文献情報
文献番号
200934051A
報告書区分
総括
研究課題名
細胞遊走・ケモカインを標的とした生体イメージングと数理シミュレーションを駆使した新しい関節リウマチ治療薬の開発
研究課題名(英字)
-
課題番号
H21-免疫・若手-010
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
石井 優(国立大学法人大阪大学・免疫学フロンティア研究センター 生体イメージング研究室)
研究分担者(所属機関)
- 佐伯 行彦(独立行政法人国立病院機構・大阪南医療センター 臨床研究部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 免疫アレルギー疾患等予防・治療研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
8,360,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
近年、生物学的製剤が関節リウマチ(RA)の治療に革命的変化を齎したが、一方で次世代治療法開発のため、小分子化合物によるRA治療薬の開発が進められている。本研究では、特に免疫細胞の遊走およびそれを制御するケモカインに焦点を当て、小分子による新規RA治療薬の開発・臨床応用を目指している。
研究方法
最近、リンパ球遊走を制御する脂質メディエーターであるスフィンゴシン1リン酸(S1P)を標的とした免疫抑制薬が注目を集めており、研究代表者は、米国での共同研究によりS1P作動薬であるFTY720が強力な骨吸収抑制作用を併せ持ち、自己免疫と骨破壊を主徴とするRAに対する治療薬として極めて有用であることを示した。本研究では、その他のS1P作動薬の検索に加え、CXCL12,CCL3,CX3CL1など、RA発症・病態形成に重要なケモカインを標的とした薬剤開発を行うため、疾患モデルマウスを用いた解析に加え、生体内での複雑な細胞遊走制御を実体的に把握するため、「生体二光子励起顕微鏡イメージング」(実験動物を生かしたままで組織内での細胞の遊走・機能を観察する方法)の技術を駆使し、またこれらのデータを元に、薬効をin silicoでシミュレーションすることが可能な「細胞遊走ネットワークの数理モデル」を作成する。
結果と考察
OVX+CAIAモデルマウスに対し、S1P受容体作動薬はCAIAによる関節の炎症を抑制することができた一方、OVXによる骨塩量低下をも抑制することができた。
また、簡便に骨組織イメージングが可能な動物固定具および顕微鏡チェンバーを作成することに成功し、これを用いた薬効評価系がほぼ完成した。脂質メディエーターやケモカインによる細胞遊走・ケモタキシスを記述する予備的数理モデルの作成を完了した。
また、簡便に骨組織イメージングが可能な動物固定具および顕微鏡チェンバーを作成することに成功し、これを用いた薬効評価系がほぼ完成した。脂質メディエーターやケモカインによる細胞遊走・ケモタキシスを記述する予備的数理モデルの作成を完了した。
結論
S1P受容体作動薬は、免疫抑制作用と骨吸収抑制作用を併せ持つ、RA治療薬としては極めて有望な薬剤であることが示され、今後のS1Pや他のケモカインを標的としたRA治療薬開発の重要性が示された。またそれら新規薬剤の薬効評価としては、生体イメージングやin Silicoシミュレーションが重要なツールとなるため、今後の開発が必要不可欠である。
公開日・更新日
公開日
2010-05-19
更新日
-