文献情報
文献番号
202319020A
報告書区分
総括
研究課題名
性産業従事者・事業者等に対するHIVおよび梅毒等の受検勧奨を含む総合的な介入方法の確立に向けた研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
23HB1004
研究年度
令和5(2023)年度
研究代表者(所属機関)
塩野 徳史(大阪青山大学 健康科学部 看護学科)
研究分担者(所属機関)
- 金子 典代(公立大学法人 名古屋市立大学 大学院看護学研究科 国際保健看護学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 エイズ対策政策研究
研究開始年度
令和5(2023)年度
研究終了予定年度
令和7(2025)年度
研究費
21,667,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
当事者を主体とした予防介入の展開には、医療職者・行政・研究者と当事者や支援者の協働体制を整備する必要があり、本研究では初年度にHIV 感染症をはじめとした性感染症を念頭に、性産業従事者あるいは事業者を対象としたセクシュアルヘルスを多角的に捉え、感染動向などの実態を把握、還元し、対象の特性に応じた予防介入プログラムを検討する。
研究方法
研究1 性感染症の感染動向の解析と実態把握に関する研究
本研究では、HIV感染症および梅毒を含む性感染症の分子疫学的手法を用いたクラスター分析の結果を収集し、感染リスクの高い層の動向を把握し、感染拡大の背景要因の特定と評価を試みる。また班会議等を通じて総合的な介入方法の開発に還元する。
研究2 外国人のセックスワーカーの実態把握に関する研究
外国人SWに関して、先行研究よりHIV/STIの感染予防および性暴力他暴力を回避するためには、法執行機関をはじめとする公的機関、支援団体などの複数の社会的資源が必要となることが指摘されている。こういった「横のつながり」は課題解決の糸口であり、海外事例でも同様の報告がある。本研究では、海外の知見もふまえ日本におけるネットワークの課題を明らかにし、これを補う方策を提言する。主な方法は移住とSW参入とそのための人間関係および予防行動に関して詳細に聞き取り、言説データを分析、ネットワークデータを導き出し、解釈する。
研究3 トランスジェンダーの予防行動や医療アクセスに関する研究
TGの医療アクセスにまつわる問題は、日本ではこれまで「性同一性障害」診療という名のもとで性別移行に関するものが中心化される傾向にあり、HIV/STIの予防行動および治療の実態はほとんど明らかになっていない。TGの医療アクセスに関する課題は、偏見や知識不足のみならず、当事者と医療職者(または支援者)との間の相互作用も伴って引き起こされる動態的かつ重層的なプロセスであると考えられ、本研究では、質的調査を実施し、その状況を多角的観点から明らかにする。
研究4 トランスジェンダーのセクシュアルヘルスに関する総合的な予防介入と効果評価
首都圏と京阪神で当事者のセクシュアルヘルスに関するネットワーク構築のために勉強会や相談会等を実施し、ニーズを把握し、主にSNSを活用した予防介入を試行し、その効果評価を行う。
研究5 セックスワーカーに向けた総合的な予防介入と効果評価
本研究では、ヒアリングやプログラムへの参加を通して、日本各地でSWに従事する当事者をつなぎ、ニーズを抽出、適切な介入の焦点を検討し、受検勧奨や最新の情報や知識の普及、自発性に基づく検査機会の創出などを含め、総合的な予防介入を検討し、SNSやICT活用と、対面でのアウトリーチ活動により展開する。これらの取組を1,000人-2,000人規模の連続横断調査法により効果評価する。
本研究では、HIV感染症および梅毒を含む性感染症の分子疫学的手法を用いたクラスター分析の結果を収集し、感染リスクの高い層の動向を把握し、感染拡大の背景要因の特定と評価を試みる。また班会議等を通じて総合的な介入方法の開発に還元する。
研究2 外国人のセックスワーカーの実態把握に関する研究
外国人SWに関して、先行研究よりHIV/STIの感染予防および性暴力他暴力を回避するためには、法執行機関をはじめとする公的機関、支援団体などの複数の社会的資源が必要となることが指摘されている。こういった「横のつながり」は課題解決の糸口であり、海外事例でも同様の報告がある。本研究では、海外の知見もふまえ日本におけるネットワークの課題を明らかにし、これを補う方策を提言する。主な方法は移住とSW参入とそのための人間関係および予防行動に関して詳細に聞き取り、言説データを分析、ネットワークデータを導き出し、解釈する。
研究3 トランスジェンダーの予防行動や医療アクセスに関する研究
TGの医療アクセスにまつわる問題は、日本ではこれまで「性同一性障害」診療という名のもとで性別移行に関するものが中心化される傾向にあり、HIV/STIの予防行動および治療の実態はほとんど明らかになっていない。TGの医療アクセスに関する課題は、偏見や知識不足のみならず、当事者と医療職者(または支援者)との間の相互作用も伴って引き起こされる動態的かつ重層的なプロセスであると考えられ、本研究では、質的調査を実施し、その状況を多角的観点から明らかにする。
研究4 トランスジェンダーのセクシュアルヘルスに関する総合的な予防介入と効果評価
首都圏と京阪神で当事者のセクシュアルヘルスに関するネットワーク構築のために勉強会や相談会等を実施し、ニーズを把握し、主にSNSを活用した予防介入を試行し、その効果評価を行う。
研究5 セックスワーカーに向けた総合的な予防介入と効果評価
本研究では、ヒアリングやプログラムへの参加を通して、日本各地でSWに従事する当事者をつなぎ、ニーズを抽出、適切な介入の焦点を検討し、受検勧奨や最新の情報や知識の普及、自発性に基づく検査機会の創出などを含め、総合的な予防介入を検討し、SNSやICT活用と、対面でのアウトリーチ活動により展開する。これらの取組を1,000人-2,000人規模の連続横断調査法により効果評価する。
結果と考察
当事者を主体とした予防介入の展開には、医療職者・行政・研究者と当事者や支援者の協働体制を整備する必要があり、本研究では初年度にHIV 感染症をはじめとした性感染症を念頭に、性産業従事者あるいは事業者を対象としたセクシュアルヘルスを多角的に捉え、感染動向などの実態を把握、還元し、対象の特性に応じた予防介入プログラムを検討する。
結論
初年度は体制整備を行い、先行研究のレビューを行い、多角的な研究を推進する準備が中心となった。
公開日・更新日
公開日
2025-06-16
更新日
-