医療観察法鑑定入院制度の適正化に関する研究

文献情報

文献番号
200935035A
報告書区分
総括
研究課題名
医療観察法鑑定入院制度の適正化に関する研究
課題番号
H20-こころ・一般-012
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
五十嵐 禎人(千葉大学 社会精神保健教育研究センター)
研究分担者(所属機関)
  • 岡田 幸之(国立精神・神経センター精神保健研究所)
  • 平田 豊明(静岡県立こころの医療センター)
  • 松原 三郎(医療法人財団松原愛育会松原病院)
  • 平野 誠(独立行政法人国立病院機構肥前精神医療センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 こころの健康科学研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
10,200,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
医療観察法(心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律)による医療の要否を判定するために行われる医療観察法鑑定入院制度の運用の現状と問題点を把握し、これらの具体的な改善策を検討し、医療観察法鑑定入院制度のあるべき姿を提示し、2010年以降に予定される医療観察法改正に資する具体的政策提言を行うことを目的として研究を行った。
研究方法
「他害行為を行った者の責任能力鑑定に関する研究」、「鑑定入院医療機関における医療・観察に関する研究」、「鑑定医の資質の向上に関する研究」、「鑑定入院医療機関の高規格化に関する研究」、「鑑定業務の教育研修に関する研究」、という5つの分担研究班をおいて、研究を行った。
結果と考察
「他害行為を行った者の責任能力鑑定に関する研究」では、精神鑑定における精神科医の役割について法曹三者が統一した見解を示すことの重要性を明らかにした。「鑑定入院医療機関における医療・観察に関する研究」では、鑑定入院における医療的観察の実際を明らかにするとともに、鑑定入院の質を向上させるためには、より詳細かつ高精度の情報収集を可能となるような制度設計の必要性が示唆された。「鑑定医の資質の向上に関する研究」では、刑事精神鑑定に関する研修会を実施し、その必要性と有用性とを明らかにした。「鑑定入院医療機関の高規格化に関する研究」では、指定入院医療機関から直接処遇終了となった事例の分析を通して、医療観察法鑑定における疾病性評価の重要性と正確で適正な医療観察法鑑定を行うために、専門性を有する多職種チームを備えた鑑定入院医療機関が必要であることが明らかになった。「鑑定業務の教育研修に関する研究」では、医療観察法鑑定入院に関するエキスパート・コンセンサスを作成するとともに、医療観察法鑑定における看護の役割について検討した。
結論
医療観察法鑑定入院制度の現状と課題を明らかにし、それに対する具体的な改善策について検討した。本年度までの成果をもとに、次年度は、医療観察法改正に向けた具体的な政策提言を策定する予定である。

公開日・更新日

公開日
2010-08-31
更新日
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