文献情報
文献番号
202310086A
報告書区分
総括
研究課題名
難病疫学研究の適正推進に資する情報や知見の普及・啓発に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
23FC1057
研究年度
令和5(2023)年度
研究代表者(所属機関)
福島 若葉(大阪公立大学大学院医学研究科公衆衛生学)
研究分担者(所属機関)
- 阿江 竜介(自治医科大学地域医療学センター公衆衛生学部門)
- 三宅 吉博(愛媛大学大学院医学系研究科疫学・公衆衛生学)
- 大藤 さとこ(大阪公立大学大学院医学研究科公衆衛生学)
- 大西 浩文(札幌医科大学医学部公衆衛生学講座)
- 村上 義孝(東邦大学医学部社会医学講座医療統計学分野)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患政策研究
研究開始年度
令和5(2023)年度
研究終了予定年度
令和7(2025)年度
研究費
4,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
難病の疫学研究から創出されるエビデンスは、医療水準の向上および患者のQOL向上など、わが国の難病対策で求められる事項の根幹を形成する。指定難病の増加、新たな希少疾患の認知などの状況も踏まえると、難病疫学研究の適正推進に資する情報や知見の普及・啓発を行う重要性が一層高まっている。本研究課題では、1) 既存データ(指定難病患者データベース、NDBなど)の利活用事例の提示、2) 全国疫学調査マニュアルに基づく頻度分布調査の「倫理面の手引き」改訂、3) 危険因子・予防因子を解明する研究実施に必要な基礎知識の啓発、4) 希少疾患レジストリの好事例調査、の各事項に取り組み、得られた成果を臨床班、関連学会など難病疫学研究に携わるすべての研究者と共有することにより、有益な情報や知見の普及・啓発を目指す。
研究方法
本研究班の班員らが複数の難病について実施してきた、あるいは今後実施する疫学研究の実績をベースに上記事項に取り組む。得られた成果は、本研究班の班員らが令和4(2022)年4月に立ち上げた「難病疫学研究ネットワーク」のホームページで公開する。
結果と考察
1) 既存データ(指定難病患者データベース、NDBなど)の利活用事例の提示:指定難病患者データベースを用いたBudd-Chiari症候群の発生動向と疫学像の解明を例に、研究を進める上で検討を要した解析上および結果公表時の留意点をまとめた。臨床調査個人票データを用いて分析した難病患者の就労状況の振り返りを行い、就労状況の全体像を疾患横断的に把握して支援にむけた課題を整理する重要性や、現在の就労状況の分析を改めて行う必要性を示した。NDBの特性と利用上の留意点を列挙し、難病の頻度分布推定への活用可能性や、本研究班で新たにNDB利用申請を行う際の対象疾患の考え方を整理した。皮膚科領域6疾患の指定難病患者データベースの利用申請の現状、既存データ利活用への臨床家の取り組みに関する意見交換の内容、商用レセプトデータによるリアルワールドデータ研究の経験についてまとめた。指定難病患者データベースの利活用状況について、班員個別の経験を超えた情報を系統的・網羅的に把握するため、全臨床班を対象とした実態調査を計画した。また、班員内で調査内容のブラッシュアップを兼ねたプレ調査を行った。
2) 全国疫学調査マニュアルに基づく頻度分布調査の「倫理面の手引き」改訂:本研究班の班員が携わり、最近実施した全国疫学調査の実際をふまえ、手引きで追加・更新すべき事項を確認した。
3) 危険因子・予防因子を解明する研究実施に必要な基礎知識の啓発:本邦における難病の症例対照研究の歴史を振り返りつつ、難病の危険因子・予防因子を解明する疫学研究に携わろうとする研究者に啓発すべき事項を整理した。近年実施した潰瘍性大腸炎の症例対照研究の解析結果とともに、その実際を提示した。
4) 希少疾患レジストリの好事例調査:潰瘍性大腸炎・クローン病を対象に、諸外国で運用されている希少疾患レジストリの好事例について公的情報を元に情報収集し、その規模、内容、利活用等を中心にレビューを行った。国内の状況については、レジストリ検索システムでの情報収集を実施し、基本的な知見を得た。本研究班の班員が携わっている国内の希少疾患レジストリの実際を提示し、制度面で改善が望まれる点も含めて考察した。
2) 全国疫学調査マニュアルに基づく頻度分布調査の「倫理面の手引き」改訂:本研究班の班員が携わり、最近実施した全国疫学調査の実際をふまえ、手引きで追加・更新すべき事項を確認した。
3) 危険因子・予防因子を解明する研究実施に必要な基礎知識の啓発:本邦における難病の症例対照研究の歴史を振り返りつつ、難病の危険因子・予防因子を解明する疫学研究に携わろうとする研究者に啓発すべき事項を整理した。近年実施した潰瘍性大腸炎の症例対照研究の解析結果とともに、その実際を提示した。
4) 希少疾患レジストリの好事例調査:潰瘍性大腸炎・クローン病を対象に、諸外国で運用されている希少疾患レジストリの好事例について公的情報を元に情報収集し、その規模、内容、利活用等を中心にレビューを行った。国内の状況については、レジストリ検索システムでの情報収集を実施し、基本的な知見を得た。本研究班の班員が携わっている国内の希少疾患レジストリの実際を提示し、制度面で改善が望まれる点も含めて考察した。
結論
得られた情報や知見は、難病疫学研究の実務を担う研究者が直面する困難を解決し、わが国における研究実施の知的基盤を総合的に強化することにつながる。次年度以降、「難病疫学研究ネットワーク」のホームページ(令和6 [2024] 年2月に刷新公開)上で、手引き、啓発資料、実態調査結果などを順次公開していく。
公開日・更新日
公開日
2026-01-05
更新日
-