支援機器の開発・普及のためのモデル拠点構築に資する研究

文献情報

文献番号
202317048A
報告書区分
総括
研究課題名
支援機器の開発・普及のためのモデル拠点構築に資する研究
課題番号
23GC2003
研究年度
令和5(2023)年度
研究代表者(所属機関)
亀山 仁彦(国立障害者リハビリテーションセンター 研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 石渡 利奈(国立障害者リハビリテーションセンター研究所 福祉機器開発部)
  • 渡邉 愼一(横浜市総合リハビリテーションセンター 地域リハビリテーション部)
  • 浅川 育世(茨城県立医療大学 保健医療学部 理学療法学科)
  • 大西 秀明(新潟医療福祉大学 リハビリテーション学部)
  • 向野 雅彦(国立大学法人北海道大学 北海道大学病院リハビリテーション科)
  • 井上 剛伸(国立障害者リハビリテーションセンター 研究所 福祉機器開発部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者政策総合研究
研究開始年度
令和5(2023)年度
研究終了予定年度
令和7(2025)年度
研究費
13,200,000円
研究者交替、所属機関変更
研究代表者交代 亀山仁彦(令和5年4月1日~令和5年8月13日) ⇒ 芳賀信彦(令和5年8月14日~令和6年3月31日) ⇒ 亀山仁彦(令和6年4月1日以降)

研究報告書(概要版)

研究目的
支援機器は、障害のある方々の生活には、なくてはならない存在であり、その開発と利活用の促進は重要な行政課題となっている。本研究では、これまでの厚生労働省の研究で得られた知見、ツール、手法を、関係者の主体的かつ継続的な取組として発展させ、支援機器の開発・普及に資するモデル拠点を構築することを目的とする。令和5年度は、支援機器アンテナ事業の現状把握と活動コンテンツ案の試行及び課題抽出を目標として研究を実施した。
研究方法
本研究では、研究目的達成のために、以下の研究項目を設定した。
1.支援機器モデル拠点の構築
2.モデル拠点で実施する活動コンテンツの作成
3.モデル拠点で活用する情報プラットフォームの構築
令和5年度は、まず拠点候補となりうる障害者自立支援機器普及アンテナ事業のこれまでの実施経験事業所を対象として、実施内容の把握および共有を行った。そのために、実施事業所を構成員として、委員会形式での議論の場を設定し、事業内容の報告および、実施における課題について意見交換を行った。
活動コンテンツの作成では、これまでに開発してきた支援機器開発人材育成プログラム、支援機器選定・導入ガイドを用いた機器の選定を支援機器拠点にて試行し、課題を抽出した。
情報プラットフォームの構築では、仮構成案を作成するとともに、先行研究で実施したICF対応表検索システムの試用評価結果を再度分析し、システムに関する課題を抽出するとともに、システムの使い勝手を向上するための追加機能等の仕様を決定した。さらに、支援機器に関連した国際分類に関する国際動向の把握のため、ドイツ・ボンで開催されたWHO分類ファミリー協力センターネットワーク年次会議およびその後開催されたICF関連の委員会に出席し、国際分類についての最新の情報を収集した。
結果と考察
1.支援機器モデル拠点の構築
障害者自立支援機器普及アンテナ事業のこれまでの実施経験事業所の議論の結果、障害者が支援機器を使用するために提供されるサービスは、「支援機器展示・紹介」、「支援機器貸出による試用」、「専門職による支援機器適合評価・訓練」、「支援機器開発企業への支援」、「支援機器に関する技術講習会」、「障害当事者への説明会・展示会」、「支援者ネットワーク」に整理できた。また、サービス(事業)を提供する上で連携が必要な機関として障害者を支援する機関をあげると、障害者更生相談所、市・区役所、障害者施設・高齢者施設、医療機関、居宅介護支援事業所、NPO(特定非営利団体)・ボランティア、開発企業・製造業者、取扱業者、リハビリテーション専門職団体等が想定された。
2.モデル拠点で実施する活動コンテンツの作成
支援機器人材教育プログラムの試行では、全体として内容や難易度は適切であったが、全体像を示す講義部分と討論時間がやや短すぎることとが課題としてあげられた。今後は全体像を示す講義コンテンツと討論時間を少し増やす必要性があると考える。
支援機器選定・導入ガイドを用いた機器選定の試行の結果、主にICFの理解に関する種々の課題、検索システム自体の課題が明らかとなった。ICFについて一般的に概念は広く知られてきているが、コードそのものへの理解は不十分であり、支援機器の選定・導入に関わっている専門家にとっても分かりにくい状況にあることが明確になった。そこで本研究では、ICFを簡単に要約し、またICF検察システムの使用例を分かりやすく説明した動画を作成した。これによってガイドが使いやすくなり、ガイドの主な使用想定者である一次支援者(保健師、ケアマネジャー等)でも容易に必要な支援機器が選択できるようになるものと考えられる。
3.モデル拠点で活用する情報プラットフォームの構築
情報プラットフォームの仮構成案として、①支援機器モデル拠点の構築・運用、②支援機器の開発、③支援機器の普及(選定・導入)に携わる人向けの情報提供を行う構成を作成した。次年度以降、それぞれの立場の人の職種等を考慮しつつ、ページ作成を進める予定である。
支援機器ICF対応表については、個々の支援機器に対応するICFコード数を減らすことで、検索時の使い勝手を向上した。また、支援機器を、障害のカテゴリや活動などのキーワードから探すことができるようにするため、各支援機器のデータに、関連する障害のタグ、他因子のタグ付けを行った。これらの改良により、拠点における支援機器の利活用促進事業にさらなる貢献ができる内容となった。
国際動向の調査では、WHO国際分類ファミリー会議に出席し、ICF、ICHIの最新動向を把握した。これらの情報は今後の情報プラットフォームの作成に向け、有用な知見となる。
結論
今年度実施した調査結果より、支援機器拠点の機能や役割、必要な情報コンテンツ等を整理することができた。

公開日・更新日

公開日
2024-05-31
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2024-05-31
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202317048Z
報告年月日
-

収入

(1)補助金交付額
0円
(2)補助金確定額
0円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 0円
人件費・謝金 0円
旅費 0円
その他 0円
間接経費 0円
合計 0円

備考

備考
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公開日・更新日

公開日
2024-05-31
更新日
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