免疫アレルギー疾患の予防・治療法の開発及び確立に関する臨床研究:関節リウマチ患者の生命予後からみた至適医療の確立に関する臨床研究

文献情報

文献番号
200934023A
報告書区分
総括
研究課題名
免疫アレルギー疾患の予防・治療法の開発及び確立に関する臨床研究:関節リウマチ患者の生命予後からみた至適医療の確立に関する臨床研究
課題番号
H20-免疫・一般-011
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
山中 寿(東京女子医科大学 附属膠原病リウマチ痛風センター)
研究分担者(所属機関)
  • 竹内 勤(慶應義塾大学 医学部 リウマチ内科)
  • 田中 良哉(産業医科大学医学部第一内科学講座)
  • 石黒 直樹(名古屋大学大学院医学系研究科 整形外科)
  • 簑田 清次(自治医科大学 アレルギー膠原病科)
  • 福田 亙(京都第一赤十字病院 糖尿病・内分泌・リウマチ科)
  • 津谷 喜一郎(東京大学大学院薬学系研究科 医薬政策学)
  • 桃原 茂樹(東京女子医科大学 附属膠原病リウマチ痛風センター)
  • 中島 亜矢子(東京女子医科大学 附属膠原病リウマチ痛風センター)
  • 竹内 正弘(北里大学薬学部臨床医学 臨床統計部門・医薬開発学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 免疫アレルギー疾患等予防・治療研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
37,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
関節リウマチ(RA)は、過去10年間で治療学が最も進歩した疾患のひとつである。本研究では、生命予後という究極のアウトカムを指標とした場合、どのような治療方針が指摘医療となりうるかを検証し、提言することを目的とする。
研究方法
1)全体研究:多施設共同研究により作成する新たな生物学的製剤投与例のコホートを対象とし、患者の生命予後に関する長期試験を実施する。本研究参加施設(東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センター、埼玉医科大学医療センター、産業医科大学、自治医科大学、名古屋大学、京都第一赤十字病院とその関連医療施設において、生物学的製剤を開始したRA患者全例を対象とし、標準化死亡比(SMR)とそれに関与する因子を検討する。さらにSMRを既存の東京女子医科大学IORRAコホートと比較する。
2)個別研究:RA患者の長期予後に関する研究を行う。死亡率に大きな影響を有すると考えられる要因についても幅広く検討する。
結果と考察
今年度は、多施設研究の登録を継続し、進行させた。全国の6施設とその関連病院にて倫理委員会の承認を受け、生物学的製剤を投与したRA患者1,948名の登録を完了した。女性が83.3%、年齢55.8+/-13.5歳、罹病期間10.0+/-9.7歳、平均疾患活動性DAS28 5.8+/-1.3、IORRA登録時ステロイド使用62.8%、MTX使用79.9%、生物学的製剤の内訳はインフリキシマブ789例、エタネルセプト574例、アダリムマブ124例、トシリズマブ114例などであった。使用は0.3%であった。これらの登録症例の予後調査を次年度に実施し、IORRA集団との死亡率の比較を行うことになる。
結論
生物学的製剤の投与がRA患者の生命予後に及ぼす影響を班全体のプロジェクトとして実施している。個別研究とあわせて総合的に判断し、最終年度である平成22年度には死亡率という最も重要なアウトカム指標からみた日本人RA患者における至適医療について提言したい。
生命予後をアウトカムとした疾患コホート研究は我が国では十分な検討がなされておらず、他の疾患における同様の研究のプロトタイプとしての意義も高いと考える。

公開日・更新日

公開日
2010-10-19
更新日
-