文献情報
文献番号
202312003A
報告書区分
総括
研究課題名
移行期JIAを中心としたリウマチ性疾患における患者の層別化に基づいた生物学的製剤等の適正使用に資する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
21FE1003
研究年度
令和5(2023)年度
研究代表者(所属機関)
森 雅亮(国立大学法人東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科)
研究分担者(所属機関)
- 梅林 宏明(宮城県立こども病院・ 総合診療科)
- 岡本 奈美(大阪医科薬科大学・医学部医学科)
- 清水 正樹(東京医科歯科大学病院小児科)
- 大倉 有加(北海道大学・大学院医学研究院)
- 楢崎 秀彦(日本医科大学医学部 )
- 岩田 直美(あいち小児保健医療総合センター・免疫・アレルギーセンター)
- 山﨑 雄一(鹿児島大学 学術研究院医歯学域鹿児島大学病院)
- 大島 至郎(独立行政法人国立病院機構 大阪南医療センター(免疫疾患センター))
- 西山 進(倉敷成人病センター・診療部リウマチ科)
- 橋本 求(公立大学法人大阪 大阪公立大学・大学院医学研究科)
- 松井 利浩(独立行政法人国立病院機構相模原病院臨床研究センター リウマチ性疾患研究部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 免疫・アレルギー疾患政策研究
研究開始年度
令和3(2021)年度
研究終了予定年度
令和5(2023)年度
研究費
5,385,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
概要版(繰越課題)
【研究目的】
本課題では、小児期と成人期での生物学的製剤使用の相違点を明らかにするために、現時点で治療薬として生物学的製剤が承認されている若年性特発性関節炎(JIA)と全身性エリテマトーデス(SLE)の2疾患について、エビデンスレベルを可能な限り示した、生物学的製剤の診療ガイドライン等の指標を作成し公表・導出することを目標にする。
【方 法】
研究班全体を2つの分担班(移行期JIA分担班、移行期SLE分担班)に分け、それぞれの疾患について、最終的な研究班目的である両疾患の生物学的製剤の診療ガイドライン等の指標作成の礎となる作業を展開した。詳細については、後述する各分担報告書をご参照いただきたい。
【結 果および結論】
以下、本年度の成果を具体的に記載する。
(1)移行期JIA分担班
1)「メディカルスタッフのためのJIA患者支援の手引き完成と公表:「メディカルスタッフのためのライフステージに応じた関節リウマチ患者支援ガイド」(https://www.ryumachi-jp.com/medical-staff/life-stage-guide/)
を参考にして、JIA患者の支援に携わるメディカルスタッフのために、JIAの病態、治療、管理、成長に伴う変化に関する手引きを完成させた。また、今後 JIA 診療に関与されるメディカルスタッフ広く本疾患のことを啓発していくために、日本リウマチ学会 HP上に、「JIAメディカルスタッフに対する手引き(第一部)(https://www.ryumachi-jp.com/medical-staff/jia-guide/)を掲載することが出来た。十分な利活用を図るために、日本リウマチ学会と検討し、フリーのダウンロードを可能とした。
2) 患者・家族向けQ&A集の完成と公表:患者会であるJIA親の会「あすなろ会」の協力を得て、患者サイドからの質問に対して医師が答えるQ&A形式で研究分担者および研究協力者である小児科・内科医・整形外科医にてQ&A集を完成させた。JIA患者に広く役立たせていただくために、上記と手引きと同様、日本リウマチ学会 HP上に、「患者向けQ&A(第二部)」(https://www.ryumachi-jp.com/general/jia-guide/)を掲載した。こちらも、フリーにダウンロード出来るように日本リウマチ学会と調整した。
3) 本邦JIA患者の実態調査(レジストリ研究):
先駆研究である「若年性特発性関節炎を主とした小児リウマチ性疾患の診断基準・重症度分類の標準化とエビデンスに基づいた診療ガイドラインの策定に関する研究」班で行ったJIAの疫学調査(ID:16822387)を基盤にして立ち上げた大規模JIAデータベースChildren’s version of NinJa(CoNinJa)の維持とデータ解析を行いつつ、小児慢性特定疾病制度(小慢)と指定難病(難病)データの解析も同時に行い、本年度は複合解析を行うことで我が国におけるJIA診療ならびに患者の状況について実態を調査する予定であった。しかし、後者の申請データが当該業者の不具合で手元に未着であるため、前者についてのみの解析を行った。
4) JIA診療の手引き改訂、JIA診療ガイドライン
作成:「若年性特発性関節炎初期診療の手引き
2015」内容を改訂し、治療に関するCQのシステマティックレビュー(SR)結果と合わせて診療ガイドラインとする作業を進め、概ね完成をみた。令和6年度前半の書物による公表を進めている。
(2) 移行期SLE分担班
1)本邦小児SLE患者の臨床的特徴の解明および分類基準の妥当性に関する検討:本邦小児SLE患者の臨床的特徴を明らかにするため、日本小児リウマチ学会のPRICUREデータベースを二次利用して、本邦小児におけるSLEの有病率、発症年齢、性差、臨床症状の特徴、治療法、予後に関する調査を実施中である。さらにEULAR/ACR2019分類基準の妥当性について、小児SLE診断の手引き、SLICC分類基準との比較検討を進めている。
2)小児・成人期SLEの臨床像の異同に関する検討:厚生労働省の小慢および難病データを用いて、小児と成人の臨床症状、検査データの異同、治療法の異同について検討を行う予定であるが、前述したように、当該業者の不具合で手元に未着であるため、データ解析を見合わせている。
3)小児SLE診療ガイドラインの作成:小児SLEガイドライン作成委員会(日本リウマチ学会、日本小児リウマチ学会、日本小児皮膚科学会、日本小児腎臓学会、日本小児皮膚科学会、日本小児眼科学会との共同組織)で、治療に関わる16個のCQを作成し、それぞれのCQに対して現在システマティックレビューの作業を終え、令和6年度内の完成・公表を進めている。
本課題では、小児期と成人期での生物学的製剤使用の相違点を明らかにするために、現時点で治療薬として生物学的製剤が承認されている若年性特発性関節炎(JIA)と全身性エリテマトーデス(SLE)の2疾患について、エビデンスレベルを可能な限り示した、生物学的製剤の診療ガイドライン等の指標を作成し公表・導出することを目標にする。
【方 法】
研究班全体を2つの分担班(移行期JIA分担班、移行期SLE分担班)に分け、それぞれの疾患について、最終的な研究班目的である両疾患の生物学的製剤の診療ガイドライン等の指標作成の礎となる作業を展開した。詳細については、後述する各分担報告書をご参照いただきたい。
【結 果および結論】
以下、本年度の成果を具体的に記載する。
(1)移行期JIA分担班
1)「メディカルスタッフのためのJIA患者支援の手引き完成と公表:「メディカルスタッフのためのライフステージに応じた関節リウマチ患者支援ガイド」(https://www.ryumachi-jp.com/medical-staff/life-stage-guide/)
を参考にして、JIA患者の支援に携わるメディカルスタッフのために、JIAの病態、治療、管理、成長に伴う変化に関する手引きを完成させた。また、今後 JIA 診療に関与されるメディカルスタッフ広く本疾患のことを啓発していくために、日本リウマチ学会 HP上に、「JIAメディカルスタッフに対する手引き(第一部)(https://www.ryumachi-jp.com/medical-staff/jia-guide/)を掲載することが出来た。十分な利活用を図るために、日本リウマチ学会と検討し、フリーのダウンロードを可能とした。
2) 患者・家族向けQ&A集の完成と公表:患者会であるJIA親の会「あすなろ会」の協力を得て、患者サイドからの質問に対して医師が答えるQ&A形式で研究分担者および研究協力者である小児科・内科医・整形外科医にてQ&A集を完成させた。JIA患者に広く役立たせていただくために、上記と手引きと同様、日本リウマチ学会 HP上に、「患者向けQ&A(第二部)」(https://www.ryumachi-jp.com/general/jia-guide/)を掲載した。こちらも、フリーにダウンロード出来るように日本リウマチ学会と調整した。
3) 本邦JIA患者の実態調査(レジストリ研究):
先駆研究である「若年性特発性関節炎を主とした小児リウマチ性疾患の診断基準・重症度分類の標準化とエビデンスに基づいた診療ガイドラインの策定に関する研究」班で行ったJIAの疫学調査(ID:16822387)を基盤にして立ち上げた大規模JIAデータベースChildren’s version of NinJa(CoNinJa)の維持とデータ解析を行いつつ、小児慢性特定疾病制度(小慢)と指定難病(難病)データの解析も同時に行い、本年度は複合解析を行うことで我が国におけるJIA診療ならびに患者の状況について実態を調査する予定であった。しかし、後者の申請データが当該業者の不具合で手元に未着であるため、前者についてのみの解析を行った。
4) JIA診療の手引き改訂、JIA診療ガイドライン
作成:「若年性特発性関節炎初期診療の手引き
2015」内容を改訂し、治療に関するCQのシステマティックレビュー(SR)結果と合わせて診療ガイドラインとする作業を進め、概ね完成をみた。令和6年度前半の書物による公表を進めている。
(2) 移行期SLE分担班
1)本邦小児SLE患者の臨床的特徴の解明および分類基準の妥当性に関する検討:本邦小児SLE患者の臨床的特徴を明らかにするため、日本小児リウマチ学会のPRICUREデータベースを二次利用して、本邦小児におけるSLEの有病率、発症年齢、性差、臨床症状の特徴、治療法、予後に関する調査を実施中である。さらにEULAR/ACR2019分類基準の妥当性について、小児SLE診断の手引き、SLICC分類基準との比較検討を進めている。
2)小児・成人期SLEの臨床像の異同に関する検討:厚生労働省の小慢および難病データを用いて、小児と成人の臨床症状、検査データの異同、治療法の異同について検討を行う予定であるが、前述したように、当該業者の不具合で手元に未着であるため、データ解析を見合わせている。
3)小児SLE診療ガイドラインの作成:小児SLEガイドライン作成委員会(日本リウマチ学会、日本小児リウマチ学会、日本小児皮膚科学会、日本小児腎臓学会、日本小児皮膚科学会、日本小児眼科学会との共同組織)で、治療に関わる16個のCQを作成し、それぞれのCQに対して現在システマティックレビューの作業を終え、令和6年度内の完成・公表を進めている。
公開日・更新日
公開日
2024-12-09
更新日
-