スギ花粉症に対する舌下免疫療法の有効性、効果予測法の確立研究

文献情報

文献番号
200934043A
報告書区分
総括
研究課題名
スギ花粉症に対する舌下免疫療法の有効性、効果予測法の確立研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H21-免疫・一般-007
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
中山 俊憲(千葉大学 大学院医学研究院)
研究分担者(所属機関)
  • 岡本 美孝(千葉大学 大学院医学研究院)
  • 堀口 茂俊(千葉大学 大学院医学研究院)
  • 石井 保之(独立行政法人 理化学研究所 横浜研究所 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 免疫アレルギー疾患等予防・治療研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
12,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
スギ花粉症に対する舌下免疫療法の有効性を科学的に明らかにし、有効性を示すバイオマーカー、効果の予測法の確立を目指して本年度は以下の検討を行った。
研究方法
1.入手可能なスギ花粉エキスの最も高い濃度2000JAU/mlを用いてスギ花粉症患者対象に連日1ml投与による舌下免疫療法の効果を明らかにするために、プラセボ対照二重盲検試験を開始した。
2.千葉大キャンパス内に設置された50人収容の花粉飛散室を用いて、花粉飛散精度、飛散室内の症状と親善花粉飛散による症状との関連など基礎的検討を行った。
3.組換えスギ精製抗原精製抗原の安全性の検討をin vitroならびにin vivoで解析を開始した。
4.CD69分子のアレルギー性炎症における寛容について検討を進めた。
結果と考察
1.スギ花粉エキス2000JAU/mの連日舌下投与は大量スギ花粉飛散がみられたにも関わらず、1シーズン目でもプラセボ投与群に比較して有意な症状改善を認め、週1回投与法と比べて高い効果がみられた。末梢血の免疫学的解析からはCry j特異的Th2細胞クローンサイズの花粉曝露によりみられる増加が舌下免疫群で抑制されていた。
2.花粉飛散室での検討では、高い花粉飛散調節能を確認し、実際のスギ花粉症患者の花粉曝露試験では、高い症状の再現性、自然花粉飛散期との症状の相関が認められ、今後の治療法の評価に対する有用性を明らかにした。
3.組換えスギ精製抗原精製抗原はポリエチレングリコール処理することでヒトIgEとの結合が認められず、IgE産生誘導能も動物実験でみられず、ヒトへの臨床展開の可能性が示された。
4.CD69分子は活性化により好酸球性気道炎症の形成に関与することが確認され、アレルギー性鼻炎患者鼻粘膜中にもCD69発現T細胞が多数認められた。ヒト化CD69抗体を作成したところTh2細胞の抑制に直接作用することがin vitroで確認され、CD69分子を用いたバイオマーカー、さらには治療への展開が期待されると考えられた。
結論
多数の患者に一定量の花粉曝露が可能な花粉飛散室の有用性が示され、今後の免疫治療の開発での活用が期待される。スギ花粉エキスの連日舌下免疫療法は安全で症状改善効果がみられ、バイオマーカー、効果予測因子の検討が進められている。新たなスギ抗原の作成、CD69分子のバイオマーカーとしての検証も進んでおりその結果が期待される。

公開日・更新日

公開日
2010-05-19
更新日
-