NSAIDs不耐症の病態解明と診断治療指針作成に関する研究

文献情報

文献番号
200934017A
報告書区分
総括
研究課題名
NSAIDs不耐症の病態解明と診断治療指針作成に関する研究
課題番号
H20-免疫・一般-005
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
谷口 正実(独立行政法人国立病院機構相模原病院 臨床研究センター)
研究分担者(所属機関)
  • 池澤 善郎(公立大学法人横浜市立大学 医学部 皮膚科学教室)
  • 榊原 博樹(藤田保健衛生大学 医学部・呼吸器内科学I)
  • 長瀬 隆英(東京大学 医学部附属病院 呼吸器内科)
  • 春名 眞一(獨協医科大学 耳鼻咽喉・頭頸部外科学)
  • 藤枝 重治(福井大学 耳鼻咽喉科・頭頸部外科学)
  • 玉利 真由美(独立行政法人理化学研究所 横浜研究所 ゲノム医科学研究センター 呼吸器疾患研究チーム)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 免疫アレルギー疾患等予防・治療研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
24,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
NSAIDs過敏症の病態解明と診断治療指針を確立する。
研究方法
1.AIA疫学調査
2.AIA病因病態の解明
3.鼻茸病態からの検討
結果と考察
NSAIDs過敏症の病態解明と診断治療指針を確立する疫学で数々の新しい事実を証明できた。
1.AIA疫学調査
1)AIAが日本人における成人喘息の難治化とリモデリングの強い危険因子であること初めて証明(投稿中)。
2)日本人成人におけるAIAの正確な頻度が前向き調査で明らかにした(投稿準備中)。
2.AIA病因病態の解明:数々の国際的な業績をあげることができた。
1)cysLT2受容体とLTB4受容体KOマウスの作成に成功し解析が進行中。
2)NLRP3の遺伝子多型rs4612666とAIA発症との間に強い相関を認めた(JACI 2009)。
3)AIAの基礎病態にPGE2低下とともに抗炎症性Lx(Chest 2010印刷中)と酸化ストレスの関与があることを初めて証明(JACI 2010 印刷中)。
4)ヒト喘息病態と好塩基球活性化について初めて証明(JACI 2010)。
5)新規好酸球活性化メディエーターであるeoxin C4がBALFで同定(CEA2009)。
6)間質性肺炎におけるCys-LTsの関与を証明(CEA2009)。
7)AIAの安定期と負荷時に好塩基球が関与(現在進行中、未発表成績)。
8)AIAでは、安定期のCys-LTs増加とLxの著明な低下が特徴であることを証明(Chest 2010印刷中)。
3.鼻茸病態からの検討:
1)鼻茸のプロテオーム解析中で多因子が関与(現在進行中)。
2)好酸球性鼻茸においてAIAが再燃しやすい因子。
3)鼻茸がAIAのCys-LTs過剰産生に関与するだけでなく、アスピリン感受性をも調整している可能性(現在進行中)。
4)鼻茸組織におけるCys-LTs濃度が高値(現在進行中)。
5)鼻茸の機序として慢性ウイルス感染の可能性を考え多種ウイルスのゲノムを検出中。
結論
多角的にかつ国際的なレベルでの業績がNSAIDs不耐症、特にアスピリン喘息に関して得ることができた。今後は、最終年度度して更なる研究の遂行と病因解明、ならびに診断治療指針の完成にのぞみたい。

公開日・更新日

公開日
2010-05-19
更新日
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