文献情報
文献番号
202318015A
報告書区分
総括
研究課題名
国内外の薬剤耐性菌による集団発生対策及び適正使用等の対策・評価に資する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
23HA1004
研究年度
令和5(2023)年度
研究代表者(所属機関)
都築 慎也(国立研究開発法人 国立国際医療研究センター国際感染症センター 応用疫学研究室)
研究分担者(所属機関)
- 山岸 拓也(国立感染症研究所 薬剤耐性研究センター第四室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究
研究開始年度
令和5(2023)年度
研究終了予定年度
令和7(2025)年度
研究費
11,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
(1) 静注抗菌薬の適正使用・手指衛生に関する指標の検討
(2) AMU減少に対する安全性の検討
(3) 多剤耐性緑膿菌の届出体制の評価
(4) AMR事例のリスク評価と対応策の検討
(5) アジア太平洋のAMRアウトブレイク対応の改善
(2) AMU減少に対する安全性の検討
(3) 多剤耐性緑膿菌の届出体制の評価
(4) AMR事例のリスク評価と対応策の検討
(5) アジア太平洋のAMRアウトブレイク対応の改善
研究方法
(1)、(2)についてはレセプトデータ・各種サーベイランスデータを用いた観察研究を行い、患者背景等の各種交絡因子は傾向スコアマッチングなどの手法で調整する。
(3)~(5)についてはインタビュー、文献レビューなどを用い問題点を同定し、海外での国際ワークショップなどを通じて対応力の改善を図る。
(3)~(5)についてはインタビュー、文献レビューなどを用い問題点を同定し、海外での国際ワークショップなどを通じて対応力の改善を図る。
結果と考察
・研究代表者
(1) 静注抗菌薬の適正使用について、国立病院機構情報集積基盤(NCDA)のデータを用いて検討することとしデータの利用申請を行った。また、日本の抗菌薬消費量(AMC)に地域差が見られることに着目し、AMCが上気道炎の診断数と正の相関があることを示し原著論文として報告した(Kitano et al. Infect Dis Ther. In press)。
(2) 手指衛生に関する指標の検討としてまず手指消毒薬の使用量に着目することとし、感染対策連携共通プラットフォーム(J-SIPHE)のデータを用いて検討することとし、データ集計中である。
(3) AMU減少に対する安全性を検討するために、上記NCDAのデータを用いることとし、データの利用申請を行った。また、東京都の一部地域のコホートデータを用い、インフルエンザワクチン接種群と非接種群を比較することで、インフルエンザワクチン接種群では抗菌薬の処方量が少なく、かつインフルエンザによる重症化・死亡が少ないことを示した。結果はヨーロッパ感染症学会(ECCMID、2023年4月)にて発表、原著論文としてJournal of Antimicrobial Chemotherapyに掲載された(Tsuzuki et al., doi: 10.1093/jac/dkad340)。
・研究分担者(山岸拓也)
(1) 感染症発生動向調査で定点把握対象となっている薬剤耐性緑膿菌のサーベイランス評価を実施した。
(2) これまで国立感染症研究所が支援してきたAMRアウトブレイク対応事例に関し、リスク評価と対応策の検討に資する事例を選別し、関係者への調整を進めた。
(3) 2023年9月4-6日にWHO西太平洋地域事務局とWHOマレーシア・ブルネイ・シンガポール国事務所が主催し、マレーシア保健省が共催したマレーシア国内医療従事者と公衆衛生担当者向けのAMRアウトブレイク対応指導者研修に関し、準備と現地実施に参加し、技術的な支援を行った。
・研究分担者(浅井雄介)
(1) 手指衛生に関する指標の検討として、単施設の観察研究において手指消毒薬の使用量が薬剤耐性の選択圧にどの程度影響するかを評価し、原著論文として投稿中である。
(1) 静注抗菌薬の適正使用について、国立病院機構情報集積基盤(NCDA)のデータを用いて検討することとしデータの利用申請を行った。また、日本の抗菌薬消費量(AMC)に地域差が見られることに着目し、AMCが上気道炎の診断数と正の相関があることを示し原著論文として報告した(Kitano et al. Infect Dis Ther. In press)。
(2) 手指衛生に関する指標の検討としてまず手指消毒薬の使用量に着目することとし、感染対策連携共通プラットフォーム(J-SIPHE)のデータを用いて検討することとし、データ集計中である。
(3) AMU減少に対する安全性を検討するために、上記NCDAのデータを用いることとし、データの利用申請を行った。また、東京都の一部地域のコホートデータを用い、インフルエンザワクチン接種群と非接種群を比較することで、インフルエンザワクチン接種群では抗菌薬の処方量が少なく、かつインフルエンザによる重症化・死亡が少ないことを示した。結果はヨーロッパ感染症学会(ECCMID、2023年4月)にて発表、原著論文としてJournal of Antimicrobial Chemotherapyに掲載された(Tsuzuki et al., doi: 10.1093/jac/dkad340)。
・研究分担者(山岸拓也)
(1) 感染症発生動向調査で定点把握対象となっている薬剤耐性緑膿菌のサーベイランス評価を実施した。
(2) これまで国立感染症研究所が支援してきたAMRアウトブレイク対応事例に関し、リスク評価と対応策の検討に資する事例を選別し、関係者への調整を進めた。
(3) 2023年9月4-6日にWHO西太平洋地域事務局とWHOマレーシア・ブルネイ・シンガポール国事務所が主催し、マレーシア保健省が共催したマレーシア国内医療従事者と公衆衛生担当者向けのAMRアウトブレイク対応指導者研修に関し、準備と現地実施に参加し、技術的な支援を行った。
・研究分担者(浅井雄介)
(1) 手指衛生に関する指標の検討として、単施設の観察研究において手指消毒薬の使用量が薬剤耐性の選択圧にどの程度影響するかを評価し、原著論文として投稿中である。
結論
本年度は具体的な研究実施方法の確認を主として行った。目標(1)、(2)については、使用するデータを決定・利用申請し、可能なものは集計を進めた。(3)は薬剤耐性緑膿菌のサーベイランス評価を実施し、(5)はマレーシアで開催されたアウトブレイク対応研修に現地で支援した。原著論文2編、国際学会発表2編を上梓した。
公開日・更新日
公開日
2025-06-23
更新日
-