文献情報
文献番号
202317040A
報告書区分
総括
研究課題名
処方薬や市販薬の乱用又は依存症に対する新たな治療方法及び支援方法・支援体制構築のための研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
23GC1018
研究年度
令和5(2023)年度
研究代表者(所属機関)
松本 俊彦(国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 薬物依存研究部)
研究分担者(所属機関)
- 上條 吉人(埼玉医科大学 医学部 臨床中毒学)
- 沖田 恭治(国立精神・神経医療研究センター 病院 精神診療部)
- 嶋根 卓也(国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 薬物依存研究部)
- 引地 和歌子(東京都監察医務院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者政策総合研究
研究開始年度
令和5(2023)年度
研究終了予定年度
令和7(2025)年度
研究費
12,712,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究班の目的は以下の5つである。1) 精神医学・救急医学・法医学の観点から処方薬・市販薬乱用の健康被害を明らかにすること、2) 乱用リスクの高い薬剤を把握すること、3) 処方薬・市販薬使用障害患者の臨床的特徴を明らかにすること、4) 処方薬・市販薬依存症の治療法を開発すること、5) 薬局・救急医療での介入・支援方法を開発することである。
研究方法
研究目的を遂行するために、本研究班では、依存症専門医療、救命救急医療、監察医務院、ドラッグストアという4つの異なるフィールドを生かした、5つの研究分担課題を設定し、市販薬・処方薬が引き起こす健康問題の実態を多面的に明らかにするとともに、治療および支援の介入のあり方を検討することとした。
結果と考察
今年度、依存症専門医療をフィールドとする研究から、市販薬・処方薬乱用患者のいずれにおいても、他の精神障害を併存する複雑な病態を呈する者が多く、入院を要する患者では、併存精神障害や臨床遺伝学的脆弱性、自殺リスクの点で重篤な一群であることが明らかにされた。救命救急医療をフィールドとする研究からは、救急搬送されたジフェンヒドラミンおよびデキストロメトルファン過量摂取による急性中毒症例は、その使用背景として、自傷・自殺以外の目的や、濫用・依存の問題がある可能性が示唆された。監察医務院をフィールドとする研究からは、近年、東京都23区内における医薬品中毒による死亡事例数は減少傾向にあったにもかかわらず、直近3年間においては微増傾向にあり、さらに、2022年に至っては男女比が逆転するという稀有な現象を認めており、引き続き継続的に注視していく必要があることが示唆された。ドラッグストアチェーンをフィールドとする研究からは、「濫用等のおそれがある医薬品」のみならず、デキストロメトルファン等を主成分とする未規制市販薬も大量・頻回購入となっていることが明らかとなり、「濫用等のおそれのある医薬品」の指定成分の見直しは、喫緊の課題であることが示唆された。
結論
今年度、本研究班の活動は順調に進捗し、各研究分担課題からは、早くも臨床上ならびに政策上きわめて重要な知見が明らかにされており、次年度以降におけるさらなる展開が期待される。
公開日・更新日
公開日
2026-02-26
更新日
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