文献情報
文献番号
202318008A
報告書区分
総括
研究課題名
薬剤耐性(AMR)対策に有用な既存の抗微生物薬を温存するための添付文書見直しと新規開発薬などの導入体制の整備及び行動変容に効果的な普及啓発・教育活動確立のための研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
22HA1004
研究年度
令和5(2023)年度
研究代表者(所属機関)
松永 展明(国立国際医療研究センター病院 AMR臨床リファレンスセンター)
研究分担者(所属機関)
- 浜田 幸宏(高知大学 教育研究部医療学系臨床医学部門)
- 大曲 貴夫(国立研究開発法人 国立国際医療研究センター 国際感染症センター)
- 木原 朋未(多田村 朋未)(筑波大学 医学医療系社会健康医学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究
研究開始年度
令和4(2022)年度
研究終了予定年度
令和6(2024)年度
研究費
14,280,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
(1) 新規抗微生物薬開発の停滞している現在、既存の抗微生物薬を長期的に利用出来る体制の構築は、薬剤耐性菌による疾病負荷を軽減するために重要である。本研究では既存の抗菌薬の有効性を長期に温存することを目的として、未承認・既承認薬について国内外の最新知見を調査して必須な薬剤を明らかにすると共に、既存の抗微生物薬の疫学調査またはファーマコメトリクスを応用し、薬物動態学・薬力学(PK/PD)理論を元に抗微生物薬適正使用に関する効果的な介入方法を明らかにする。
レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)やその他のレセプトデータ等の医療ビッグデータを用いて、抗微生物薬の有効性と副作用を評価することである。データベースの特性をふまえて傷病名等のコードを元に疾病を定義し、疾病に対する各抗微生物薬の使用割合/種類を集計するとともに、診療内容や検査結果等のデータを用いて抗微生物薬の有効性や副作用を評価し、抗微生物薬適正使用の余地を検討する。本研究を通じて抗微生物薬使用の客観的データを可視化することにより、抗微生物薬の適正使用が推進されることが期待される。
(2) 耐性菌の抑制に有効な抗微生物薬の代替療法、ワクチン等の予防法、診断方法等について内外の知見を収集し、本邦への適合性と導入方法を評価し、抗菌薬温存につながる薬剤耐性菌抑制のための方法を提示する。
(3) 国民の一般及び特定層の薬剤耐性・抗菌薬に関する知識・意識を調査し、保健領域の他分野の方法について情報収集するとともに、新型コロナウイルス感染症対策として社会に導入された新規の感染防止対策の薬剤耐性対策への援用方法を検討することで、効果的な普及啓発・教育活動の方法を提示する。
レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)やその他のレセプトデータ等の医療ビッグデータを用いて、抗微生物薬の有効性と副作用を評価することである。データベースの特性をふまえて傷病名等のコードを元に疾病を定義し、疾病に対する各抗微生物薬の使用割合/種類を集計するとともに、診療内容や検査結果等のデータを用いて抗微生物薬の有効性や副作用を評価し、抗微生物薬適正使用の余地を検討する。本研究を通じて抗微生物薬使用の客観的データを可視化することにより、抗微生物薬の適正使用が推進されることが期待される。
(2) 耐性菌の抑制に有効な抗微生物薬の代替療法、ワクチン等の予防法、診断方法等について内外の知見を収集し、本邦への適合性と導入方法を評価し、抗菌薬温存につながる薬剤耐性菌抑制のための方法を提示する。
(3) 国民の一般及び特定層の薬剤耐性・抗菌薬に関する知識・意識を調査し、保健領域の他分野の方法について情報収集するとともに、新型コロナウイルス感染症対策として社会に導入された新規の感染防止対策の薬剤耐性対策への援用方法を検討することで、効果的な普及啓発・教育活動の方法を提示する。
研究方法
1.抗微生物薬の現状評価
医療上必要性の高い抗微生物薬を必須抗微生物薬リスト化する。また、医療上の必要性の高い未承認抗菌薬・適応外抗菌薬をリスト化する。
2.薬剤耐性を生まない予防・診断・治療評価
薬剤耐性菌を生まない予防法として、薬剤耐性菌に関連するワクチン開発状況、プロバイオティクスの使用方法などを文献調査し、報告書としてまとめる。また、迅速診断法の開発状況を調査し、ファージ治療など抗微生物薬以外の治療効果と副作用を報告書にまとめる。耐性菌を生みにくい抗菌薬種類、量、方法についても文献調査する。国内外の開発状況をリスト化する。
3.行動変容に結びつく教育啓発方法の検討
新型コロナウイルス感染症の感染対策と感染症以外の他の保険領域の分野での行動変容につながる教育・啓発・広報活動を文献調査し、、薬剤耐性対策への援用方法を検討する。
医療上必要性の高い抗微生物薬を必須抗微生物薬リスト化する。また、医療上の必要性の高い未承認抗菌薬・適応外抗菌薬をリスト化する。
2.薬剤耐性を生まない予防・診断・治療評価
薬剤耐性菌を生まない予防法として、薬剤耐性菌に関連するワクチン開発状況、プロバイオティクスの使用方法などを文献調査し、報告書としてまとめる。また、迅速診断法の開発状況を調査し、ファージ治療など抗微生物薬以外の治療効果と副作用を報告書にまとめる。耐性菌を生みにくい抗菌薬種類、量、方法についても文献調査する。国内外の開発状況をリスト化する。
3.行動変容に結びつく教育啓発方法の検討
新型コロナウイルス感染症の感染対策と感染症以外の他の保険領域の分野での行動変容につながる教育・啓発・広報活動を文献調査し、、薬剤耐性対策への援用方法を検討する。
結果と考察
1.抗微生物薬の現状評価
抗微生物薬の適応および使用法を文献調査し、抗微生物薬ガイドの概要を作成した。また、掲載する抗微生物薬について、リストアップすると共に、複数の感染症専門医と検討した。
2.薬剤耐性を生まない予防・診断・治療評価
抗微生物薬の開発状況をまとめた報告書として、WHO ANTIBACTERIAL AGENTS IN CLINICAL AND PRECLINICAL DEVELOPMENTが該当した。
以下、内容をまとめるとともに、翻訳し、本邦の研究者へ周知を行った。
3.行動変容に結びつく教育啓発方法の検討
新型コロナ感染症および感染症以外の分野を含めた行動変容につながる教育・啓発・広報活動に関する文献を収集した
抗微生物薬の適応および使用法を文献調査し、抗微生物薬ガイドの概要を作成した。また、掲載する抗微生物薬について、リストアップすると共に、複数の感染症専門医と検討した。
2.薬剤耐性を生まない予防・診断・治療評価
抗微生物薬の開発状況をまとめた報告書として、WHO ANTIBACTERIAL AGENTS IN CLINICAL AND PRECLINICAL DEVELOPMENTが該当した。
以下、内容をまとめるとともに、翻訳し、本邦の研究者へ周知を行った。
3.行動変容に結びつく教育啓発方法の検討
新型コロナ感染症および感染症以外の分野を含めた行動変容につながる教育・啓発・広報活動に関する文献を収集した
結論
抗菌薬使用方法および種類の適正化を行うことにより、医療現場の抗菌薬適正使用を推進し、患者予後の向上を推進する基礎資料となる事が期待される。レセプトデータ等の医療データベースは、抗微生物薬の有効性と副作用の評価に有用であると考えられることから、NDBデータおよび国立病院機構のデータベース利活用申請を進めて、データを得られた。今後、さらなる解析のためのプログラム構築を進める。
公開日・更新日
公開日
2025-06-23
更新日
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