文献情報
文献番号
202317015A
報告書区分
総括
研究課題名
言語聴覚士等による人工内耳・補聴器装用者等に対する遠隔医療の体制整備のための研究
課題番号
22GC1013
研究年度
令和5(2023)年度
研究代表者(所属機関)
土井 勝美(医療法人 医誠会 本部 医療対策部)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者政策総合研究
研究開始年度
令和4(2022)年度
研究終了予定年度
令和6(2024)年度
研究費
11,040,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究では、小児ならびに成人を対象とする人工内耳・補聴器医療における遠隔医療システムを確立した上で、同遠隔医療の有用性、安全性の検証を行い、さらに遠隔医療と対面医療との優位性、同等性の比較検討を行う。また、海外における遠隔医療の情報解析と本研究の成果を融合させる形で、聴覚障害に対する遠隔診療の指針・ガイドラインの作成を行う。同時に、国内における同遠隔診療の導入に必須となる環境整備や人材育成への提言と、あわせて、対面医療との費用対効果の精緻な検証を重ねて、同遠隔医療の現行の保険医療制度における位置づけを考察し、将来的な同遠隔医療の保険点数化・保険収載に関して一定の見識・方向性を示す。
研究方法
人工内耳装用者の選択基準は、1)装用開始から12ヶ月以上経過した患者(6歳以上)、2)片側・両側に装用する患者、3)遠隔医療が実施可能な最新の人工内耳を装用する患者、4)本研究開始6ヶ月以内に対面医療で作成したマッピングが安定している患者とする。タイムライン(6週間)は、1)第0週:医療機関で対面のマッピング作成と機器調整、聴取能評価、遠隔医療システムの患者への貸出、2)第2週:自宅で遠隔マッピング作成と機器調整、3)第4週:自宅で遠隔マッピング作成と機器調整、4)第6週:医療機関で対面のマッピング作成と機器調整、聴取能評価、遠隔医療システムの回収を行う。
遠隔医療の有用性、安全性、満足度、費用対効果の検証を目的として、1)機能的聴取質問紙(SSQ12・SSQP)評価、2)装用者・保護者向けの質問紙評価、3)医療従事者向けの質問紙評価、4)医療および非医療資源の利用状況の評価、5)患者の健康関連QOL評価(HUI)を各時点で実施する。
補聴器装用者については、本研究への参加に同意した患者に対して遠隔医療システムの貸出を行い、同様に6週間のタイムライン[第0週(対面)、第2週(遠隔)、第4週(遠隔)、第6週(対面)]で遠隔フィッテイングを行い、遠隔医療の有用性、安全性、満足度、費用対効果を検証する。
有効性、安全性、費用対効果に関して、遠隔医療の非劣勢を確認するため、1)主要評価項目として、遠隔医療と対面医療でそれぞれ作成した人工内耳マッピングおよび補聴器フィッテイングの比較検証、2)副次評価項目として、遠隔医療と対面医療による装用者の聴取能および機能的利益の比較検証、3)3次評価項目として、遠隔医療と対面医療における装用者、保護者、医療従事者の満足度、医療・非医療資源の利用状況の評価、患者の健康関連QOL評価の比較検証を行う。解析は、対面医療(A)と遠隔医療(B)のデータを「被験者内反復測定+ABBAデザイン」で比較検証する。
遠隔医療の有用性、安全性、満足度、費用対効果の検証を目的として、1)機能的聴取質問紙(SSQ12・SSQP)評価、2)装用者・保護者向けの質問紙評価、3)医療従事者向けの質問紙評価、4)医療および非医療資源の利用状況の評価、5)患者の健康関連QOL評価(HUI)を各時点で実施する。
補聴器装用者については、本研究への参加に同意した患者に対して遠隔医療システムの貸出を行い、同様に6週間のタイムライン[第0週(対面)、第2週(遠隔)、第4週(遠隔)、第6週(対面)]で遠隔フィッテイングを行い、遠隔医療の有用性、安全性、満足度、費用対効果を検証する。
有効性、安全性、費用対効果に関して、遠隔医療の非劣勢を確認するため、1)主要評価項目として、遠隔医療と対面医療でそれぞれ作成した人工内耳マッピングおよび補聴器フィッテイングの比較検証、2)副次評価項目として、遠隔医療と対面医療による装用者の聴取能および機能的利益の比較検証、3)3次評価項目として、遠隔医療と対面医療における装用者、保護者、医療従事者の満足度、医療・非医療資源の利用状況の評価、患者の健康関連QOL評価の比較検証を行う。解析は、対面医療(A)と遠隔医療(B)のデータを「被験者内反復測定+ABBAデザイン」で比較検証する。
結果と考察
令和4年度よりデータ登録を開始した5施設に、令和5年度から4施設を加えた9施設で人工内耳装用者に対する遠隔医療システムの基礎構築、安全性評価を行うとともに、効率的かつ客観的なデータ採取を行うための施行的データ採取を進めた。補聴器装用者については、公益財団法人テクノエイド協会認定補聴器専門店の協力を得て、全店舗あわせて1年間で100例のデータ採取を目指して実施した。研究代表者は、有効性、安全性、費用対効果に関して、遠隔医療の非劣勢を確認するため、1)主要評価項目:遠隔医療と対面医療でそれぞれ作成した人工内耳マッピングおよび補聴器フィッテイングの比較検証、2)副次評価項目:遠隔医療と対面医療による装用者の聴取能および機能的利益の比較検証、3)3次評価項目:遠隔医療と対面医療における装用者、保護者、医療従事者の満足度、医療・非医療資源の利用状況の評価、患者の健康関連QOL評価の比較検証法を決定し、解析は対面医療(A)と遠隔医療(B)のデータを「被験者内反復測定+ABBAデザイン」で比較検証を進めた。尚、令和5年度途中で、研究代表者所属期間における倫理審査体制の不備が発覚したため、研究費の一部を返還した。
結論
小児ならびに成人を対象とする人工内耳・補聴器医療における遠隔医療システムを確立した上で、同遠隔医療の有用性、安全性の検証を行い、さらに遠隔医療と対面医療との優位性、同等性の比較検討を行い、また、海外における遠隔医療の情報解析と本研究の成果を融合させる形で、聴覚障害に対する遠隔診療の指針・ガイドラインの作成を行う予定である。令和5年度は、研究分担者の9施設における遠隔診療システムの設置作業および実際に運用し評価のためのデータ採取を開始した。
公開日・更新日
公開日
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更新日
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