国保データベースを用いた医療及び介護における訪問看護サービスの質向上に向けた効果的・効率的な提供方策の提案

文献情報

文献番号
202315007A
報告書区分
総括
研究課題名
国保データベースを用いた医療及び介護における訪問看護サービスの質向上に向けた効果的・効率的な提供方策の提案
研究課題名(英字)
-
課題番号
23GA1001
研究年度
令和5(2023)年度
研究代表者(所属機関)
福井 小紀子(国立大学法人東京医科歯科大学 大学院保健衛生学研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 廣岡 佳代(国立大学法人東京医科歯科大学 大学院保健衛生学研究科)
  • 秋山 智弥(名古屋大学 医学部附属病院 卒後臨床研修・キャリア形成支援センター(看護キャリア支援室))
  • 藤田 淳子(国立国際医療研究センター 国立看護大学校)
  • 安齋 達彦(国立大学法人東京医科歯科大学 M&Dデータ科学センター)
  • 菅野 雄介(国立大学法人東京医科歯科大学 大学院保健衛生学研究科 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学政策研究
研究開始年度
令和5(2023)年度
研究終了予定年度
令和6(2024)年度
研究費
10,686,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、医療介護レセプトデータを用いて、主疾患及び要介護度別の介護保険・医療保険の利用状況を踏まえた訪問看護の縦断的な利用実態を明らかにすること、訪問看護の利用実態と介護・医療費、療養場所、生存率等のアウトカムとの関連性を解析し、その結果を根拠とした利用者特性別の訪問看護の導入時期や頻度を提案する「訪問看護推奨モデルツール」を開発すること、本ツールを広く普及させるため、各事業団体や関係学会と連携して普及啓発方策を検討すること、である。
令和5年度は両制度下での訪問看護の利用実態等を明らかにし、サービス提供モデルの構築に向けた科学的根拠を創出することを目的とした。
研究方法
訪問看護等のサービス提供モデルの構築に向けた科学的根拠を創出するために、静岡県から医療介護レセプトデータを取得し、後ろ向き観察研究を実施した。先行研究のレビューから得られた知見をもとに、5点のリサーチクエスチョンを立案し分析した。
結果と考察
立案した5点のリサーチクエスチョンにおいて、「初回認定後の6か月間において、最も多く利用されるサービスは何か。訪問看護と共に利用されるサービスは何か。」では、初回認定後の6か月間において要介護度別にサービスの利用状況を記述し、要介護度の重度化に伴って利用サービスの種類が増加すること、さらに要介護度2までは通所介護が最も多いが、要介護3以上では福祉用具貸与の利用が最も多いことを明らかにした。要介護度が低い場合は通所介護の利用割合が高く、先行研究と同様の結果が得られた。今後は、利用頻度の高いサービスの組み合わせや、アウトカムの改善に効果的なサービスを検討する。
また、「がん高齢患者において、最期2年間の訪問看護の利用実態はどうなのか。」では、最期2年間における訪問看護の利用割合は、死亡前3ヶ月間に急増すること、がん罹患者の最期3か月間は医療保険制度の下での訪問看護の利用が3割以上を占めることを明らかにした。さらに、在宅看取りとなったがん罹患者において、訪問看護の利用期間は3か月未満が62.5%で最も多いことを明らかにした。今後は他の疾患や利用者の状態像においても同様の傾向かどうかを分析する。
結論
本年度は、サービス提供モデルの構築に向けた科学的根拠を創出するために、静岡県から提供された10年分のデータを活用して、介護保険制度と医療保険制度の両制度下で提供された訪問看護サービスの利用実態を明らかにした。次年度は、班会議での助言を受け、医療介護レセプトで得られた知見を基に訪問看護推奨モデルツールを開発するため、更なるエビデンスを創出する予定である。また、訪問看護の関係団体と連携を図りながら、訪問看護のケアの質向上を目指す。

公開日・更新日

公開日
2024-05-30
更新日
2025-05-13

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2024-05-30
更新日
2025-05-13

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202315007Z