小児期のリウマチ・膠原病の難治性病態の診断と治療に関する研究

文献情報

文献番号
200934020A
報告書区分
総括
研究課題名
小児期のリウマチ・膠原病の難治性病態の診断と治療に関する研究
課題番号
H20-免疫・一般-008
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
横田 俊平(横浜市立大学 医学研究科 発生成育小児医療学)
研究分担者(所属機関)
  • 武井 修治(鹿児島大学 医学部 保健学科)
  • 三好 麻里(兵庫県立こども病院 アレルギー科)
  • 金城 紀子(琉球大学医学部 小児科)
  • 森 雅亮(横浜市立大学 附属市民総合医療センター 小児科)
  • 村田 卓士(大阪医科大学 小児科)
  • 永井 和重(札幌医科大学 医学部 小児科)
  • 今川 智之(横浜市立大学 医学研究科 小児科)
  • 升永 憲治(久留米大学医学部 感染医学講座)
  • 中野 直子(松山市民病院 小児科)
  • 小林 法元(長野県立こども病院 総合診療科)
  • 岩田 直美(あいち小児保健医療総合センター 感染免疫科)
  • 梅林 宏明(宮城県立こども病院 総合診療科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 免疫アレルギー疾患等予防・治療研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
10,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
近年炎症病態の臨床医学による解明が進歩しているが、小児科領域においては、依然として「難治性症例」を認め、長期的予後どころか短期的予後も不良のままである。小児期リウマチ・膠原病の「難治性病態」につき、(1)全国頻度調査、(2)文献検索により難治性病態の診断・治療、治療法の検討、(3)治療法を検討、(4)エビデンスに基づいた診断治療ガイドライン作成、(5)小児リウマチ研修システム構築などを行う、などを研究目的とする。
研究方法
本年度の研究として、以下の検討を行った。
(1)文献検索システムによる難治性病態症例の収集:難治性病態に対する診断・治療の文献を収集し検討を行った。
(2)難治例・死亡例の詳細調査(二次調査)の実施および集計:「難治性病態」として1)若年性特発性関節炎、2)全身性エリテマトーデス、3)若年性皮膚筋炎、4)小児強皮症、5)混合性結合組織病、6)小児期の血管炎症候群、7)線維筋痛症、8)小児リウマチ性疾患における眼病変、9)シェーグレン症候群の9疾患の難治症例を対象とし、133 施設に対して個別に二次調査を実施した。
結果と考察
1) 文献検索システムによる難治性病態症例の収集:各難治性病態に対する診断・治療の文献情報を収集し、エビデンス構築を行った。
2) 難治例・死亡例の詳細調査(二次調査)の実施および集計:
・難治症例は、JIA症例が最も多く(184例)、ついでSLE症例(36例),JDM症例(30例)の順であった。
・JIA症例の内訳は、1)全身型(マクロファージ活性化症候群合併例:28例、頻回再燃例 :65例、原疾患に関連する重篤な合併症例 :12例)、2)多関節型 (MTX不応例 :59例、原疾患に関連する重篤な合併症例:6例)、3)少関節型(原疾患に関連する重篤な合併症例:13例)だった。
・JIAの死亡例は、MAS、CMV肺炎、間質性肺炎が各1例ずつ認められた。
・SLEでの死亡例はなかったが、JDMでは間質性肺炎2例、脂肪織炎1例、不明1例の計4例が報告された。
・血管炎症候群で死亡が1例みられた。
・死亡例の割合が高い、JDMとMCTDについては、来年度に病理医、症例主治医を交えた死亡例の詳細な解析を予定している。
結論
 本研究の最終目標である小児期のリウマチ・膠原病の難治性病態に対する診断・治療のガイドライン作成に向けて、本年度は1)文献検索システムによる難治性病態症例の収集整理,3)難治例・死亡例の詳細調査の実施、等の検討を行なうことができた。

公開日・更新日

公開日
2010-10-19
更新日
-