気管支喘息の診断、治療判定のための簡便な指標としての簡易な気道炎症マーカーの検討-呼気NO測定オフライン法のかかりつけ医での応用の可能性-

文献情報

文献番号
200934046A
報告書区分
総括
研究課題名
気管支喘息の診断、治療判定のための簡便な指標としての簡易な気道炎症マーカーの検討-呼気NO測定オフライン法のかかりつけ医での応用の可能性-
課題番号
H20-免疫・若手-026
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
粒来 崇博(独立行政法人国立病機構相模原病院 アレルギー科)
研究分担者(所属機関)
  • 熱田 了(順天堂大学医学部呼吸器内科 )
  • 石塚 全(群馬大学医学系研究科)
  • 佐藤 俊(福島県立医科大学医学部呼吸器内科)
  • 白井 敏博(静岡県立総合病院呼吸器内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 免疫アレルギー疾患等予防・治療研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
7,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
汎用性が高いオフライン法によるFeNO測定の診療応用の可能性を目的とする。
研究方法
1)機材の耐久性と工夫
2)FeNOで吸入ステロイド使用の是非を判定する
3)慢性咳嗽診断
4)治療経過におけるFeNOの変化
5)気道過敏性の変化とFeNO
6)ACT(asthma control test)との比較
7)遠隔測定の実際
8)アスリートの自然寛解症例調査
9)重症喘息におけるLCAP療法
10)COPDにおけるFeNO値と末梢血T細胞サブセット
結果と考察
1)1万例以上の症例で99%以上において侵襲なく回収できた。CEISキットはのべ5000症例で故障なく、呼気のWashOutは短縮が可能であった。4℃で回収呼気は7日間安定していた。
2)NO30ppb以上かつ気道過敏性施行の1460例中95%は喘息であった。副鼻腔炎合併では高値だが、鼻腔NOと呼気NOに有意な相関はなかった。
3)慢性咳嗽患者71例中、喘息検出のカットオフは38.8ppb、感度79.2%、特異度91.3%。
4)未治療気管支喘息36名において、FeNO、呼吸機能は治療により4週で改善、12週で維持された。
5)治療により安定した気管支喘息41例を一年間治療固定し前後で気道過敏性を評価するとFeNOの変化は気道過敏性の変化と相関した。
6)気管支喘息患者105例において、ACTスコアとFeNOは有意な相関をした。
7)遠隔地測定を100症例で行い、院内測定と同様の結果を得た。
8)国内トップクラスのアスリート137名において、自然寛解例は12.4%、FeNOは高値であった。
9)高用量LCAP施行前後で、FeNOの低下が観察された。
10)COPD患者の末梢血Tc1比率はFeNO値と正の相関(r = 0.50)を認める。
結論
SIEVERS法、CEIS法の2法はFeNO評価法として実用的な耐久性と安定性を持ち、遠隔地測定でもデータは安定していると予想される。

公開日・更新日

公開日
2010-06-04
更新日
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