ対策政策研究
研究開始年度
令和5(2023)年度
研究終了予定年度
令和7(2025)年度
研究費
69,231,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

概要版(繰越課題)
各ブロックで医療機関の連携を図る ため、中核拠点病院・拠点病院と行政機関を対象とした連絡会議が開催された。研究代表者は各ブロックの薬害原告団との三者協議及び連絡会議に出席し、全国レベルの連携に努めた。研修等に関しては、各ブロックで拠点病院を対象とした複数回の研修会、出張研修等が開催された。ほとんどのブロックで対面とwebを併用したハイブリッド形式で行われていた。いくつかのブロックにおいては独自の拠点病院従事者へのアンケート調査も行われ、ブロック内での各地域の問題が提示・共有された。自立支援医療の適応施設拡大の困難さ(指定を得るためには医師の診療経験年数が5年以上)、長期療養施設の入所先探しの困難さ、スタッフの不足や育成の問題、高齢者・受診中断者・透析・歯科・外国人の診療、等が課題として挙げられた。症例数の比較的多い中核拠点病院からも症例数不足の指摘があった。ブロック拠点病院以外の施設からの医療従事者を研修生として受け入れ、比較的長期の研修を行っているブロック拠点病院もあるが、入院患者の減少から研修内容を入院診療から外来診療に重点を置かざるを得なかったブロック拠点病院もあった。e-learningによる研修を併用している施設、高齢者の性や最新のHIV検査・治療・看護のアップデートとして動画配信を行った施設もあり、それぞれのブロックで独自の工夫を凝らした研修を行っていた。各ブロックにおいても職種別研修のみならず多職種研修が行われているが、ブロックの枠を超えた全国レベルの職種間連携促進のため、HIV感染症患者の療養支援に関する看護師とソーシャルワーカーの協働シンポジウムを「エイズ治療中核拠点病院と地域医療機関との連携による支援体制の構築とケアの実際」をテーマにして行った。令和6年3月には看護職と心理職の協働セミナーを行った。各ブロックにおけるアンケート等でも課題とし指摘されているHIV感染者に対する透析医療の促進のため、日本透析医会と共同で「透析施設における標準的な透析操作と感染予防に関するガイドライン」(六訂版)を発行した。また、HIV感染者に対する歯科診療の促進のため、日本HIV歯科医療研究会総会で歯科の活動報告会を開催した。HIV陽性者の歯科医療体制の改善が遅延している地域に対して、オンラインでの会議により対応を促した。その結果、全国的には歯科医療ネットワーク構築等がなされた都道府県を増やすことができた。HIV感染症に関わる薬剤師の連携に関する研究班会議をハイブリッド環境下で実施し、HIV医療における薬剤師の均霑化に努めること、薬剤師間の連携ならびに患者支援を強化していくことを確認した。HIV/AIDSブロック中核拠点病院における抗HIV療法の実施状況に関するアンケート調査で、12,418受診例の抗HIV薬の組み合わせで最も処方が多かったのはBVY で35%、次いでDVT-HT+DTGで16%、3 位はDVT で11% であった。ブロック拠点病院の連携薬局87 施設を対象とし, HIV陽性者の服薬指導等に関する無記名オンラインアンケートを実施したところ、主として病院での指導内容、検査値の共有、処方意図、病気告知状況等の情報を必要としていることが明らかとなった。G-MISを通じて提供された全国のエイズ治療拠点病院と指定自立支援医療機関(免疫機能障害)の情報によると、2022年12月末時点でエイズ治療拠点病院は378施設、その他の指定自立支援医療機関は22施設で、それらの施設において2022年に抗HIV剤が処方された人数は30,162名、治療失敗者は77名、死亡者数は157名、累積死亡者数は3,529名であった。施設間で重複がある可能性があるため、実際よりはこれよりも少ない可能性がある。

公開日・更新日

公開日
2025-04-23
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2025-04-23
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202319029Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
90,000,000円
(2)補助金確定額
89,989,000円
差引額 [(1)-(2)]
11,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 24,391,188円
人件費・謝金 2,664,820円
旅費 8,269,729円
その他 33,895,220円
間接経費 20,769,000円
合計 89,989,957円

備考

備考
千円未満切り捨てのため

公開日・更新日

公開日
2025-04-23
更新日
-