障害者総合支援法の対象範囲の検討と障害福祉計画の作成に向けたデータ利活用の手法の確立に関する研究

文献情報

文献番号
202317046A
報告書区分
総括
研究課題名
障害者総合支援法の対象範囲の検討と障害福祉計画の作成に向けたデータ利活用の手法の確立に関する研究
課題番号
23GC2001
研究年度
令和5(2023)年度
研究代表者(所属機関)
今橋 久美子(藤田 久美子)(国立障害者リハビリテーションセンター 研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 清野 絵(国立障害者リハビリテーションセンター 研究所・障害福祉研究部)
  • 齋藤 崇志(国立障害者リハビリテーションセンター 研究所 障害福祉研究部 データ利活用障害福祉研究室)
  • 樋口 幸治(国立障害者リハビリテーションセンター 病院)
  • 澤田 泰宏(国立障害者リハビリテーションセンター 病院 臨床研究開発部)
  • 岩谷 力(長野保健医療大学 保健科学部)
  • 小澤 温(筑波大学 人間系)
  • 安井 秀樹(浜松医科大学 医学部附属病院臨床研究センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者政策総合研究
研究開始年度
令和5(2023)年度
研究終了予定年度
令和7(2025)年度
研究費
12,900,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
身体障害者手帳の障害認定基準及び障害者総合支援法の対象範囲は、医学の進歩や時代の変化に応じて、より公平かつ適切なものとなるよう見直しが必要である。また、これらの法制度の対象者に、必要なサービスを適切に提供するには、データに基づく実行性の高い障害福祉計画の策定とその有効性評価が不可欠である。
そこで本研究は、1)認定基準の見直しを要する障害及び障害者総合支援法の対象要件への適否が未決の疾病について、その判断に必要な事項を明らかにし、基礎資料を作成すること、2)障害福祉計画の策定に必要なデータ収集と利活用手法の確立及び評価指標を作成することを目的とする。
研究方法
研究方法の詳細は、下記の各分担報告書に記載のとおり。
1. 身体障害認定基準と障害者総合支援法の対象範囲の検討
2. 障害者手帳を所持する高齢者と所持しない高齢者における生活機能の比較
3. 国連国際障害統計に関するワシントン・グループ第23 回年次会合の概要
4. 障害福祉計画の作成に向けたデータ利活用の手法の確立に関する研究
5. 「日常生活における苦労の有無」による「最終学歴」と「仕事の状況」の差異 令和4年国民生活基礎調査の結果から
6. 障害の有無と健康診断・がん検診の受診の有無の関連 令和4年国民生活基礎調査の匿名データの解析
7. 東アジア・東南アジア諸国における、視覚障害者の視覚リハビリテーションサービスへのアクセスの阻害要因:Scoping Review
8. 障害者の疾病予防と健康増進
9. 発達障害の診療を行う医療機関に関する情報収集及び提供 当事者及び家族の情報ニーズへの対応
10. 医療、心理、リハビリテーションの研究領域における日本語のテキストマイニング
結果と考察
認定基準の見直しが必要な障害について、関連学会又は団体のワーキンググループ(WG)と連携し、障害認定基準の過去の議論を調査し、論点を整理するとともに、令和6年度の難病法改正に向けて難病指定医を中心に障害者総合支援法の普及啓発を行った。  
行政データの利活用については、令和4年生活のしづらさ調査の二次解析に先立ち、障害者のサービスアクセスについて、複数の文献データベースを用いて包括的なレビューを行い、関連要因を抽出し整理した。また、障害者手帳所持者と非所持者について、障害種別・等級別の健康チェックデータにどのような差異があるかを明らかにした。 
さらに、国際的な動向の情報収集として、国連障害者権利条約および国連ワシントン・グループの進捗を対象として文献調査を行った。並行して、障害福祉計画の評価指標の候補となる変数を抽出するとともに、障害者の疾病予防、健康増進、保健医療福祉サービス利用に関するデータ収集を行った。
初年度の結果を踏まえ、2年目は、下記を行う。
1. 呼吸器機能障害の認定基準について見直しの議論をさらに進め、現行の認定基準の問題点を抽出し、実臨床のデータを用いた調査に基づき、新たな認定基準案を検討する。また、難病指定医に対する障害者総合支援法の普及啓発を継続する。
2. 身体障害者福祉法第15条に定める医師の指定や取り消し状況(要綱等を定めているか、死亡した場合の手続き、届出の様式等)について調査を行い、専門性及びその担保の方法等の実態を明らかにする。
3. 令和4年生活のしづらさ調査等の二次解析においては、①ワシントン・グループの指標の結果および他の設問との対応関係、②新設された災害に関する設問と障害種別、程度、年齢、性別との関係、③自由記述の詳細、④新設された難病に関する設問に関する年齢、性別、および他の設問との対応関係等を明らかにする。
4. 障害種別・等級別の健康チェックデータの比較分析を継続し、障害の有無による加齢の影響と生活機能の差異を明らかにする。
5. 国連障害者権利条約および国連ワシントン・グループの進捗について動向を捕捉する。
6. 第7期障害福祉計画での質的な要素を含む指標項目に焦点をあて、相談支援体制、地域生活支援拠点、児童発達支援センター、地域包括ケアシステム、発達障害者支援、入所施設から地域生活への移行、障害福祉サービスの質の向上のための取り組み体制などの検討を進める。
7. 障害者・児の疾病予防、健康増進、保健医療福祉サービス利用に関するデータ収集を継続する。
結論
初年度は、1)認定基準の見直しが必要な障害に関する論点整理と課題抽出を行うとともに、データ不十分のため障害者総合支援法の対象要件への適否が未評価となっている疾病等(未決疾病)について、令和4年度に作成した疾病概要に基づいて検討を深め、2)令和4年生活のしづらさ調査の二次解析に先行し、他の行政データ等を用いて、障害者の健康増進活動及び保健福祉サービス利用状況について分析を行った。また、障害福祉計画の評価について指標の候補となる変数を抽出した。

公開日・更新日

公開日
2024-05-31
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2024-05-31
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202317046Z